遺言書を遺すなら専門家の無料相談を活用しよう!専門家別の違いや選び方をご紹介

公開日:2024年7月16日

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遺言書は希望の相続を実現する方法ですが、内容によっては相続トラブルを引き起こす可能性もあります。また、不備があると遺言書自体が無効になる恐れもあります。希望を実現し、かつ円満な相続を目指すためには、専門家のアドバイスをもらいながら作成することが大切です。この記事では無料で相談できる専門家や相談の流れを詳しく解説します。

遺言書の相談は専門家への無料相談がおすすめ

遺言書は、形式を満たして作成しなければ無効を主張される恐れがあり、たとえ形式を満たしている場合でも、書き方によっては相続時に希望とは異なる解釈をされかねません。また、不公平な遺言や内容があいまいなど、遺言の内容によっては相続人同士でトラブルが起きる可能性もあるでしょう。

遺言書を作成する際には、これらのことを理解したうえで有効な遺言書を作成することが大切です。しかし、自分だけで作成していると不備の有無や適切な表現かわかりにくいため、専門家のアドバイスをもらいながら作成することをおすすめします。

とはいえ、専門家に相談することにハードルの高さや費用の不安を感じている方も少なくないでしょう。近年は、初回無料で相談できる専門家も増えているので、まずは無料相談を活用してみるのもひとつの方法です。

遺言書作成を相談できる専門家として、以下の4つを紹介します。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 税理士

弁護士

遺言書や相続の相談として代表的な相談先が弁護士です。弁護士であれば、遺言書の形式のチェックだけでなく、相続状況に応じた具体的な遺言内容のアドバイスもできます。また、弁護士を遺言執行者に指定しておくことで、遺言内容をスムーズに実現してもらうことも可能です。そのため、とくに相続トラブルが予測される方は弁護士への相談をおすすめします。

弁護士事務所によっては、初回無料の実施の有無や相談できる時間は異なりますが、一般的には30分~1時間程度の初回無料というケースが多いでしょう。

初回相談で解決できない・引き続き相続をサポートしてもらいたいという場合は、そのまま有料で依頼することも可能です。役所や連合会の相談窓口でも無料相談を実施しているケースもありますが、無料相談で解決できなければ結局個別の事務所に相談する必要がある点には注意しましょう。

弁護士への相談の場合、初回無料を超えて相談する場合、弁護士は他の専門家に比べて費用が高くなる傾向にあります。相談内容を事前にまとめるなど、無料相談の時間を有効に使えるように準備することが大切です。形式だけのチェックであれば、他の専門家に相談することを検討してもよいでしょう。

司法書士

相続が比較的円満で相続財産に不動産が含まれる場合は、司法書士がおすすめです。司法書士は不動産登記に精通しており、登記内容と遺言書の相違を防ぎやすくなります。また、司法書士であれば、形式のチェックだけでなく遺言書内容のアドバイスも可能であり、さらに相続時に相続登記を依頼することも可能です。

しかし、司法書士は相続トラブルへの対応はできません。そのため、トラブルが見込まれる・法的なアドバイスが欲しいという場合は、弁護士が適しています。

遺言についてお困りの方へ_専門家をさがす

行政書士

行政書士は法的な書類作成の専門家です。また、弁護士や司法書士よりも費用は安い傾向もあるので、遺言書の形式に不備がないかのチェックだけであれば行政書士が適しているでしょう。

ただし、行政書士では複雑な相続の遺言書への対応ができないケースも多く、遺言内容へのアドバイスも受けられないこともあります。典型的な相続内容で、書式のチェックのみという場合に相談することをおすすめします。

税理士

相続税も踏まえて遺言内容を検討している場合は、税理士への相談が適しています。相続税は税金の専門家であり、相続内容ごとに税金の計算が可能です。

財産が多い場合など、相続内容によっては相続税が相続人の生活を圧迫しかねません。そのため、事前にどれくらいの相続税がかかってくるかも考慮しておくことで、適切な遺言内容を検討しやすくなります。また、税理士であれば相続開始後に相続税申告のサポートを依頼することも可能です。

