令和6年4月に相続登記の義務化が開始されました。これに合わせて、相続登記関連の補助金制度を新たに設ける自治体がでてきています。
居住用不動産に対する相続登記も対象の補助金
相続登記の義務化以前から、不動産登記に関する補助金を設ける自治体は国内に多くありました。しかし、それらの多くは空き家増加抑制のためのもので、空き家バンクへの登録や寄付、売買などの条件があるものがほとんどです。
そんななか、北海道池田町や兵庫県尼崎市では居住用の不動産も対象となる相続登記支援補助金が新たに設けられましたので紹介します。
池田町相続登記支援事業補助金(北海道池田町)
【補助対象】
- 相続によって発生した町内に所有する土地・家屋で年度内に所有者になる場合
- 相続による所有者移転・未登記家屋の登記にかかる手数料や委託料等の経費
- 交付申請書提出日より前に支払った経費は除く
【補助金額】
事業対象経費の額の2分の1 限度額:5万円
【期間】
令和6年4月1日~令和7年3月31日
要綱によると、対象となる経費は下記と定められています。
- 相続登記に関し、司法書士等に対して支払う報酬
- 相続登記に必要な官公署の証明の発行に係る手数料及び通信費
- 相続登記に係る登録免許税相当分の額
- 相続人全員を特定するための調査で、行政書士等に対して支払う報酬
- 遺産分割協議書作成に関し、行政書士等に対して支払う報酬
- 遺産分割協議の代理人として、弁護士に対して支払う報酬
- 未登記家屋の登録に関し、土地家屋調査士等に対して支払う報酬
- その他町長が必要と認める費用。
居住用の不動産も対象ということで「国内初の取り組み!こんな補助金聞いたことない!」と制度案内にも記載されており、新しい取り組みであることが分かります。※詳細は自治体にてご確認ください。
引用:法定相続登記補助金について|池田町/制度案内|池田町/池田町相続登記支援事業補助金交付要綱|池田町
相続登記費用及び遺言書作成費用に係る補助金(兵庫県尼崎市)
【補助対象】
- 相続登記に要する費用(登録免許税は除く)
- 遺言書の作成に要する費用
【補助金額】
補助対象経費の3分の2に相当する額(上限:10万円)
【期間】
令和6年4月1日~令和7年3月31日
こちらは空き家増加を抑制するための取り組みとして設けられた補助金ではありますが、相続登記だけでなく遺言書作成の費用も対象なことや補助上限が高いなど、対象であれば有用性が高い補助金だと考えられます。※所得金額などの条件もあります。詳細は自治体にてご確認ください。
引用:相続登記費用及び遺言書作成費用に係る補助金|尼崎市/尼崎市相続登記費用及び遺言書作成費用補助要綱|尼崎市
不動産を相続したら期限を守って忘れずに相続登記を進めよう
相続登記は4月から義務化され、不動産を相続したら必ず行わなければならない手続きとなりました。今回ご紹介したような補助金を設ける自治体が今後増えてくる可能性もありますが、相続登記には期限があるため自身が不動産を相続したら早めに手続きを行うのが良いでしょう。
手続きは自分自身でも行えますが、平日に時間が取れない・相続人が多い・不動産が遠方にあるなどの場合は大変骨の折れる作業になることもありますので、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
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