警察庁が令和4年度における行方不明者の統計データを発表しました。その中で認知症を発病されている方が年々増加傾向である事が判明しました。
令和4年における認知症を患う人々の行方不明届出は、令和3年と比較すると1,073人増加し、総数は1万8,709人となりました。これは統計を取り始めた2012年と比較すると、ほぼ倍増し過去最多です。また、70歳以上になると行方不明者の半数以上が認知症が原因での行方不明と、非常に高い割合になっています。
しかし、届出を受理した当日に77.5%の行方が判明し、1週間以内には99.5%で所在が確認されていて、認知症行方不明者は比較的早期の所在確認に至っているようです。

出典:警察庁「令和4年度 行方不明者の推移」
行方不明者になっても概ね無事保護されるケースが多いものの、場合によっては死亡まで至ってしまう事もあるようです。
認知症レベルが軽度の場合は自立生活も十分可能な為、家族間のルールによっては一般的な扱いを受ける場合が多いと思われます。しかし、普段とは異なる行動を起こし、行方不明に繋がる可能性も十分考えられます。
こういった不慮のトラブルを回避する制度として「成年後見制度」があります。認知症などが理由で自立した判断ができない人の代わりに支援する人を選定する制度です。今は認知症でなくとも将来を見据えて、知見を蓄えておくと転ばぬ先の杖となり得ます。
相続問題は先の事だから直ぐには不要と油断せず、家族間で早め早めに整理しておくのが良いでしょう。
