総務省が4月30日に発表した令和5年10月時点の「住宅・土地統計調査」の速報集計によると、国内における総住宅数は6502万戸と過去最多を記録した一方で、空き家の数・空き家率ともに過去最多となりました。
この30年で空き家の数は2倍に
今回の調査結果を見ると、全国の空き家の数は年々増え続け、平成5年には448万戸だった空き家が現在だと900万戸と2倍以上になっていることが分かります。空き家率でも13.8%と30年前の9.8%と比較し大きく増加しています。
また、空き家率を都道府県別に見てみると、最も高いのは和歌山県及び徳島県で、その率21.2%と実に約5戸に1戸は空き家という結果でした。その他にも山梨県・鹿児島県・高知県・長野県で空き家率20%以上を記録しており、特に西日本で高い傾向があることが分かります。この結果を受けて総務省は、単身高齢者の世帯数増加が空き家増加の要因のひとつと考えているようです。
※この調査は、昭和23年から現在まで5年ごとに国内の総住宅数や空き家数を調査しているもので、今回は令和5年調査の速報値として発表されたものです(確定値は令和6年9月ごろ公表予定)。
国は空き家対策を強化中。損しないために空き家を相続したら知っておきたいルール
この増え続ける空き家問題に対して、国や自治体を中心に対策が活発になってきています。今回は、その中でも金銭にも関わる重要な「相続登記の義務化」と「改正空家特措法」を紹介します。
相続登記
相続登記とは相続によって取得した不動産を相続人の名義に変更することを指します。
これまでは被相続人の名義のままでも手続き上問題ありませんでしたが、令和6年4月より相続登記することが法律上の義務となりました。相続人は所有権を取得した日から3年以内に登記申請を行う必要があり、正当な理由がない場合、手続きを怠ると最高10万円の過料が科されます。
改正空家特措法
改正空家特措法とは、空き家への対策を強化するため令和5年12月に施行された法律です。この法律では、適切に管理されておらず倒壊など将来的に近隣に被害を出す恐れがある空き家を自治体が「管理不全空き家」に指定できるようになりました。
管理不全空き家に指定されてしまうと固定資産税の特例措置が適用できなくなり、特例適用時と比較し固定資産税が最大で6倍かかることになります。
空き家を相続したら放置せず適切な対応を
上記の他にも自治体が独自に設けている補助金なども昨今では多く用意されています。空き家を相続したら放置せずに状況に合わせた対応を速やかに行うことで、金銭的にも損をしないように進めることが大事です。
当サイトでは、空き家相続の第一歩である「相続登記」について特設ページを設け、専門家検索や解説記事、実際に登記を行った方の体験談など多くのコンテンツを掲載しています。