【遺言(ゆいごん/いごん)の超基本】 定義や種類、メリット・デメリットとは?

公開日:2023年4月7日|更新日:2023年4月24日

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自分が亡くなった後の遺産相続で、遺言書を頭に思い浮かべる人は多いのではないでしょうか? 

遺産をもらう側からは、遺言書がなかったために「相続が大変だった。兄弟と争った」などの遺言書を作成しておけばという後悔の声が上がっています。

こちらの記事では、遺言書の基礎知識や3種類ある遺言書の概要、遺言書のメリット・デメリットを解説します。

遺言の定義・法的効力。遺書との違いは?

遺言の読み方や定義、関連して登場する専門用語、紛らわしい「遺書」との違いなどの基礎知識をわかりやすく解説します。

「遺言」の定義や読み方

遺言とは「所有していた財産に対する、故人による最終の意思表示」。それを書面にしたものが「遺言書」です。故人の遺産を「誰にどれくらい分けるのか」について、法的に大きな効力を持っています。

「遺言」という漢字の一般的な読み方は「ゆいごん」。生前に家族に病床で最期に発した言葉や、メモ書きなど広い意味で使用され、聞き慣れている人が多いと思われます。

一方で、専門的な意味で使用する場合の遺言の読み方は「いごん」。法律上の手順や形式に則り作成された遺言であり、正式に法的効力がある場合に弁護士や司法書士などの専門家が使用します。

どちらも読み方も正しいですが、一般的に広い意味で使用される「ゆいごん」の中に狭い意味の「いごん」が含まれており、使用されるシーンで読み方が異なることがあります。

遺言で知っておきたいキーワード

遺言に登場する人物のイメージ

遺言に密接に関わってくる人や行為について解説します。主にこちらの専門用語が遺言ではよく登場します。

  • 遺言(遺言書)を作成する人:遺言者(いごんしゃ)
  • 遺言により財産を渡す行為:遺贈(いぞう)
  • 遺贈で財産を贈った人:遺贈者(いぞうしゃ)
  • 遺贈で財産を受け取った人:受遺者(じゅいしゃ)

遺言者と遺贈者はいずれも、自分の財産を他人に渡そうと考えている人で、同一人物であることがほとんどです。受遺者と遺贈者は、簡単にいえば、遺言で遺産をもらう側と贈る側。それぞれ反対の立場にある人物で、セットで登場することが多いです。

相続における遺言の法的効力

遺言の法的効力について解説します。「遺言書」は法的効力を持つ、故人の意思表示を書き記した書面のことで、遺言書を作成した遺言者が亡くなって初めて有効となります。

遺言はいくつかの項目について法的効力を持ち、ここでは主要となる3つの項目について解説します。

  1. 遺産相続分や分割方法の指定
  2. 相続人になる予定者の廃除
  3. 遺言執行者の指定

<1. 遺産相続分や分割方法の指定>

遺言の代表的な法的効力ともいえるのが、誰に遺産を渡すのかという「遺贈」に関すること。遺産に関して、「誰に、何を、どのくらい渡すのか」を、遺言者が作成した遺言により指定することを「指定相続分」と呼びます。

遺言による「指定相続分」がないと、法律で定められた相続分である「法定相続分」に従って、相続するケースが一般的なようです。

<2. 相続人になる予定者の廃除>

「相続人になる予定者の廃除」とは、特定の人から虐待や重大な侮辱行為といった被害を受けていた場合に、その人の相続する権利をはく奪できる権利。これを「相続廃除」と呼びます。相続廃除には主に2種類あり、遺言で行う「遺言廃除」と、存命中に行う「生前廃除」があります。

なお、現状で相続人になる予定者のことを「推定相続人」と呼びます。遺言者が遺言を書いている時点では、実際に遺産相続する相続人はまだ確定していません。「推定相続人」には、一般的に配偶者などの法定相続人などが含まれます。

<3. 遺言執行者の指定>

「遺言執行者の指定」では、相続手続きをスムーズに進めるために、遺言書の内容を執行する人を指定しておくことです。もし、遺言執行者を遺言書で指定したいのであれば、遺言者は生前に相手の了承を得ておくことが望ましいでしょう。

