国税庁は3日、相続税などの算定基準となる令和5年の「路線価」を発表した。調査対象となった全国のおよそ31万6000地点の全国平均は、前年より1.5%上がり2年連続で上昇した。
路線価は、1月1日の時点で国税庁が算定した、全国の主な道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額で相続税や贈与税を計算する際の基準。
新型コロナの影響を受けていた東京・浅草や銀座、京都市内など観光地を中心に全国的に上昇傾向となっており、地方都市も含め回復傾向にある。
標準宅地の変動率は25都道府県が上昇し、前年と比べて5県多かった。その中でも北海道は去年より6.8%上がって8年連続で上昇し、上昇率は2年連続で全国で最も高くなった。
札幌ステラプレイス前の「札幌停車場線通り」で去年より8.4%値上がり、1平方メートル当たり約668万円だった。札幌市中心部では北海道新幹線延伸を見据えてマンションやオフィス需要が高まっている。
一方で下落した20県の中でも、和歌山県がマイナス1.2%と最も下落率が大きかった。
なお、路線価の全国1位は38年連続で東京・銀座の文具や香の老舗専門店「鳩居堂」前で、1平方メートルあたり約4270万円で、3年ぶりに上昇に転じ、上げ幅は1.1%だった。
【令和5年路線価:都道府県簡易データ】
- 前年を上回った都道府県
上昇率が最も大きい北海道をはじめ25都道府県(前年より5県多い) - 前年を下回った都道府県
20県で、四国は4県いずれも下落(前年より7県少ない) - 横ばいの県
長野と滋賀で、前年から変動なし
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