先生と呼ばせない敷居の低さ、お客様と仲間と「深く」つながる
鹿児島県鹿児島市で、相続・遺産承継業務を中心に相続の幅広いサービスを提供されている北斗司法書士事務所。代表を務める永田賢四朗司法書士は、可能な限り費用を抑えるために、お客様ご自身でもできる手続きのアドバイスをされるという、お客様と目線をそろえたサービスを提供されています。実は事務所名にも、永田司法書士ならではの秘密があるといいますが…親しみやすさと敷居の低さを強みとされている、永田司法書士の素顔に迫りました。
お客様目線のコスト意識を大切にしたアドバイス
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか？
知り合いからご紹介をいただいて、相談にいらっしゃるお客様が多いです。「ご家族を亡くされて相続の手続きに困っている人がいるんだけど、連絡を取ってみてくれる？」と、知り合いからお願いされるという流れですね。そこからお話を伺うと、「どのように手続きを進めれば良いか分からなくて相談したいのですが」とお困りの方が多い印象です。
そこで必要な手続きの説明をさせていただくのですが、すべての手続きを私の方で受けるのではなく、「この手続きは難しくないので、ご自身でやれば料金を抑えられますよ」とアドバイスをさせていただくこともあります。遺産承継業務として私が受けられるものはお受けしますが、費用をかけずに手続きをしてしまいたいと希望される方も多くいらっしゃいますので。そうしたときには、ご自身でできる部分をやっていただき、そのうえでお客様にとって一番面倒であろう、相続登記業務だけをお受けする、ということもありますね。
料金を抑えるご提案をされるスタイルは、ずっと続けてこられたものですか？
そうですね。司法書士としての報酬の相場と一般的な金銭感覚には、少なからずギャップがあると思っているのですが、長い間この仕事をしていると、そのギャップを感じにくくなってしまうんです。たとえば、遺産承継業務の中で金融機関の手続きを行うことがあるのですが、手続きをする金融機関の数が多いと、司法書士の報酬が10万円を超えてしまうということも珍しくありません。
しかし、実際の手続きは書類を集めて提出することが主ですから、私としては、そこを司法書士に頼むのなら、自分でできると判断できればご自身でやっても良いと思うんです。相続登記のような手続きは難しいかもしれませんが、金融機関の手続きや戸籍の収集でしたらお客様ご自身でもできるものなので、料金を抑えるための選択肢としてご提案させていただいていますね。
もちろん、お金に余裕があって、すべてを専門家に任せたいという場合は全力でサポートさせていただきます。ただ、今は物価も上がっている世の中なので、節約できるところは節約したほうが良いとも思っています。私も高い料金を請求して、お客様を困らせたいわけではありませんので。
ご紹介のお客様が多いということですが、ご紹介が多いからこそ心がけているご対応などはありますか？
せっかくのご紹介ですので、一般的なサービスを超えた、ちょっとした特別な対応をするように、ということは意識しています。事務所にお越しいただくよりも、こちらからすべての資料をお持ちしてお伺いさせていただいたり、関係者の皆様に回覧していただければスムーズに手続きを進められる指示書のようなものを準備したり。お客様には「こんなことまでしてもらえるんだ」と驚かれますし、感謝のお手紙をいただくことも多いんですよ。
親しみやすいキャラクターと、分かりやすいご説明
どういう経緯で司法書士を目指されたのですか？
司法書士になる前は塾の講師をしており、高校生に大学受験の英語を教えていました。そこで生徒たちに「勉強しろ」と言い続けているうちに、自分も何か勉強して、新しいことに挑戦してみたいと思うようになったことがきっかけです。そこで資格の勉強をはじめて宅建を取得し、「もっと勉強したい」と思って行政書士も取得し、そして司法書士と勉強を続けて。最初は「司法書士もすぐに取れるかな」と軽い気持ちだったんですが、結局合格するまで10年もかかってしまいましたね。
その10年間は、ずっと塾の講師をしながら勉強をされていたのでしょうか？
実は、最初の5年間で「司法書士試験合格まであと1問」というところまで来ていたんです。手応えもありましたし、合格まで近いだろうということで、もともと開業するなら地元で人脈がある鹿児島県が良いなと思っていたこともあり、当時住んでいた兵庫県から戻ることにしました。ただ、鹿児島に帰ってからも、あと1問の状態がさらに5年続きまして。その間は食品関係の仕事をしながら勉強を続け、なんとか10年目で司法書士試験に合格しました。結局、塾講師を含めて8年ほど働きながら勉強していましたね。
合格なさってからは、すぐに独立開業をされたのですか？
そうですね。司法書士の資格取得のために勉強していることを、周りの人たちがよく知ってくださっていて、ずっと応援をしてくれていたんです。「合格したら仕事をお願いしたい」と言ってくれる方もいたので、「合格した後にどこかの事務所で働くことになると、その人たちを待たせることになるかもしれない」という心配もありました。
