住宅取得等資金贈与の非課税特例とは?適用要件や手続き方法、注意点を解説

公開日:2025年5月21日|更新日:2026年7月7日

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住宅取得等資金贈与の非課税特例とは、父母や祖父母などから住宅取得等資金の贈与を受けた場合に最大1,000万円まで贈与税が非課税となる制度です。しかし、特例を適用するには細かな要件を満たさなければなりません。本記事では、住宅取得等資金贈与の非課税特例の概要や適用要件、手続き方法について詳しく解説します。

住宅取得等資金贈与の非課税特例とは

住宅取得等資金贈与の非課税特例とは、一定の要件を満たすことで最大1,000万円までの贈与税が非課税になる制度です。例えば、親からマイホームを購入するための経済的援助(贈与)を受ける場合、贈与税が非課税になる可能性があります。

 

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要件を満たすと贈与税が一定額まで非課税になる特例

住宅取得等資金贈与の非課税特例とは、父母・祖父母などの直系尊属からマイホームの新築や取得、増築等の資金を贈与された場合に最大1,000万円まで贈与税を非課税にできる制度です。

通常の贈与では年間110万円の非課税枠があり、110万円を超える贈与がある場合に贈与税が発生します。しかし、住宅取得等資金の贈与の特例を活用すると、110万円を超える額の贈与を非課税で受けられます。

取得する住宅非課税枠
省エネ等住宅の場合1,000万円まで
省エネ等住宅以外の住宅の場合500万円まで

省エネ等住宅とは、下記のいずれかに該当する住宅です。

    • 断熱等性能等級4以上、または一次エネルギー消費量等級4以上であること
    • 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上、または免震建築物であること
    • 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること

※新築もしくは建築後に使用されたことのない住宅の場合は、断熱等性能等級5以上、かつ一次エネルギー消費量等級6以上であること

ご自身で判断できない場合は、建築業者や不動産販売会社へ問い合わせるようにしましょう。

なお、住宅取得等資金の贈与の特例の適用期限は2023年(令和5年)12月31日まででしたが、2024年(令和)6年度の税制改正によって、2026年(令和8年)12月31日まで延長されています。

今後、さらに延長されるかどうかはわかりません。父母や祖父母からマイホームの支援を受ける予定があるなら、期限内に間に合うように検討しましょう。

相続時精算課税制度や暦年贈与と併用できる

住宅取得等資金贈与は、相続時精算課税制度や暦年贈与との併用が認められています。

それぞれの非課税枠は、下記の通りです。

課税方法非課税枠
相続時精算課税制度相続者1人あたり累計2,500万円まで
(別途、年間110万円の非課税枠あり)
暦年贈与年間110万円まで

例えば、暦年贈与と住宅取得等資金の贈与の特例を併用すれば、非課税枠は1110万円までとなります。

一方、相続時精算課税制度と住宅取得等資金の贈与の特例を併用した場合、年間110万円の非課税枠に加えて累計3610万円までの非課税枠が使えます。

贈与者が亡くなったときに、相続時精算課税制度を利用した贈与財産は相続税の課税対象となるため注意しましょう。

住宅取得等資金贈与の非課税特例の要件

住宅取得等資金贈与の非課税特例を適用するには、細かな要件が定められています。下記の2つの要件を両方満たさなければ、適用できないため注意しましょう。

  • 受贈者に関する要件
  • 住宅用の家屋に関する要件

受贈者に関する要件

住宅取得等資金贈与の非課税特例を適用するためには、受贈者は下記の要件すべてを満たさなければなりません。

  • 贈与を受けたときに、贈与者の直系卑属(子ども・孫など)であること
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)であること
  • 2009年(平成21年)分から2023年(令和5年)分までの贈与税申告において「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けていないこと
  • 配偶者や親族などの一定の特別な関係のある者から住宅用家屋を取得していないこと、またはこれらの人との請負契約等によって新築もしくは増改築等をしていないこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を使って住宅用家屋の新築等を行うこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住していること、または同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること
  • 贈与を受けたときに日本国内に住所があり、日本国籍を持っていること

住宅取得等資金の贈与の特例の手続き方法と必要書類

書き方のイメージ

住宅取得等資金の贈与の特例の要件を満たす場合であっても、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告をしなければ適用を受けることができません。つまり、贈与税が0円であっても、贈与税の申告をする必要があります。

共通する必要書類

大前提として、非課税特例を利用するためには贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告が必要です。

贈与税の申告書第一表のフォーマットは国税庁のホームページからダウンロードできます。

ご自身で作成することに不安のある方は、贈与税に強い税理士に相談することも選択肢の1つです。

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住宅用の家屋によって異なる必要書類

住宅用の家屋の種類によって必要な書類が異なります。

住宅用家屋の新築・取得に関する必要書類

住宅用家屋の新築・取得をした場合、住宅用家屋の種類によって必要書類が異なります。順番に確認しましょう。

<建築後使用されたことのある住宅用家屋で耐震基準に適合する場合>

耐震基準適合証明書や建設住宅性能評価書(耐震等級に係る評価が1、2または3であるものに限る)、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の締結を証する書類の写し

<住宅用の家屋の耐震改修を行った場合>

申請書等の写し

    • 建築物の耐震改修の計画の認定申請書
    • 耐震基準適合証明申請書(仮申請書)
    • 建設住宅性能評価申請書(仮申請書)
    • 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書

