【ゆうちょ銀行】相続手続きについて

公開日:2023年7月18日

ゆうちょ銀行の相続手続きの流れと必要書類を徹底解説

ここではゆうちょ銀行で相続手続きで必要な書類や、申請フローなどをご紹介していきます。
必要書類に不備があったり、記載方法に誤りがあると何度も窓口へ問い合わせをすることになってしまいます。スムーズな手続きを進めるためにも、当記事がお役立ていただければ幸いです。

【ゆうちょ銀行】手続きの流れと必要書類

ゆうちょ銀行に口座を持っていた方が亡くなった場合、他の銀行とは異なる手続きが必要です。
ゆうちょ銀行での相続手続きと必要書類についてスムーズに進めるための情報を、以下の流れに沿ってご紹介します。

【step1】 相続確認表・貯金等照会書の準備

【step2.】必要書類の揃える

【step3】 提出と手続き完了

【step4】 払戻金の受け取り

step1-相続確認表・貯金等照会書の準備

まず最初に行うべき手続きは、相続確認表・貯金等照会書の準備です。お近くのゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で、亡くなった方の口座相続が発生したことを伝えると、「相続確認表」と「貯金等照会書」という書類を受け取ることができます。

引用:相続確認表・貯蓄等照会書(PDFファイル)

これらの書類は亡くなった方がゆうちょ銀行での貯蓄状況確認と、相続人との関係性を証明するために使用されます。これらはホームページからも書類をダウンロードすることもできるので、窓口に取りに行く時間がない人はぜひ活用してみましょう。

なお、貯金等照会書の調査には通常10~14日ほどの時間がかかるため、手続きを行う際には余裕をもって進めるのがおすすめです。

また窓口に提出する際には、相続人本人であることを証明するために戸籍謄本などの書類を持参する必要がありますので、忘れずに準備しておきましょう。

step2-必要書類を揃える

相続確認表と貯金等照会書を提出すると、約2週間ほどで貯金事務センターから相続書類一式が郵送されてきます。
送られてくる書類には貯金等相続手続請求書や国債等相続手続請求書、提出書類一覧表などが同封されています。

以下が相続手続きに必要な書類一式です。

書類一覧必須
相続確認表
貯金等相続手続請求書
国債等相続手続請求書
必要書類一覧表
書類送付用の封筒
被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本
相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
通帳・証書・キャッシュカード
相続手続人の本人確認書類
遺産分割協議書※1
遺言書※2

※1相続人の間で遺産協議が承認されている場合
※2公正証書遺言・自筆証書遺言など

遺産協議が進行中であったり、遺言書の形式によっては追加で書類が必要となる場合があります。
遺産分割協議書は必須書類ではありませんが、今のうちに相続人全員が承認したことを書面で残すことは今後のトラブル回避に役立つため、作成することを推奨します。

戸籍謄本は除籍謄本・改製原戸籍謄本をはじめとし、被相続人の生まれてから亡くなるまでの全期間分が必要です。
引っ越しや本籍地の変更の回数に応じて、取得する必要がある戸籍謄本の数は増えていきます。この手続きは時間がかかることを考慮し、早め早めの行動を心がけましょう。

step3-提出と手続き完了

相続方法が確定したら、必要事項を記入し、相続人全員の署名と捺印(実印)を押した上で、他の必要書類と一緒に最寄りの窓口に提出します。

提出後、窓口担当者が書類の確認を行い問題がなければ受取票を発行し、希望すれば書類のコピーを返却してくれます。

確認が完了すると、提出したゆうちょ銀行の店舗(または郵便局)から貯金事務センターに郵送されます。

step4-払戻金の受け取り

提出書類に問題がなければ、代表相続人の口座に相続払戻金が入金されるのには通常1~2週間ほどかかります。ただし、状況によって受け取り方法が異なります。

金額が大きい場合は、証書を窓口に提出し後日指定の方法で受け取ることになります。払戻証書による受け取りの場合は、証書を窓口に持参して現金化できます。ただし、払戻証書はゆうちょ銀行以外の他の銀行では利用できませんのでご注意ください。解約や払い戻し希望であれば、ゆうちょ銀行への振り込みができます。もし相続人側で口座を持っていない場合は口座開設が必要になります。