最終的に、試験に合格した後は知り合いのつてもあって、兵庫県の司法書士事務所で1～2か月ほど実務の勉強をさせてもらうことになりました。そして鹿児島に戻って、すぐに事務所を開業したという経緯です。
司法書士を目指して10年間勉強されてきた経験で、今の業務に活きていると感じるものはありますか？
塾講師の経験は大きかったと思います。塾講師は、生徒が何を理解していないのかを把握し、どうやってそれを分かってもらうか、ということを考えて実践する職業です。ゴールを定め、筋道を立てて説明する能力が求められたのですが、それは司法書士の業務でも同じことが言えるんですよね。
法律を全く知らない人たちがたくさんおられる中で、どのように説明すれば理解してもらえるかを考えて、分かりやすく説明する。これは、塾講師の経験が非常に活かされていると感じます。お客様が「そうなんだ」と納得してくださる姿を見ると、塾講師で培った話し方やコミュニケーションスキルが活かされていると実感しますね。
司法書士としての経験年数は浅い方ではありますが、実務的なことはさておき、コミュニケーション能力においては、他の司法書士の先生方に後れを取っているとは思いません。むしろ、相手が何を理解していないかを見極めながら話すこと、そして、キャラクターや話し方においても、司法書士としては上手な方ではないかな、と思うこともあります。これもきっと、塾講師として働いていたときに学んだことが影響しているのだと思います。
面白い司法書士だと印象に残る事務所を目指して
事務所として心がけていることや、強みにしていることを教えてください。
司法書士として、直接お客様と関わることが大切だと考えています。だから基本的には、お客様との関わりがある業務は、事務所スタッフではなく私ができるかぎり行うようにしています。もちろん、一部の連絡事項をスタッフに任せることもありますが、たとえスタッフがコミュニケーションをとったとしても、最終的には私が責任をもって対応していくのが筋だと考えておりますので。
また、司法書士という仕事のイメージから、お客様が「先生」と呼んでくださることが多いのですが、私自身は「先生」と呼ばれることがあまり好きではなく…私はお客様にとっての敷居の低さを大事にしてたいな、と考えているので「『永田先生』ではなく『永田さん』とお呼びくださいね」とお伝えしているんです。そうした敷居の低さ・相談しやすさが、私たちの強みだと思っていますね。
やはり相談しやすさは重要なポイントですよね。相談しやすい事務所であるために、取り組まれていることなどはありますか？
いろいろあるのですが、その中でも当事務所でしかできないと思うのが、事務所名ですね。一般的な司法書士事務所だと、私の名前を冠して「永田司法書士事務所」や「永田賢四朗司法書士事務所」となるのかもしれませんが、そうじゃないんです。というのも、私のフルネームは永田賢四朗（ケンシロウ）と申します。何かピンとくるものがありませんか。そう、漫画作品の「北斗の拳」なんです。
親が「北斗の拳」のファンだったということもあったので、事務所の名前にも「北斗」を入れてみました。これを説明すると、お客様の印象に残って覚えていただきやすいんです。それに何より、面白いでしょう。私自身、そういう面白いことが好きですので。
たしかに、印象に残りますね。事務所名の他にも、「北斗の拳」にちなんだ取り組みなどもされているのでしょうか？
「北斗の拳」では、基本的に愛情というより、いわゆる男同士の絆やライバル関係が描かれますよね。私自身、学生時代はずっと野球部の活動に打ち込んでいたので、そういった男同士の友情を感じて過ごしてきました。高校時代の野球部仲間にも税理士や弁護士など、さまざまな専門職についている人たちがいるので、現在彼らと一緒に、さまざまな案件に対応できるグループを組もうと話を進めているところです。たとえば私たちのグループに相続の案件を投げていただければ、この輪の中ですべて解決しますよ、といったイメージですね。そういった私たちの絆が、もしかしたら事務所名にある「北斗」を表すことになっているのかもしれません。
仲間との絆を活かして、より多くの人の助けになる
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望として考えているものを教えていただけますか？
根本的には、私自身が楽しく仕事をしたいという想いがあります。それは、お金を稼ぐということよりも大切な理念です。お金が第一で仕事をしてしまうと、何よりもお客様を嫌な気持ちにさせてしまうかもしれませんから。お互いのためにも、お客様とも和やかな空気でいたいんです。
目指しているのは、一時的な関係ではなく、長く続く関係です。何か困ったことがあれば、気軽に相談してもらえるような、信頼関係を築きたいと思っています。開業してまだ1年半ほどですが、「こんなこともあるんだけど」とリピートしてくれるお客様が多いのも、そういった関係性があるからだと思います。