証明書等

    • 耐震基準適合証明書
    • 建設住宅性能評価書の写し
    • 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の締結を証する書類

<住宅用の家屋が省エネ住宅である場合>※下記いずれかの書類が必要です。

    • 住宅性能証明書
    • 建設住宅性能評価書の写し
    • 住宅省エネルギー性能証明書
    • 長期優良住宅建築等計画等の(変更)認定通知書の写し+住宅用家屋証明書(写し)または認定長期優良住宅建築証明書
    • 低炭素建築物新築等計画の(変更)認定通知書の写し+住宅用家屋証明書(写し)または認定低炭素住宅建築証明書

住宅用家屋の増改築に関する必要書類

住宅用家屋の増改築をした場合、下記のいずれかの書類を提出する必要があります。

住宅取得等資金の贈与の特例に関する注意点

最後に、住宅取得等資金の贈与の特例に関する注意点について解説します。

贈与税の納税は不要でも基礎控除超える場合は申告が必要

住宅取得等資金の特例の非課税枠を活用して納税する贈与税が0円になったとしても、基礎控除を超える額の贈与を受けた場合には贈与税の申告をしなければなりません。

なぜなら、期限内に贈与税の申告をして、初めて住宅取得等資金贈与の非課税特例を適用させられるからです。贈与税の申告期限は、贈与を受けた翌年の3月15日です。なお、3月15日が土日祝日の場合、翌平日が期限となります。

期限までに申告書類の作成や必要書類の収集を行い、管轄の税務署へ提出しましょう。不安がある方は、税理士にすべて依頼することも可能です。

住宅取得等資金の贈与は相続時に加算しなくて良い

相続税には生前贈与加算の規定がありますが、非課税の適用を受けた住宅取得等資金の贈与は相続時に加算する必要はありません。生前贈与加算とは、相続発生から遡って3〜7年以内に生前贈与を受けた財産を含めて相続税を計算することです。

住宅取得等資金贈与の非課税の適用を受けていれば、住宅取得等資金を相続財産に含める必要がありません。そのため少額であっても、適用を受けておくとよいでしょう。

贈与のタイミングは引き渡し日・棟上げから逆算する

贈与するタイミングによっては特例が利用できない場合があるため注意しましょう。特に重要なのは、住宅を取得するタイミングです。

特に、分譲マンションや建売住宅を購入する場合、売買契約日から引き渡し日までに時差があり、贈与を受けた年の贈与税の申告期限までに引き渡されないリスクがあります。例えば、新築物件の購入費用として贈与を受けたとしても、翌年の贈与税の申告期限までに引き渡されなければ特例の利用はできません。

一方、注文住宅の場合、贈与を受けた年の翌年贈与税の申告期限までに完成していなくても、屋根があり土地に定着した建造物として認められる状態であれば特例の利用が認められます。

このように、贈与のタイミングによっては特例適用の要件を満たさない場合があります。受贈者の年齢や引き渡し・棟上げに注意して贈与する日を決めましょう。

贈与を受けた年の合計所得金額に注意する

住宅取得等資金贈与の特例を利用するためには、所得金額の要件も満たす必要があります。年間の合計所得金額が2,000万円(家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円)を超えると、特例の利用が認められません。

盲点なのが、今住んでいる家を売却して住み替えを行う場合です。今の家を売却することで譲渡所得が得られるため、年間所得金額2,000万円を超えてしまう場合があります。

一時的な所得の増加であっても、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下でなければ特例を使えないため注意しましょう。

住宅取得等資金贈与の非課税枠は夫婦別々に利用できる

住宅取得等資金贈与の非課税枠は夫婦それぞれに設けられています。例えば、省エネ等住宅の場合には、夫婦の合計で最大2,000万円までの非課税枠が使えることになります。

ただし、夫婦がそれぞれ利用したい場合、要件を満たすために住宅を共有名義にする必要があります。新築・取得した住宅が夫の名義にもかかわらず、妻が父母から1,000万円の贈与を受けて住宅取得等資金に充てた場合、夫婦間で贈与があったとみなされて贈与税が課される可能性があるため注意しましょう。

住宅取得等資金贈与の非課税特例は節税に有効

住宅取得等資金贈与の非課税特例を適用できれば、最大1,000万円まで非課税で贈与を受けられます。非課税枠を使った贈与財産は生前贈与加算の対象から外れるため、相続対策にも役立ちます。

ただし、適用には細かな要件を満たさなければなりません。将来的な税負担のシミュレーションや非課税枠の適用要件を確認するためにも、生前贈与や相続に詳しい税理士へ相談することをおすすめします。

住宅取得等資金贈与の非課税特例を活用して、賢く節税をしましょう。

記事の著者紹介

相続プラス編集部

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相続に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けするポータルサイト「相続プラス」の編集部です。相続に悩むみなさまの不安を少しでも取り除き、明るい未来を描いていただけるように、本サイトを通じて情報配信を行っております。

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本記事の内容は、記事執筆日(2025年5月21日)時点の法令・制度等をもとに作成しております。最新の法令等につきましては、専門家へご確認をお願いいたします。万が一記事により損害が発生することがあっても、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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