国税庁は1日、令和6年の「路線価」を発表しました。調査対象である全国のおよそ32万地点の全国平均は、前年より2.3%上がり3年連続で上昇しています。
路線価は相続税評価額に影響する
路線価とは、1月1日の時点で国税庁が算定した、全国の主な道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額です。これは相続税を計算する際にも影響を与え、一般的に路線価が上がると相続税評価額も上がります。
路線価はここ3年連続で前年を上回っており、現在の算定方法になった平成22年以降で最も大きな上昇率となっています。
「路線価を用いた不動産評価額や相続税評価額の計算方法」について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
路線価が上昇した地域と下がった地域
国税庁によると、新型コロナからの回復でインバウンド需要が好調であることや、各地で再開発が進んでいることなどが要因で全国的に路線価が上昇しているとのことです。
路線価の全国1位は39年連続で東京・銀座5丁目の文具や香の老舗専門店「鳩居堂」前で、1平方メートルあたり約4424万円と、昨年と比べて152万円上回り、上昇率は3.6%でした。
一方、1月の能登半島地震による地価の下落を反映するため、各被災地域ごとに調整率を定め路線価を引き下げた地域もあり、新潟県全域と、石川県、富山県で利便性の低下や経済活動の縮小を理由に最大45%路線価を引き下げています。
なお、下落した16県の中で最も下落率が大きかったのは、和歌山県でマイナス1.0%となっています。
【令和6年路線価:都道府県簡易データ】
- 前年を上回った都道府県
上昇率が最も大きい福岡をはじめ29都道府県(前年より9県多い) - 前年を下回った都道府県
16県で、四国は4県いずれも下落(前年より4県少ない) - 横ばいの県
青森と静岡で、前年から変動なし
不動産を相続した際は専門家への相談も検討しよう
土地や家などの不動産は、何千万もの大金をはたいて購入する一世一代の買い物です。相続した不動産は、相続人の資産形成や今後の人生に影響を与えるため、相続開始時の時価を正確に把握しておくことが大切です。
複雑な不動産評価額の計算でつまずかないように、相続手続きを行う際は経験豊富な専門家の力を借りることをおすすめします。
「相続税」について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。