野村證券の相続手続き(移管・振り替え)を徹底解説

公開日:2023年12月14日

野村證券

この記事では野村證券で相続手続きを進めるために必要な書類や、申請フローなどを紹介していきます。必要書類に不備があったり、記載方法に誤りがあると何度も窓口へ問い合わせをすることになってしまいます。スムーズな手続きにするためにも、当記事をお役立ていただければ幸いです。

野村證券の相続手続きの流れと必要書類

相続手続きにおける基本的な流れは以下に沿って紹介します。気になる点が出たら最寄りの、野村證券各店舗へお問い合わせください。

【step1】口座名義人が死亡したことを役所へ連絡

【step2】野村證券で相続手続きの申し込み

【step3】移管(振り替え)準備

【step4】必要書類を準備して提出

【step5】手続きの完了

step1-口座名義人が死亡したことを役所へ連絡

まず死亡届をお住まいの役所へ提出しましょう。原則として、被相続人が亡くなったと判明した7日以内(国外で死去した場合は、3か月以内)に済ませるようにしましょう。

step2-野村證券で相続手続きの申し込み

役所での対応を終えたら、野村證券での手続きへと移ります。手続きは主に店舗窓口で行ってますが、Webからの来店予約も可能です。また、相続についての資料を取り寄せる場合は郵送、亡くなった被相続人の取引店についての問合せは電話からでも確認できます。

店舗窓口

平日/9:00~15:30(一部店舗では異なる場合あり)

電話窓口

平日/9:00~17:00

郵送窓口

常時受付

step3-移管(振り替え)準備

証券口座に関する相続の場合、株式や有価証券を相続人の名義に書き換える「移管(振り替え)手続き」を行う必要があります。この手続きに伴い、故人が所有していた証券会社と同じ口座が必要になります。そのため、野村證券の口座を所有していない場合は、相続人名義で新たに口座を開設する必要があります。

口座開設はWebや郵送で行えるため、書類の準備と並行して進めるとスムーズに手続きが期待できるでしょう。

なお、野村證券の口座から野村證券以外の証券会社等へ株式等を移管する場合は、数量に応じて移管する銘柄ごとに11000円を上限額として、移管手数料がかかるので注意が必要です。

step4-必要書類を準備して提出

必要書類は遺言書の有無や手続き方法(払い戻し・名義変更)によって異なりますが、まずはどんな状況においても共通して揃えておくべき書類と、代表的なケースで必要な書類を紹介します。

必須の書類

  • 野村證券所定の書類
  • 戸籍謄本、または法定相続情報一覧図※1
  • 相続人とわかる本人確認書類※2

ここからは各ケースに応じた基本的な必要書類となります。なお、相続内容によっては追加書類が発生する可能性があります。また、戸籍謄本や印鑑登録証明書などの書類は基本的に原本が求められます。

遺言書がある場合

  • 遺言書および検認調書または検認済証明書※3
  • 遺言執行者選任審判書※4
  • 遺言執行者の印鑑証明書
  • 死亡証明書や戸籍謄本
  • 相続手続依頼書

遺産分割協議書がある場合

  • 全員分の印鑑登録証明書
  • 相続人全員分の戸籍謄本※1※5
  • 遺産分割協議書
  • 相続手続依頼書

遺言書も遺産分割協議書もない場合

  • 相続人全員分の印鑑登録証明書
  • 相続人全員分の戸籍謄本※1※5
  • 相続手続依頼書

※1法定相続情報一覧図の写しを用意する場合は不要。
※2遺言書がない場合は、出生から死亡まで連続した戸籍(除籍)謄本が必要。
※3公正証書もしくは自筆証書遺言書保管制度を利用し、遺言書情報証明書を用意する場合、検認済証明書は不要。
※4家庭裁判所で遺言執行者が選任されている場合のみ必要。
※5亡くなった方の兄弟姉妹がいる場合、その方の両親の出生から死亡まで連続した戸籍(除籍)謄本も必要。

step5-手続きの完了

手続きに問題がなければ、「手続きが完了した旨の通知」および「お預り明細のお知らせ」が届きます。この書面が届く時期は各自のケースによって異なります。なお、別途手続きが発生した場合は案内に基づいて進めていきましょう。

相続手続きに必要な書類の収集方法

証券会社や銀行の相続手続きで使用するケースが多い書類の発行方法と、手数料についてご紹介します。

印鑑登録証明書

印鑑登録証明書は、印鑑登録している市区町村役場やサービスセンターで、各窓口が用意している申請書に本人確認証を添えて提出すれば発行されます。本人確認証は官公署発行の顔写真付のものであれば1点、それ以外であれば2点用意しておきましょう。発行手数料は自治体によって異なりますが、おおよそ200~300円程度になります。

なお、マイナンバーカードを所持している場合は、コンビニエンスストアでも発行が可能ですが、コンビニエンスストアでの交付に対応しているかどうかは、市区町村ごとに異なります。利用する前に役場のホームページなどで確認しておくとよいでしょう。