なお、相続人が国債を所有していた場合は、相続払戻金を受け取る前に国債の名義変更や売却手続きを行う必要がありますので、ご注意ください。

【ゆうちょ銀行】相続Web案内サービス

ゆうちょ銀行ではwebからも相続申し込みも受け付けています。
自身の状況を入力することで必要な書類を案内してくれるので、窓口に行く時間が取れない方にはおすすめの手続き方法です。

引用:相続Web案内サービスの申し込み

入力時間は記載情報のボリュームに左右されますが、回答まで15~45分程度を目安としてください。

※亡くなった方が、ゆうちょ銀行で投資信託を購入していた場合や口座の状況によっては利用できないケースもあります。

【ゆうちょ銀行】相続手続きの注意点

窓口の営業時間と手続きの待機時間

窓口の営業時間は15時までとなっており、一部店舗では延長されている場合でも16時には受付終了となります。
また手続きを進める中で相続担当者が不在であったり、代わりの担当者が対応となった場合は、待ち時間が1~2時間に及ぶことも珍しくありません。

このような状況を考慮し予約制度を導入している窓口が増えていますが、近々での予約可能な日程がない場合も多いようです。このため早めの行動とスケジュールを組んで事前に計画を立てることが重要です。

窓口にへ行く頻度が多い

ゆうちょ銀行では他の金融機関と異なり最低でも2回の窓口訪問が必要です。「相続確認表」の提出と、ゆうちょ銀行から送付された必要書類を揃えて再度窓口に提出するという手続きになります(「相続確認表」を持ち帰って記入する場合は3回となります)。

他の金融機関では通常1回の手続きで済むことが多いため、ゆうちょ銀行は手続きに余分な手間がかかることになります。

申し込みから完了までは約1か月程度が必要

申請書類の精査は、ゆうちょ銀行ではなく貯金事務センターが対応するため、この書類のやりとりに時間がかかります。そのため、相続に必要書類な一式は「相続確認表」を提出してから1~2週間程度で郵送されます。

また、この書類らに必要事項を記入し提出してから、相続払戻金を受け取るまでにも1~2週間程度かかります。この期間を合算しておおむね合計1か月程度かかる想定になります。

なお、ここから書類に不備がある場合などは更に期間が延びる可能性があることも頭にいれておくことも必要です。

まとめ

以上がゆうちょ銀行での相続手続きになります。
ゆうちょ銀行は他の銀行とは異なる手続きが必要になるので、スケジュール通りに進めるためには注意が必要です。また、決して申請から完了まで滞りなく進むとは考えず、ゆとりを持って準備を進めることが肝要と考えます。

もし本記事を見ても不明な点が出た場合は、専門家にアドバイスを受けてみるのもよいでしょう。相談無料で窓口を開設している事務所も多数あるので、ぜひ積極的に活用することもおすすめです。

本記事によって、ゆうちょ銀行における相続手続きが円滑に進むことができれば幸いです。大切な方の遺産と遺志を適切に管理し、故人の想いを残していくようにしましょう。

著者紹介

相続プラス編集部

相続に関するあらゆる情報を分かりやすくお届けするポータルサイト「相続プラス」の編集部です。相続の基礎知識を身につけた相続診断士が監修をしております。相続に悩むみなさまの不安を少しでも取り除き、明るい未来を描いていただけるように、本サイトを通じて情報配信を行っております。

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本記事の内容は、記事執筆日(2023年7月18日)時点の法令・制度等をもとに作成しております。最新の法令等につきましては、専門家へご確認をお願いいたします。万が一記事により損害が発生することがあっても、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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