3つある相続方法の中で遺言書が最優先

遺言書が多く登場するのは、自分の財産をどのように相続人に分け与えるかといった遺産相続の場面でしょう。遺産相続の方法は、遺言書以外にも存在しており、主に次の3種類があります。

  1. 死亡した人が遺した「遺言書」
  2. 相続人全員による「遺産分割協議」
  3. 家庭裁判所が審判を下した「遺産分割調停」

上記の3種類の中で、遺言書の内容が原則として一番優先されます。しかし、遺言書の内容も絶対というわけではありません。

というのも、法定相続人には最低限保障されている遺産の割合である「遺留分」が定められており、「遺言書」の内容が遺留分を侵害している場合は「遺留分」が優先されるからです。したがって、ケースによっては、相続人は「必ずしも遺言書通りに遺産相続するわけではない」といえます。

遺言書がなく、相続人全員が「法定相続分」に従ってそのまま相続することに納得できない場合、「遺産分割協議」を行います。遺産分割の内容が確定するまで、遺産は相続人全員の共有のものであるため、遺産分割協議は必ず相続人全員で行われます

なお、遺産分割には、とくに法律上の期限はありません。しかし、相続税の申告期限が「相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内」であるため、その期限までに終わらせる必要があるといえます。

「遺産分割協議」で話し合いがまとまらなかった場合に、家庭裁判所に申立てて「遺産分割調停」が行われます。「遺産分割調停」には、法的な強制力があり、相続人は必ず守らなければなりません。審判が開始してから確定までは約3~8か月かかるといわれています。

「遺留分」について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

遺言書と遺書は、まったく違うもの

字面が似ており、一見すると混同しそうな「遺言書」「遺書」。さらに、故人が生前に遺した言葉を書き記したものという共通点も持つ両者には、どのような違いがあるのかお分かりでしょうか? 答えは <法的効力の有無、法的拘束力を持つかどうか> が大きな違いです。

前述の通り、「遺言書」は所有財産や権利に関する故人の意思表示を、法律上の手順に則り作成された「法律文書」。それに対して、「遺書」は法律上の手順に則って作成されたものではなく、相手への想いやメッセージをしたためた、いわば故人からの「手紙」のようなもの。

したがって、遺された家族が遺産を相続する場面では、遺言書は有効ですが遺書は無効となるためまったく異なるものだといえます。

遺言は主に3種類ある

法律上の遺言は、民法で形式が厳格に定められています。したがって、遺言者本人が実際に書き記した書面であっても、要件を満たしていない遺言は無効となってしまうので注意が必要です。

遺言の方式は大きく分けると「普通方式」「特別方式」に分けられます。「特別方式」は遺言者が命の危険にさらされていたり、一般社会と隔絶されていたりする環境下にいるために、「普通方式」による遺言が難しい場合に限って認められる遺言です。

こちらの段落では、一般的な遺言方法である「普通方式」について解説します。「普通形式」における遺言の種類は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つがあります。それぞれの違いは、公証役場で立合う証人や、家庭裁判所の検認の有無などが挙げられ、まとめると下記の通りです。

自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言における証人・検認の要不要や保管場所などの比較表

(※1)法務省の自筆証書遺言書保管制度を利用しない場合
(※2)検認:相続人に遺言の存在と遺言内容を知らせ、遺言書の偽造・変造を防止する手続き

それでは、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言について、それぞれ解説していきます。

自筆証書遺言とは:費用が抑えられ自分でもできる

自筆証書遺言とは、遺言者本人が自分の手で書いた遺言のこと。他の形式と比較すると、自筆証書遺言は費用がほとんど発生せず、一番簡単に作成できることがメリットです。

しかし、自筆証書遺言は専門家のチェックを通しません。そのため、様式不備で無効になったり、遺言内容が改ざんや偽造されてしまったり、紛失してしまったりする危険性があることも注意点として忘れてはいけません。

「自筆証書遺言」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

公正証書遺言とは:安全で確実。公証人に作成してもらう

公正証書遺言とは、遺言者が公証人に依頼して作成してもらった遺言のこと。

公正証書遺言のメリットは、その遺言が遺言者の意思に基づいていることが保証されており、遺言内容が有効である可能性が限りなく高いことでしょう。さらに、法務省管轄の公証役場に遺言書の原本が20年間保管されるため、遺言書が改ざんされたり、紛失したりする危険性もありません。

