「売れない」と諦める前に、相続で見つかる訳あり不動産の解決策とは

相続した実家が再建築不可物件だった、親族との共有名義で売却できない、借地権や底地の扱いが分からない。こうした訳あり不動産は、相続をきっかけにはじめて問題が明らかになるケースが少なくありません。共有持分や借地権、再建築不可物件など、権利関係が複雑な不動産の買い取り・再生を手掛ける株式会社SA。創業の経緯や事業への想い、相続で増えている相談内容について、代表の酒井様にお話を伺いました。
※取材時:2026年(令和8年)5月
借地権からスタートし訳あり不動産に特化した理由
まずは創業の経緯と、現在の事業に至るまでの背景を教えてください。
私は不動産業界で約13年間経験を積み、そのなかで「自分の得意分野で勝負したい」という想いが強くなり、独立しました。もともと借地権を専門的に扱っていたこともあり、創業当初は借地権を中心とした事業からスタートしました。まずは自分が強みを発揮できる領域で経験を活かそうと考えたのが始まりです。
その後、借地権を扱うなかで、再建築不可物件や共有持分、底地など、さまざまな訳あり不動産の相談が寄せられるようになりました。実際にご相談を受けるなかで、訳あり不動産に悩まれている方が想像以上に多いことを実感しました。そうしたご相談に対応するなかで、取り扱う分野も少しずつ広がっていきました。その経験を重ね、現在では「限られた国土の最有効活用」という理念を掲げています。
現在掲げられている「限られた国土の最有効活用」という理念について教えてください。
創業当初は、自分の得意分野から始めた事業であり、そこまで大きなことを考えていたわけではありませんでした。しかし、実際に事業を続けるなかで、権利関係が複雑な土地や空き家など、本来活用できるはずの不動産が数多く眠っている現状を目の当たりにしました。
私たちに大規模な都市開発はできません。しかし、止まってしまっている不動産をもう一度動かし、必要とする人へ引き継いでいくことはできます。その積み重ねが「限られた国土の最有効活用」につながると考えています。
訳あり不動産には、どのような特徴があるのでしょうか。
理由は大きく2つあります。ひとつは、不動産そのものではなく、人間関係などが原因で後から訳ありになってしまうケースです。たとえば共有持分は、共有者同士の関係が良好であれば大きな問題にはなりません。借地権も地主との関係が円満であれば、スムーズに活用や売却ができる場合があります。一方で、関係が悪化してしまうと話し合いができず、不動産を動かしたくても動かせない状況に陥ってしまいます。つまり、物件そのものよりも権利関係や人間関係が問題となっているケースは少なくありません。
もうひとつは、法律や時代の変化によって、後になって扱いが難しくなるケースです。たとえば、建築当時は問題がなかったものの、法改正によって現在では再建築できなくなっている土地があります。「普通に住んでいた家を売ろうと調べてみたら、実は再建築不可物件だった」というご相談も珍しくありません。
こうした事情から、相続をきっかけにはじめて不動産の価値や扱いに悩まれる方が多いのです。

相続をきっかけに発覚する訳あり不動産
現在はどのようなご相談が多いのでしょうか。
現在は相続をきっかけとしたご相談がもっとも多いですね。たとえば、ご実家で暮らしていた親御様が施設へ入居されたり、亡くなられたことをきっかけに、不動産を調べてみると、再建築不可物件や、親族との共有名義であることが判明します。その後、不動産会社へ相談したものの、売却が難しいと言われ、どうすればいいか分からずご相談に来られるケースが多いです。
子世代の相談者様だけでなく、「子どもに負担を残したくない」という親世代の相談者様からのご相談も少なくありません。「自分の代で整理しておきたい」「住む予定のない不動産を相続させたくない」と考え、元気なうちに売却や整理を進めたいという方も増えています。一方で、相続する子世代からは「まさか売れない不動産だとは思わなかった」という声も多く聞かれます。長年住んでいても気付かなかった問題が、相続をきっかけに明らかになる場合がほとんどなのです。
相続登記の義務化をきっかけに、ご相談は増えましたか。
相続登記の義務化をきっかけに相談へ来られる方も徐々に増えています。
実際には、昭和20年代から相続登記が行われていない例もあり、その間に相続が何代にもわたって繰り返された結果、権利が細分化され、関係者全員の同意を得ることが極めて難しくなっていることがあります。
第三者が入ることで、解決へ進むケースも
共有持分のトラブルで印象に残っている事例を教えてください。
共有持分のご相談では、親族同士で連絡は取れるものの、関係が悪化し「もう話したくない」という状態になっている方が多くいらっしゃいます。本来であれば、ご親族同士で話し合い、持分を売買したり共同で売却したりするのが望ましい形です。そのため、まずは話し合いが可能であれば、話し合いによる解決をおすすめしています。しかし、「多少安くなってもいいから親族と話したくない」「早く手放したい」というお気持ちから、話し合いそのものが進まなくなってしまう方も少なくありません。
そのような場合には、当社で共有持分を買い取り、所有者が変わることで状況が動き出すことがあります。その後、相手方へお手紙をお送りしたり、ご連絡を差し上げたりすると、「連絡をもらえてよかった」「実は自分も悩んでいた」という反応をいただくことも多く、改めて話し合いができるようになることもあります。
親族間で揉めているケースでも、第三者が入ることで解決につながることがあるということですね。
そうですね。親族間の問題になると、お金の問題というよりも感情の問題になってしまうことが多くあります。合理的に考えれば売却した方が良いと分かっていても、「この人とは話したくない」というお気持ちが強くなり、手続きが止まってしまうことも少なくありません。そのようなケースでも、第三者である私たちが間に入り、専門的な立場から調整することで、解決できる可能性は高まると考えています。