ただし、税理士は遺言書のチェックやアドバイスはできません。遺言書作成ではなく、その前段階である遺言内容を決めるための相談という点は覚えておきましょう。

専門家に遺言の無料相談をする流れ

専門家に遺言の無料相談をする流れのイメージ

ここでは、専門家に遺言を無料相談する流れをみていきましょう。

大まかな流れは、以下の4つのステップです。

  • 専門家をさがす
  • 問い合わせ~日程調整
  • 無料相談~依頼
  • 遺言書の作成~保管

専門家をさがす

まずは、相談先の専門家をさがします。専門家と言っても相談内容によって適切な相談先が異なるため、自分の希望や相続状況などに応じた専門家をさがすことが大切です。また、相談先によってはオンライン・電話・メールなどでの相談に対応しているケースもあるので、相談方法も踏まえてさがすとよいでしょう。

相続プラスでは、相続に強い各種士業を地域別・相談内容別・悩み別などでさがすことが可能です。事務所の特徴や先生の人柄など詳しい情報もチェックできるので、あなたにぴったりの相談先を見つけられるでしょう。

遺言についてお困りの方へ_専門家をさがす

問い合わせ~日程調整

相談先が見つかったら電話やメールなどで問い合わせします。事前に、無料相談を受け付けているかはホームページなどでチェックするようにしましょう。

また、問い合わせ時に大まかな相談内容を伝えるのが一般的なので、スムーズに伝えられるように相談内容をまとめておくことも大切です。そのうえで、日程を調整していきます。

無料相談~依頼

問い合わせで決まった日程で相談を実施します。相談時には、まず相談内容を説明したうえで専門家が答える流れが一般的です。相談できる時間は限られているので、事前に相談内容をまとめておくと時間を有効的に使え、伝え忘れも防げます。

スムーズに相談するためにも、以下の項目については明確にしておくことが大切です。

  • 親族の状況
  • 相続財産
  • 遺言の希望

すでに遺言書を作成している場合は、持参しておくと手直しが必要な個所などを具体的にアドバイスしてもらえるでしょう。

一般的に、無料相談では遺言書の作成までは対応していないケースがほとんどです。相談時に引き続き遺言書作成を依頼する場合の目安費用を教えてくれるため、費用や弁護士などとの相性も踏まえて、依頼するかを検討するようにしましょう。

遺言書の作成~保管

引き続き遺言書の作成を依頼した場合は、以下のような流れで遺言書を作成していきます。

  • 相談内容に応じて遺言書の原案を専門家が作成
  • 内容の確認と修正依頼
  • 修正と確認を繰り返して遺言書の完成

遺言書作成では、戸籍などの必要書類の収集も専門家に依頼できます。

一方、相談後自分で作成する場合はアドバイスに応じて遺言書を作成していくことになります。自分で作成する場合は、アドバイスの内容を踏まえて納得いくまで修正を繰り返すようにしましょう。

遺言書が完成したら、しっかり保管しておくことが大切です。また、相続時に遺言書が見つからないトラブルは多いため、保管場所については相続人がわかりやすい場所にしておくことをおすすめします。

公正役場に保管する公正証書遺言であれば紛失のリスクを避けられます。別途費用は掛かりますが、弁護士などの専門家に預けておくのも検討するとよいでしょう。

専門家以外で遺言の無料相談を行っている相談先

いきなり専門家に相談するのはハードルが高いという方は、以下のような相談先からスタートする方法もあります。

  • 公証役場
  • 法テラス
  • 専門家の連合会など
  • 自治体
  • NPO法人
  • 金融機関

ただし、上記の相談先は時間や内容などの制限があるケースや具体的な相談には対応していないケースがあるので、具体的な相談内容が決まっているなら専門家をおすすめします。どこに相談したらいいのか分からない、など最初の段階で躓いているというケースで活用してみるとよいでしょう。

以下では、それぞれの相談先について詳しく解説します。

公証役場

公証役場では、公正証書遺言作成の相談が可能で、基本的に無料相談でき回数にも制限はありません。ただし、公正証書遺言の作成手続きといった公正証書遺言に関する手続きについての相談のみとなり、公正証書遺言であっても内容のアドバイスをもらうことはできません。

法テラス

法テラスとは、国が設置する法トラブルの相談窓口であり、遺言書の相談も可能です。法テラスでは無料で3回まで相談できます。また、専門家に依頼するとなった場合の費用の立替えも行っています。