戸籍謄本・除籍謄本

戸籍謄本や除籍謄本は市区町村役場で発行でき、発行料は戸籍謄本は450円、除籍謄本は750円かかります。この戸籍謄本は相続の場合、出生から死亡まで連続したものを求められることが多く、状況によっては様々な地域の役場へ出向く必要がありました。

しかし、令和6年3月1日から戸籍謄本の広域交付制度が開始されたことで、最寄りの役場で他地域の戸籍謄本や除籍謄本が一括収集できるようになりました。制度を利用できる環境であれば積極的に活用し自身の負担軽減に役立てていきましょう。ただし、コンピュータ化されていない戸籍証明書は発行はできないので注意が必要です。

残高証明書の取得

手続きの内容や相続財産によっては、野村證券の残高証明書の取得が必要な場合があります。残高証明書が必要になる場面や、取得に必要な書類、発行にかかる費用を解説します。

残高証明書が必要になる場面とは

遺産分割協議や相続税申告の際には、亡くなった人の口座残高を証明する残高証明書が必要になる場合があります。証明書の発行は払い戻し・名義変更の手続きには含まれていないため、必要に応じて別途窓口で残高証明書の申請を行う必要があります。

また、残高証明書の発行時には、どの時点の残高証明が必要かを尋ねられることがありますが、その場合は「亡くなった方の死亡した日」と答えるのがベターでしょう。なお、残高証明書は取引店以外で手続きを行う場合は日数がかかることがあるので、注意しておきましょう。

残高証明書の発行に必要な書類と費用

残高証明書の発行で主に用意する書類は以下の通りです。

  • 残高証明書等作成依頼書
  • 亡くなった方の戸籍謄本(除籍謄本)もしくは決定相続情報一覧図の写し
  • 申請者の本人確認証明書(運転免許証や健康保険証、印鑑登録証明書など)

なお、取引内容や相続事情に応じて、別途で書類の追加提出が求められる場合があります。野村證券の残高証明書の発行手数料は無料です。

困る人が続出!予想以上に大変な証券会社の相続手続き

野村證券の相続手続きをする方法を解説しましたが、自分で手続きをしようとすると、必要書類の準備や申し込みのために、大変な労力がかかることが分かるでしょう。

【証券会社の相続手続きが大変なポイント】

  • 想像以上に大変な、関係者全員の戸籍と印鑑証明収集
  • 平日の日中に時間をつくって窓口で手続きをしないといけない
  • 相続人の数が多くなると、膨大な量の書類が必要になる

手続きのためには、亡くなった方の戸籍(除籍)謄本・相続人の戸籍謄本・印鑑証明書を集めなければならず、さらに遺言書や遺産分割協議書の有無によって、必要な書類も変わってきます。手続きのために何度も窓口を訪れることになる可能性もあるので、こうした手続きに不安がある方や時間がとれないという方は、手続きを専門家に依頼することをおすすめします。

【このような方は専門家への依頼がおすすめ】

  • 平日の日中になかなか時間がとれない方
  • 戸籍や印鑑証明の収集を任せたい方
  • 証券会社のほかに、遠方の銀行や複数の銀行に口座をお持ちの方
  • 証券会社のほかに、どの銀行のどの支店に預金があるか分からない方
  • ほかの相続手続きとあわせて任せたい方

相続プラスでは証券会社や銀行の手続きの相談をできる専門家を多数紹介しています。無料相談を実施している専門家も多いので、皆様の状況にあった相談ができる専門家を探してみてください。

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本記事が野村證券の相続手続きにお悩みの方の助けになれば幸いです。大切な方の遺産と遺志を適切に管理し、故人の想いをのこしていきましょう。

野村證券とは

野村證券は野村グループの持株会社である野村ホールディングス株式会社の100%子会社で、野村グループの中心業務である証券業務を担う会社です。

野村證券の歴史は、創業者二代目の野村徳七が父から受け継いだ両替商「野村徳七商店」を発展させた傍ら、銀行業に進出し大正7年に大阪野村銀行を設立したことが始まりでした。同行に設置した証券部の利益が拡大し、独立の兆しが高まったことで大正14年12月に野村證券を設立しました。

設立の2年後、昭和2年にニューヨーク出張所を開設しました。国際関係の緊張が高まったために、昭和11年にいったん閉鎖しましたが、その後の海外拠点強化の礎となりました。

野村證券はその後成長を遂げ野村グループ全体で、世界30以上の国と地域に展開するグローバルな体制となっています。

令和7年の創立100周年の節目に策定されたパーパスは、「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」を掲げています。新たな挑戦を続けながら、金融資本市場の力で、それぞれの豊かな社会の実現に取り組み続けています。

※令和6年5月31日現在

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記事の著者紹介

相続プラス編集部

【プロフィール】

相続に関するあらゆる情報を分かりやすくお届けするポータルサイト「相続プラス」の編集部です。相続の基礎知識を身につけた相続診断士が監修をしております。相続に悩むみなさまの不安を少しでも取り除き、明るい未来を描いていただけるように、本サイトを通じて情報配信を行っております。

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本記事の内容は、記事執筆日(2023年12月14日)時点の法令・制度等をもとに作成しております。最新の法令等につきましては、専門家へご確認をお願いいたします。万が一記事により損害が発生することがあっても、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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