反対に、公正証書遺言が持つデメリットとして、作成手数料などの費用が掛かってしまうことが挙げられます。公正役場の公証人への手数料は、財産価格によって段階的に変動します。財産価格が100万円以下だと5000円、100万円超200万円以下だと7000円という具合に手数料が発生し、費用相場は2~5万円程度といわれています。

「公正証書遺言」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

秘密証書遺言とは:存在だけを証明したいときに作成する

秘密証書遺言とは、遺言内容を秘密にしながらも、その存在だけを公証役場で証明してもらう遺言のこと。遺言者本人が遺言を作成して封をした後に、公証役場で必要な手続きを行います。

公証役場には遺言を作成したという記録だけが残り、秘密証書遺言は遺言者本人が保管します。自筆証書遺言とは違い、遺言者が封をした遺言書の偽造や改ざんのリスクを低く抑えられるメリットがあります。

一方でデメリットは、遺言内容が無効になる可能性がゼロではないということ。遺言の内容は要件に従って正確に作成する必要があるため、弁護士などの専門家の力を借りずに遺言者が1人で作成した遺言が、確実なものであるとは限りません。さらに、秘密証書遺言の費用は、一律で1万1000円の手数料が発生することも注意点として挙げられます。

「秘密証書遺言などの遺言の書き方」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

遺言書のメリットとデメリットとは?

3種類ある遺言方法に共通するメリット・デメリットを具体的に解説します。

遺言書を作成する3つのメリット

遺言書を作成するメリットは次の通りです。

  1. 相続トラブルの防止につながる
  2. 相続人の手続きの手間が少なく済む
  3. 遺言者の自由意思で遺産を渡せる

上記の3つのメリットを解説していきます。

<1. 相続トラブルの防止につながる>

遺言書を作成し、生前に遺言者自身で遺産の分け方を決定しておくことで、遺された家族で遺産分割をめぐる争いが起きることを防げます。

遺言書がない場合、相続人は基本的に法定相続分に従って遺産を相続します。しかし、相続財産によっては、相続人全員で遺産分割協議をしなければなりません。たとえば、実家の土地や家などの不動産、借地権や借家権などの権利は、物理的に分けることが難しい財産などは遺産分割協議が必要でしょう。

このような場合では、遺産分割協議を相続人全員で行い、話し合いをまとめた遺産分割協議書を作成しなければなりません。そうなると、遺産分割が原因で、相続人同士のトラブルに発展する可能性が生じてしまいます。

<2. 相続人の手続きの手間が少なく済む>

遺言書があれば、遺産分割協議書を作成しなくて済むため、相続人がすべき相続手続きの手間が少なくなります

それだけでなく、相続手続きで準備する必要書類も少なくなることもあります。たとえば、銀行の相続手続きを例に挙げます。死亡した遺言者の戸籍謄本に関しては、遺言書があれば、「死亡」の記載があるものだけで問題ありません。一方で、遺言書がなければ「出生から死亡までが連続して」記載されたものが必要となります。

さらに、遺言書の内容に従って、遺産を受け取る「受遺者」の戸籍謄本に関しても同様です。必要となる戸籍謄本は、遺言書があれば「受遺者」だけ、遺言書がなければ遺産を分割して受けとる「相続人全員分」が必要となります(※3)

戸籍謄本を取得する際には発行手数料や、申請するための手間も発生するでしょう。したがって、遺言書を作成しておくと、こうした煩わしい手間を省けるというメリットが挙げられます。

(※3)参考:一般社団法人 全国銀行協会「預金相続の手続に必要な書類

<3. 遺言者の自由意志で遺産を渡せる>

遺言書を作成しなければ、遺産は法律に則って、死亡した人の配偶者や子どもといった「法定相続人」にそのまま相続されます。

しかし、死亡した人(遺言者)が遺産を渡したいと思っている相手が、必ずしも戸籍上のつながりのある法定相続人であるとは限りません。内縁関係の人、介護でお世話になった人、特別に親しかった人がいる場合、その人に渡したいと思っている可能性はあります。