ビジネスライクといいますか、表面的な関係を多く築くことも経営上の観点では重要かもしれません。ですが、私自身の生き方として、より深い関係を築いていきたいと思っているんです。それが「狭く深く」であれ、「広く深く」であれ、関係性の深さをずっと大事にしていきたいですね。
そうした深い関係性を築くために、考えられている取り組みなどはありますか？
まずは、相続のご相談を包括的かつスピーディーに対応できるような体制を整えたいと考えています。先ほどお話しした、野球部の仲間とのつながりを活かした、専門家同士のグループですね。これまでのつながりを大切にしながら、メンバーが輪になって楽しく仕事ができれば、お客様を含む誰もがハッピーになれると思うのです。
その実現のために、現段階では主に相続に関連する業務を、たとえば不動産の売却を行う不動産会社や、お金の面でのアドバイスを提供するファイナンシャルプランナーといった、専門家と連携して進めていく取り組みをはじめています。将来的には人口は減少しますし、そうなると相続に関するニーズが増えてくると思っていますから。
そのお話ぶりでは、さらにその後の構想もお持ちなのでしょうか？
そうですね。人口減少に伴って、一人親方や一人会社など、事業者の後継者不足という問題も多くなってくるでしょう。次のステップとして、そうした会社の相続、事業承継のニーズにも対応できる体制の構築を考えています。
そこでも行政書士や税理士と連携して仕事をすることとなりますが、単なるビジネスパートナーとしての付き合いではなく、その方々とも深い関係を築くことを目指しています。それこそ「一緒にゴルフでも行こうぜ」と友達のように声をかけられるような関係ですね。そうした関係性を築くにはもちろん時間が必要ですが、そういった人たちとともに楽しく仕事がしたい、それを目標にしたいと考えています。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
私はぶっちゃけてしまうタイプなので、極端なメッセージになってしまうかもしれないですが…もしお金に余裕があって、手続きなどの面倒なことを自分でやりたくない方がいらっしゃるなら、ぜひとも専門家にすべてお任せいただきたいと思います。
その一方で、新しいことに挑戦するのが好きな方や、探求心がある方は、自分で手続きを進めるのも良いでしょう。また、費用をあまりかけたくないという方もご自身で調べて取り組むことをおすすめします。ただ、面倒なことを避けたいと思うなら、迷わず専門家に相談することがベストです。時間や手間を省きながら、適切に問題を解決することができますので。
ご自身のスタイルにあった方法で相続の手続きを進めていただき、その中で私にお手伝いできることがあれば、ぜひ遠慮なくお声かけいただければと思います。
取材を終えて感じた先生の人柄
北斗司法書士事務所の「北斗」は、あの有名な漫画作品から取られたそうです。そういったエピソードを親しげにお話しくださる永田司法書士の様子から、「楽しく仕事をしたい」というモットーが伝わってきました。
お客様と近い距離で相談に応えているからこそ、お客様目線のコスト感覚を大切にされている永田司法書士。相続手続きの複雑さと向き合いながらも、お客様の負担を軽減する意識も忘れないお人柄だからこそ、お客様にとって何度も頼りたくなる存在になるのだと感じます。
「関係性の深さをずっと大事にしていきたい」、そのお話が印象的でした。そうして仲間やお客様と信頼を築いてきたからこそ、開業1年半にもかかわらず、ご紹介による相談が後を絶たないのでしょう。仲間と一緒にチームを組んでお客様を助けたいという、永田司法書士が持つ漫画の主人公のようなエネルギーに圧倒された取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 北斗司法書士事務所
- 資格者
- 代表司法書士 永田 賢四朗
- 所在地
- 鹿児島市永吉2丁目22番5号 ソレイユ永吉101
- 電話番号
- 099-801-2290
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日 9:00～18:00 ※ご予約で土日祝日も相談可能
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 対応エリア
- 鹿児島市を中心に鹿児島県内
- 所属
- 鹿児島県司法書士会：第936号
簡裁訴訟代理等認定番号：第2101366号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート：会員
- 事務所の特徴
お問い合わせはこちら
24時間メール受付中
メールで相談する事務所情報掲載日：2024年4月17日
ご利用の際には、利用規約をご確認ください