生活保護受給者も他の相続人と同じように遺産相続できます。しかし、遺産相続をしたことで生活保護が受けられなくなる場合があります。本記事では、遺産相続したときに生活保護の受給に与える影響ついて解説します。
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生活保護受給者でも遺産は相続できる
生活保護受給者だからといって、遺産を相続する権利が失われることはありません。しかし、遺産相続によって生活保護受給ができなくなるケースがあります。
ここからは、生活保護受給者が遺産を相続する場合について解説していきます。
相続における扱いには変わりはない
繰り返しになりますが、生活保護を受けている方も、他の相続人と同様に遺産相続はできます。相続人になるための要件に、生活保護を受けているかどうかが含まれていないからです。
もちろん、生活保護を受けていない相続人と法的に区別されることもなく、法定相続分にも違いはありません。
遺産を相続したら生活保護は受給停止になる?
生活保護受給者が遺産を相続するときに注意すべき点は、相続によって生活保護の受給資格を満たさなくなる場合があることです。受給資格を満たさなくなった場合、受給の停止あるいは廃止となります。
生活保護法によって、受給資格は下記の通りに定められています。
保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。※引用:生活保護法|4条(保護の補足性)
さらに、保護の停止及び廃止についても、下記のように定められています。
保護の実施機関は、被保護者が保護を必要としなくなつたときは、速やかに、保護の停止又は廃止を決定し、書面をもつて、これを被保護者に通知しなければならない。
※引用:生活保護法|26条(保護の停止及び廃止)
もし、遺産相続によって最低限の生活を維持できるようになったのであれば、上記の「被保護者が保護を必要としなくなつたとき」に該当するため、生活保護の受給停止や減額されます。
相続財産が少額であれば生活保護自体には影響しない
遺産を相続したとしても、それが極めて少額であれば、生活保護の受給自体に影響を与えない可能性があります。
たとえば、1か月の受給額に満たないほどの少額だったり、売却が難しい土地・建物を相続したりすると、今まで通り生活保護の受給自体は続けられる可能性があります。
具体的にどう影響するかは地域や世帯状況によって異なるため、まずは担当のケースワーカーへ相談しましょう。
生活保護受給者が遺産相続する場合の注意点

ここからは、生活保護受給者が遺産を相続するときの注意点を解説していきます。
事前に専門家やケースワーカーに相談する
相続が発生したら、相続をどうすべきか専門家や担当のケースワーカーに相談しましょう。相続した場合に生活保護の支給にどのように影響するかを知ったうえで、他の相続人と遺産分割協議をおこなったほうがスムーズに相続手続きができるからです。
また、相続放棄の期限は、相続発生を知ってから3か月以内です。相続放棄を検討している場合は、早めの対応が大切です。
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福祉事務所に必ず届出を行う
遺産を相続したら、必ず福祉事務所へ届出を行いましょう。
生活保護法では下記のように、収入・支出や生計状況に変動があった際に福祉事務所長へ届出をしなければならないと定められています。
被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動があつたときは、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。
※引用:生活保護法|61条(届出の義務)
遺産によって資産が増えた場合にも、届出が必要です。届出を怠ると、不正受給とみなされかねません。不正受給をすると、不正に受け取った受給額に最大40%上乗せして返還する必要があります。
不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
※引用:生活保護法|78条(費用等の徴収)
相続税が発生する場合は納税する
相続税が発生する場合、生活保護受給者であっても相続税の納税義務があります。生活保護受給者だからといって免除されることはありません。
ただし、相続税の申告・納税の義務は、遺産総額が基礎控除額を超えたときに限ります。基礎控除額は、下記のように算出します。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×相続人の数)
基礎控除額を超える場合でも小規模宅地等の特例や配偶者控除などの活用によって、実際に納める相続税額が低くなるケースはたくさんあります。
相続税が基礎控除額を超える場合、早期に専門家である税理士に相談しましょう。無料相談を受け付けている税理士事務所も多いため、ぜひ活用してください。
打ち切られても改めて生活保護を受ける事もできる
遺産相続をしたことで生活保護が停止もしくは廃止になったとしても、再び受給の要件を満たせば生活保護を受けることが可能です。
生活保護受給中に遺産相続する場合は適切な手続きを
生活保護の受給の有無によって、遺産相続に影響を与えることはありません。他の相続人と同様に相続する権利を持っています。
しかし、相続する財産の内容によっては、生活保護が停止となる可能性があります。状況によってどのような対応になるかが異なるため、早めに担当のケースワーカーや専門家に相談するようにしましょう。
また、生活保護を続けるために遺産相続の事実を隠したり、相続する財産を減らしたりする行為は、不正行為・不正受給とみなされる恐れがあります。遺産相続後は早急に福祉事務所へ届出を行い、今後の受給について説明を受けましょう。
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