はじめに
相続が発生すると、多くの複雑な手続きが必要になります。しかし、その全てを自分でやる必要はありません。専門家に依頼できる手続きもあるからです。それでは、どんな手続きを専門家に頼むのが良いのでしょうか。相続経験者100人に聞いたアンケートから、専門家に頼むべき手続きを読み解きます。
相続で大変なのは、手続きの多さと複雑さ
あなたが相続を受けた際、不満があったこと・大変だったことは何ですか?(お答えはいくつでも)
実際に相続を経験した100人に聞いた、相続で不満があったこと・大変だったことのアンケート結果です。3位の葬儀を除くと、相続の手続きに関するものが上位を占めていることが分かります。それではこの大変な相続手続きを、実際にどれくらいの人が専門家に頼んでいるのでしょうか。
不動産と相続税は、専門家への依頼が効果的
相続の手続きのうち、専門家に頼んでやってもらったことをすべてお答えください。
その中で、頼んでやってもらって良かったと思うことをお答えください。(お答えはいくつでも)
次は相続経験者が専門家に頼んだ手続きと、専門家に頼んで良かったと回答したものを見ていきます。上位3つは「不動産の名義変更」「相続税の申告」「遺産分割協議書の作成」という結果となりました。
専門家に頼んで良かった手続き1位は、不動産の名義変更
1位の「不動産の名義変更」は、申請のために大量の書類が必要になり、自分で手続きを行うと膨大な労力が必要になる手続きです。アンケートでは専門家に頼んだ26人全員が頼んで良かったと回答していることから、不動産の名義変更は専門家に頼むべき手続きの代表格と言えるでしょう。
相続税が発生する人は、専門家に相談を
2位の「相続税の申告」は、相続を受ける人全員が必要な手続きではありません。相続を受ける人のうち、相続税が発生する人のみが必要になる手続きです。一部の人に対する手続きにもかかわらず2位に入っていることから、相続税が発生する場合は専門家への相談を検討すべきと言えるでしょう。
相続を受ける人が多いと難航する、遺産分割協議書の作成
3位の「遺産分割協議書の作成」は、相続を受ける人の数や関係性、相続の内容によって作成の難易度が大きく変わってくる書類です。こちらの記事で遺産分割協議書の作成について詳しく解説していますので、専門家に頼むべきかの判断材料としてご活用ください。
専門家に頼まずに、自分でできる手続きもある
次は、専門家に頼まずに自分でやった手続きについて見ていきましょう。相続経験者が「自分でやって良かった」と感じたものは、どんな手続きだったのでしょうか。
相続の手続きのうち、専門家に頼まずに自分でやって良かったと思うことをお答えください。(お答えはいくつでも)
自分でやって良かったものの上位は「戸籍の収集」「預貯金の解約払戻し」「相続財産調査」という結果でした。
役所や公的機関への書類提出が必要になる手続きではなく、その前段階の情報収集や、日常的にやり取りのある金融機関での手続きは、自分でやって良かったと感じる人が多いようです。
おわり
ひとたび相続が発生すると、限られた時間内で数多くの複雑な手続きを行わなければなりません。「この手続きは専門家に頼んでしまおう」「これは自分でできる手続きだから、今のうちに準備しておこう」と、内容を整理して相続に備えておくことが重要です。
調査概要
【相続に関する調査】
調査期間:2022年10月24日(月)~10月25日(火)
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社ネオマーケティング
【調査対象】
性別:男女
地域:全国
相続を遺す可能性がある60歳~79歳(100人)
過去10年以内に相続を受けたことがある40歳~69歳(100人)
相続を受けたことがない30歳~59歳(100人)