遺言書は「指定相続分」という法的効力を持つため、遺言書を作成しておけば、自分が死亡した後に自分の遺産を渡したい相手を自由に選び、その遺産金額や相続財産を指定できるメリットがあります。

このように遺言書は、法定相続分に縛られず、自分の好きなように遺産分割の指定ができます。ただし、遺言書を作成するときの注意点として、法定相続人の「遺留分」を侵害しないように、気を付けなければならないことが挙げられます。

遺言書を作成する2つのデメリット

先ほど紹介したメリットとは逆に、遺言書を作成するデメリットを見ていきます。遺言書を作成する上で理解しておきたいデメリットは次の通りです。

  1. 遺言者に手間や費用がかかる
  2. 相続人に見つけられないリスクがある

上記の2つのデメリットを解説していきます。

<1. 遺言者に手間や費用がかかる>

公正証書遺言と秘密証書遺言は、両方とも公証役場での手続きの手間がかかり、作成手数料などの費用が発生します。

一方で、自筆証書遺言では作成手数料は発生しませんが、家庭裁判所への申立て費用が掛かります。自筆証書遺言では遺言を執行するため、基本的に家庭裁判所による検認作業が必須。収入印紙代や郵便切手代、検認済証明書の交付手数料など、あわせて数千円程度が検認作業で必要になるでしょう。

また、自筆証書遺言では、家庭裁判所への検認申立てを怠って遺言書の執行をした場合や、勝手に遺言を開封した場合には、5万円以下の過料に処せられるリスクもあります。

このように「遺言書は書き終わったら安心」というわけではありません。公証役場や家庭裁判所への手続きの手間や払うべき費用が、遺言者側に発生することがデメリットとして挙げられます。

<2. 相続人に見つけられないリスクがある>

遺言書が、他の相続人に発見されない可能性はゼロではありません。公正証書遺言は公証役場で厳重に保管されており場所も明確ですが、自筆証書遺言と秘密証書遺言は異なります。

遺言者本人の自宅にある、仏壇やタンスの引き出しの奥といった目立たない場所や、銀行の貸金庫などに保管されている可能性があります。普段目につかない場所に保管され、相続人がその保管場所を忘れてしまうと、当然ながらその遺言書は発見されません。

せっかく遺言書を作成したのに、相続人に発見されないというリスクを回避するために、遺言者は相続人になる予定の人に、遺言書の存在とその保管場所をしっかりと伝えておきましょう。また、遺産を受け取る側は、保管場所を忘れないようにしっかりメモなどを控えおくことが必要です。

遺言書を作成した方がよい具体的なケース

遺言書を作成しようか迷う人もいると思います。そのような方に向けて、遺言書を作成しておいた方がよいケースについて解説します。遺言書を作成しておいた方がよいケースは次の通りです。

  • 相続人同士の仲が悪く、争いのリスクを回避したい
  • 法定相続人以外に遺産を渡したい
  • 家業など会社の事業を継がせたい

上記の3つのケースについて解説していきます。

相続人同士の仲が悪く、争いのリスクを回避したい

相続人同士の仲が悪いことが分かっている場合、遺言書がないと遺産分割で相続人同士のトラブルに発展してしまう可能性があります。相続トラブルの危険性を回避するためにも、遺言書を作成しておくことが有効であるといえます。

法定相続人以外に遺産を渡したい

法定相続人以外の特定の人物に遺産を相続させたい(遺贈したい)時は、遺言書を作成しておきましょう。

遺言書がない場合、法定相続分に従って遺産相続されるか、相続人全員が参加しての遺産分割協議が行われます。いずれの場合も、基本的に法定相続人が対象で、かつ参加する権利を有しています。そのため、法定相続人以外に遺贈したい場合は遺言を作成しておくとよいでしょう。

法定相続人以外への遺贈は、たとえば、次のようなケースが考えられます。

  • 再婚相手の連れ子
  • 認知していない子ども(非嫡出子)
  • 内縁関係の相手
  • 特別に親しかった人、お世話になった人
  • 慈善団体や母校

「再婚相手の連れ子」であれば、遺言を作成する方法以外に「養子縁組」をすることで、親の相続権を得られます。

「認知していない子ども(非嫡出子)」は、婚姻関係にない男女の間に生まれた子ども。婚姻関係があれば、その子どもは嫡出子として自動的に相続権が発生します。認知していない子どもは相続権がないため、遺産を相続させたい場合は遺言書による遺贈が有効でしょう。