しかし、法テラスでは相談する専門家を選べないため、相続に詳しくない専門家になる可能性もあるので注意しましょう。収入などの無料相談の利用条件もあるので、事前に確認が必要です。

専門家の連合会など

弁護士や司法書士といった各種士業の連合会では、相談窓口を設置しているケースがあるので調べてみるとよいでしょう。

無料で遺言書についても相談できますが、無料相談は電話対応に限られているケースも少なくないため注意が必要です。また、居住地域などの利用制限を設けている場合もあるので、事前に調べておくことが大切です。

自治体

自治体の役所では、相続に関する相談窓口を設置しているのが一般的です。また、弁護士などの専門家に相談できる日を設けているケースもあります。

自治体の窓口の場合、時間が短めに設定されており、相談内容に応じた専門家を紹介するだけにとどまる場合もあるので注意しましょう。自治体によって相談できる条件も異なってくるので、事前に確認する必要があります。

NPO法人

NPO法人によっては、遺言書の無料相談を行っているところもあります。無料相談できる内容や相談方法は法人によって異なるので、事前に調べておくようにしましょう。

金融機関

信託銀行など一部の金融機関では、遺言書を含めた相続に関する相談を受け付けています。相続後の資産運用まで含めて相談したい場合は、金融機関も選択肢のひとつとなるでしょう。

しかし、無料相談後に金融機関で依頼した場合、専門家に直接依頼するよりも費用が高額になる傾向があるので注意が必要です。

遺言書の相談でよくある質問

最後に、遺言書の相談に関するよくある質問をみていきましょう。

無料相談だけで解決できる?

典型的な遺言で形式のチェックだけであれば無料相談だけで解決することもできるでしょう。しかし、無料相談の時間は限られているので、効率よく相談できるかにも左右されるので事前の準備をしっかりしておくことが重要です。

また、一般的に無料相談では遺言書の作成まではサポートできません。複雑な相続内容や遺言書の作成までして欲しいという場合は、専門家に依頼が必要になってきます。

電話相談は可能?

相談先によっては、電話での相談にも対応しています。ただし、電話での相談では遺言書や持参した資料を見てもらうことはできないので、質問内容に対して答えるのみとなる点には注意しましょう。

遺言書の内容は変更できる?

遺言書は一度作成した後でも、書き換えることが可能です。しかし、修正方法によっては無効となり、無効の場合は書き換える前の遺言書が採用されます。書き換える場合でも、適切な書き換え方についてアドバイスしてもらうことをおすすめします。

どんなケースで相談したほうがいい?

相談を活用したほうがいいケースには以下のようなものがあります。

  • 遺言書の形式に不安がある
  • 遺言内容をアドバイスしてもらいたい
  • 相続トラブルにならないか心配
  • 法定相続分と異なる相続を検討している

このように遺言の有効性や相続の実現が心配というケースは相談することをおすすめします。しかし、遺言内容にかかわらず専門家にアドバイスをもらっておくことで、安心して遺言書を作成できるので一度相談してみるとよいでしょう。

遺言書作成は専門家に相談を

ここまで、遺言書について無料で相談できる専門家や相談方法などを詳しくお伝えしました。

遺言書は形式を守って作成する必要があり、さらに相続トラブルまで考慮しておくことも必要です。遺言に関して悩みがあるなら、専門家の無料相談を活用することで安心して遺言書を作成できるでしょう。

相続プラスでは、地域だけでなくお悩みの内容に応じた専門家をさがすことが可能です。まずは、どのような専門家がいるか調べてみることからスタートするとよいでしょう。

記事の著者紹介

逆瀬川勇造(ライター)

【プロフィール】

金融機関・不動産会社での勤務経験を経て2018年よりライターとして独立。2020年に合同会社7pockets設立。前職時代には不動産取引の経験から、相続関連の課題にも数多く直面し、それらの経験から得た知識など分かりやすく解説。

【資格】

宅建士/AFP/FP2級技能士/相続管理士

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本記事の内容は、記事執筆日(2024年7月16日)時点の法令・制度等をもとに作成しております。最新の法令等につきましては、専門家へご確認をお願いいたします。万が一記事により損害が発生することがあっても、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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