2023年4月から、原則として65歳から受給する老齢基礎(厚生)年金に関する「特例的な繰下げみなし増額制度」が開始されます。
本特例制度により、「繰下げ受給の申出」がなかったとしても、年金を請求する5年前にその申出があったものと “みなして” 、増額された年金を一括で受け取れるようになります。
66歳から75歳までの期間に遅く受け取る「繰下げ受給」では、受け取りを我慢した期間分(繰下げ待機期間)だけ、年金受給額が増加されます。しかし、年金の受給開始を遅らせた後に、繰下げ待機期間分の年金を一括請求するケースも考えられます。
従来の制度だと、この「待機期間分の年金の一括請求金額」は、繰下げたことによる加算なしの本来の受給額のままでした。今回の改正により、このような場合でも5年前の前日時点に「繰下げ受給の申出」があったと “みなされ” ます。
このように「繰下げ受給の申出」を当初の申出よりも5年前にずらすことで、65歳から “みなし” 申出時点までが「待機期間」として扱われます。その待機期間分が「繰下げ加算」され、年金額にも反映されるため、従来の制度よりも安心して繰下げを選択することにつながるでしょう。
参考:日本年金機構「年金の繰下げ受給」、「令和5年4月から老齢年金の繰下げ制度の一部改正が施行されます」
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