借地権や再建築不可物件に応じた解決策を提案
売却が難しいと言われる借地権でも、解決できる可能性があるのでしょうか。
もちろん可能です。ただし、借地権は権利関係の整理や地主様との交渉など、時間がかかる場合も少なくありません。そのため、売却するかどうかを決めていない段階でも、まずは現状を知るために相談していただくことが大切だと思っています。
早い段階で情報を把握できれば、その分だけ選択肢も広がります。売却するかどうかは、その後に考えていただいても遅くありません。
借地権や再建築不可物件は、どのように対応されているのでしょうか。
借地権については、地主様との関係性が非常に重要になります。良好な関係が築けていることもありますが、契約内容が曖昧だったり、契約書そのものが残っていなかったりするケースも少なくありません。
当社では、まず物件を買い取ったうえで、契約書などの必要書類を整理し、地主様との条件交渉を進めながら権利関係を整えていきます。安心して取引できる状態へ整えたうえで、売却につなげています。再建築不可物件についても、それぞれの状況に応じて複数の解決方法をご提案しています。

専門家との連携と、SAならではの強み
弁護士や司法書士など、専門家との連携体制について教えてください。
主に連携しているのは、弁護士や司法書士です。そのほかにも、土地家屋調査士や測量士など、案件に応じてさまざまな専門家と協力しています。たとえば、何十年も相続登記がされていないケースでは司法書士に相談し、共有持分で法的な問題がある場合には弁護士と連携します。また、土地の境界や越境が関係するケースでは、土地家屋調査士や測量士の協力が欠かせません。
当社だけですべてを解決しようとするのではなく、それぞれの専門家と連携しながら、お客様にとって理想の方法をご提案しています。
他社との違いや強みについて教えてください。
「これがあるから他社より優れている」という特別なものがあるわけではありません。誠実に対応できるメンバーが揃っていること、そしてこれまで積み重ねてきた経験やノウハウがあること。その積み重ねが当社の強みだと考えています。また、現場で迅速に判断できる体制を整えることで、スピード感のある対応を実現しています。社内のコストを見直し、その分を買い取り価格へ還元できるよう工夫している点も当社の強みのひとつです。
訳あり不動産は、「価値がない」「引き取ってもらえれば十分」と思われる方もいらっしゃいますが、都市部であれば価値がまったくないわけではありません。だからこそ、一社だけではなく複数の会社へ相談し、比較しながら納得できる選択をしていただきたいと思います。
最後に、相続や訳あり不動産で悩まれている方へメッセージをお願いします。
売却すると決めていなくても構いません。将来的にどうすればいいのか知りたいという段階でも、できるだけ早めにご相談いただくことをおすすめしています。時間が経つことで状況がさらに複雑になってしまうこともありますので、早めに現状を把握しておくことが大切です。
当社では、弁護士や司法書士をはじめとした専門家と連携しながら、さまざまなケースに対応しています。メールやお電話でのご相談も無料で承っていますので、「まだ相談するほどではないかもしれない」と思われる方も、まずはお気軽にご相談いただければと思います。
プロフィール
株式会社SA
代表取締役 酒井 康博
大学卒業後、大手不動産鑑定機関に約12年間勤務。不動産鑑定士として経験を積んだ後、不動産営業会社へ転職。2018年(平成30年)6月、株式会社SAを設立。借地権を中心に事業を開始し、現在は借地権・共有持分・再建築不可物件・底地など、権利関係が複雑な訳あり不動産の買取・再生を専門としている。

取材を終えて感じた人柄と魅力
インタビューで印象的だったのは、穏やかな語り口で「売却すると決めていなくても、まずは相談してほしい」と何度も話されていたことです。相談者に結論を急がせるのではなく、まず現状を整理し、一人ひとりに合った選択肢を考える。その誠実なお人柄が強く心に残りました。
訳あり不動産というと物件そのものに目が向きがちですが、酒井代表のお話からは、人間関係や権利関係など、背景にある事情まで丁寧に向き合おうとする姿勢が伝わってきました。専門家と連携しながら、相談者にとってより良い解決策を考え続ける想いが感じられる取材でした。
事務所概要
- 名称
- 株式会社SA
- 所在地
- 東京都千代田区紀尾井町3-12 紀尾井町ビル17階
- 電話番号
- 050-7586-0261
※ご相談内容は秘密厳守で対応いたします
- 定休日
- 日曜日
- 対応エリア
- 東京都を中心に、一都三県・政令指定都市(オンライン対応可能)
- 免許番号
- 宅地建物取引業:東京都知事(2)第102425号
不動産鑑定業:東京都知事(1)第2909号
- 所属団体
- (公社)東京都宅地建物取引業協会
(公社)全国宅地建物取引業保証協会
(公財)東日本不動産流通機構
(公社)東京都不動産鑑定士協会
- 事務所の特徴
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情報掲載日:2026年7月31日
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