静岡市の静岡県立美術館と三井住友信託銀行はこのたび遺贈寄付の受け入れ強化に向けた連携協定を締結したと発表をしました。
遺言信託を利用した遺贈寄付
今回の取り組みは、美術館への遺贈寄付を希望する方を三井住友信託銀行に紹介することで、円滑な遺贈を実現できるようにするものです。
通常、信託銀行などの機関では遺言書作成~死後の遺言執行までを一貫して行う遺言信託というサービスを提供しています。この遺言で遺産の全部、または一部を美術館などに寄付するという内容に指定することで遺贈寄付を実現させます。
これまでも三井住友信託銀行では、大学などの教育機関や社会福祉法人、公益社団法人など数百を超える機関と遺贈寄付に関する提携を結んでいます。
【三井住友信託銀行の遺贈寄付提携先】※令和6年7月時点
<学校関係>
学校法人青山学院、学校法人暁学園、国立大学法人秋田大学、国立大学法人岩手大学など計120法人
<奨学金・教育交流関係>
あしなが育英会、公益財団法人 グルー・バンクロフト基金など計10基金・教育など計10法人
<社会福祉・医療関係>
社会福祉法人尼崎市社会福祉協議会、社会福祉法人朝日新聞厚生文化事業団など計61法人
<国際人道支援関係>
認定NPO法人国際連合世界食糧計画WFP協会、認定NPO法人国境なき医師団日本など計15法人
<自然・環境保護関係>
埼玉県 (さいたま緑のトラスト基金)、公益財団法人世界自然保護基金ジャパンなど計7法人
<芸術文化振興関係>
公益財団法人NHK交響楽団、公益財団法人大原美術館など計18団体
<自治体関係>
尼崎市、神戸市、奈良県、兵庫県計4自治体
事業や資産運用を通じてすでに金融機関と懇意にしている方などで遺贈寄付をご検討の方は一度お話を聞いてみてもよいかもしれません。
「遺言信託」について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
遺言による遺贈を検討しているならば、遺言信託ではなく専門家への依頼がおすすめ
遺言信託では、手厚いサポートが受けられる一方で高額な費用がかかることが多いです。そのため、特別懇意にしている金融機関がない場合、遺言信託の利用を検討しなくてもよいでしょう。
遺言信託では公正証書遺言以外の形式の作成・保管に対応しておらず、遺言における身分上の行為を受託してくれません。そのような希望がある場合、初めから法律に詳しい専門家に依頼するほうが効率的です。
また、相続トラブルが想定されるのであれば弁護士に遺言書作成サポートや遺言執行を依頼しましょう。法に詳しい弁護士がアドバイスすることで、遺言書によるトラブルを最大限回避できるからです。万が一、遺言者の死後に相続人同士が揉めた場合にも、頼りにできます。
無料相談を受け付けている専門家も数多くいるため、ぜひ活用しましょう。