戸籍上の婚姻関係がないために、配偶者としての相続権が発生しない「内縁関係の相手」も同様に、遺言書による遺贈で遺産を渡すことができます。遺贈の対象は、個人に限らず「団体や企業」にすることもできます

法定相続人以外の特定の人に遺贈する際の注意点として、法定相続人が最低限受け取れる遺産の割合である「遺留分」を考慮することを忘れないようにしましょう。

家業など会社の事業を継がせたい

もし死亡した人が企業の社長であったり、個人事業主として農業などを営んでいたりした場合、自分の子どものなど特定の相続人に継がせたいのであれば、遺言書を作成することをオススメします。

社長として経営を承継させるためには、特定の相続人(後継者)に大半の株式を集中させる必要があります。また、個人事業主にも同様に、特定の相続人にすべての事業用資産を承継させなければなりません

遺産分割協議や法定相続分に従って相続が行われ、株式などが分散してしまい事業承継が失敗しないように、遺言書を作成しておくとよいでしょう。

3種類ある遺言書の書き方

遺言書には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。それぞれの書き方について、簡潔に解説していきます。

自筆証書遺言:遺言者本人が全文を作成する

自筆証書遺言の書き方は、遺言者本人が、全文・日付・氏名を自書し、捺印して作成されます。2019年の法改正で、財産目録のみ自筆以外のパソコンでも認められるようになりました。

ただし、財産目録以外は、遺言者本人の手書きでなければなりません。面倒くさがって、パソコンや家族などの代筆で遺言書を作成してしまうと、無効になるということが注意点だといえます。

「自筆証書遺言」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

公正証書遺言:公証人が遺言書を作成してくれる

公正証書遺言の書き方は、証人2名以上の立会いの下に、遺言者が公証人に遺言内容を口頭で告げて作成されます。公正中立な第三者である公証人の権限に基づいて、公正証書遺言は作成されるのがポイントです。

「公正証書遺言」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

秘密証書遺言:パソコンや代筆でも作成できる

秘密証書遺言は、遺言内容を誰にも知られないまま、遺言者本人が遺言書を作成して封をした後に、公証役場で必要な手続きを行って作成されます。公証役場に行く際は、立会ってくれる証人2名を連れていき、証人2名の署名捺印が必要です。

なお、秘密証書遺言の書き方は自筆証書遺言と同じです。自筆証書遺言との相違点は、パソコン・ワープロ、そして遺言者以外の第三者による代筆でも問題ないことが挙げられます。

遺言は最期のメッセージ。受遺者と遺贈者両方の理解が大切

遺言の定義、種類、そしてメリットとデメリットなどの基礎知識を紹介してきました。「遺言書がなくて大変だった。兄弟や親族とトラブルになった」などの遺言書を書いてもらえばよかったという後悔の声が、当社の調査したアンケート・体験談に数多く寄せられました。

遺言書は、亡くなった人からもらう最期のメッセージのようなもの。自宅の金庫や銀行の貸金庫といった場所に大切に保管されており、うっかり見つけられない可能性があります。遺言書を受け取る側の受遺者は、遺言書を見落とさないように確認したいですね。

一方で、贈る側である遺贈者(遺言者)は、遺産分割などの財産に関するメッセージを遺言書でしっかりと伝えることが大事。相続が“争族”にならないようにきちんと考えて遺言書を書き、有効な形で残しておくとよいといえます。

自分で遺言書を作成するのが困難だなと感じたら、無理をせずに弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に無料相談をしてみましょう。

著者紹介

相続プラス編集部

相続に関するあらゆる情報を分かりやすくお届けするポータルサイト「相続プラス」の編集部です。相続の基礎知識を身につけた相続診断士が監修をしております。相続に悩むみなさまの不安を少しでも取り除き、明るい未来を描いていただけるように、本サイトを通じて情報配信を行っております。

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本記事の内容は、記事執筆日(2023年4月7日)時点の法令・制度等をもとに作成しております。最新の法令等につきましては、専門家へご確認をお願いいたします。万が一記事により損害が発生することがあっても、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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