相続登記に期限はあるの?不動産相続や遺産分割の期限などの相続に関わる期限を特集します

公開日:2025年9月16日

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令和6年4月1日より相続登記の義務化が始まったことで、新たに相続登記の期限が設けられました。状況に合わせて3つの期限が設けられています。万が一、期限を超えてしまった場合は、ペナルティとして10万円以下の過料が科されます。本記事では、相続登記の期限や相続登記の手続きの流れについて詳しく解説します。これから相続登記を行う予定の方や相続後放置している不動産がある方は、しっかりと確認しておく必要があります。

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相続登記義務化による期限

令和6年4月1日より相続登記の義務化がスタートし、期限が設けられました。条件によって、相続登記の期限は異なります。

下記のポイントごとに相続登記義務化による期限について、詳しく確認しましょう。

  • 相続登記の義務化は令和6年4月1日開始
  • 相続登記は3年以内が期限
  • 遺産分割は成立した日から3年以内が期限
  • 過去の相続分は令和9年3月31日までが期限

順番に解説します。

相続登記の義務化は令和6年4月1日開始

相続登記の義務化は、令和6年4月1日より開始した新しいルールです。義務が課される人は、不動産を相続した人です。

義務化される以前は相続登記自体が任意であったため、期限は設けられていませんでした。しかし、義務履行のために、相続登記の期限も新設されました。

相続登記の義務を期限までに履行しなかった場合、ペナルティとして10万円以下の過料が科されるため注意しましょう。

相続登記は3年以内が期限

相続登記の期限は、令和6年4月1日以降に発生した相続において、相続によって不動産を取得した事実を知った日から3年以内です。

被相続人が亡くなったことを当日知った場合、相続登記の期限は被相続人が亡くなった日から3年です。一方、下記のようなケースでは、被相続人が亡くなった日と「相続によって不動産を取得した事実を知った日」にはズレが生じます。

  • 疎遠だったために、被相続人が亡くなったことを後日知った場合
  • 相続人が相続放棄したために、被相続人の両親もしくは兄弟姉妹が相続人になった場合

あくまでも、「自身に相続が発生して不動産を取得した事実を知った日」が期限の起算日となる点に注意しましょう。

遺産分割協議をする場合は成立した日から3年以内が期限

遺産分割協議を行って遺産の取り分を決める場合、相続登記の期限は遺産分割協議が成立した日から3年以内です。下記のようなケースでは、遺産分割協議を行う必要があります。

  • 法定相続分通りに相続しない場合
  • 遺言書が残されていない場合
  • 遺言書が残されていたとしても、遺言通りに遺産分割したくないと相続人全員が合意した場合

このようなケースにおいては、相続人全員で「誰がどの財産をどれほど相続するか」という話をする必要があります。これを遺産分割協議といいます。

遺産分割協議の成立には、法的な期限は設けられていません。相続人全員が合意しなければならないため、長期化するケースもあるでしょう。

遺産分割協議の成立までに時間がかかったとしても、相続登記の期限は「遺産分割協議の成立から3年以内」のため、安心してください。

過去の相続分は令和9年3月31日までが期限

相続登記の義務化は令和6年4月1日より開始されましたが、施行以前に発生した相続に対してもさかのぼって適用されます。つまり、令和6年4月1日以前に相続した不動産も、相続登記の義務化の対象です。

過去に発生した相続によって不動産を取得していた場合、令和9年3月31日までに義務履行をするための猶予期間が設けられています。猶予期間内にかならず相続登記の手続きを終わらせましょう。

相続登記義務化の背景

相続登記の義務化の背景として、所有者不明土地の増加が挙げられます。所有者不明土地とは、不動産登記簿によって所有者が判明しない、もしくは判明しても連絡がつかない土地のことです。

相続登記をしないまま何世代も相続が発生すると、所有者のわからない土地が生まれてしまいます。利用できる不動産であれば相続登記が行われます。しかし、利用しづらい不動産の場合、相続登記されずに放置されていることは珍しくありません。

平成23年3月11日に起きた東日本大震災による被災地においても、所有者不明土地が復興の妨げとなってしまいました。土地所有者や相続人が見つからず、復興のために行いたい土地活用の許可がスムーズに取れなかったのです。

このような背景から、今後は土地開発・都市開発がスムーズに進められるよう、所有者不明土地の増加を食い止めるための相続登記が義務化されました。

 

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相続登記の流れ(自分でやる場合)

相続登記の手続きを自分で行う場合、書類の準備から申請までに数週間から2か月程度かかると考えておきましょう。

ただし、法務局や市区町村役場の窓口対応時間は平日の日中に限られます。そのため、直接質問・相談に行きたくてもお仕事や家事・育児で忙しい方はそれ以上かかるかもしれません。

ここでは、相続登記の手続きを自分で行う方法について、下記の手順に沿って詳しく解説します。

  1. 相続対象の不動産を確認する
  2. 遺言や遺産分割協議で相続内容を定める
  3. 相続登記に必要な書類を収集、作成する
  4. 管轄の法務局へ申請する

順番に確認しましょう。

相続対象の不動産を確認する

相続登記の申請を行うには、誰がどの財産をどれほど相続するかが決まっていなければなりません。そのため、遺産分割をする前に、相続財産の洗い出しと相続人の範囲の確定を行います。

相続財産の洗い出しを行うときに、不動産の状態や権利関係などをしっかり調べておきましょう。被相続人が所有している不動産が不明な場合、自宅に届いている固定資産納税通知書が手がかりとなります。

それでもわからない場合は、固定資産課税台帳に登録されている土地や家屋を所有者ごとに一覧になっている名寄帳を市区町村役場で閲覧しましょう。

相続対象である不動産が判明したら所在地を管轄する法務局で登記簿謄本を取得すると、不動産の面積や構造、被相続人の持分、抵当権の状態などの情報を確認できます。

亡くなった方の所有していた不動産が共有名義になっている場合、相続できる範囲は亡くなった方の持分に限られます。

遺言や遺産分割協議で相続内容を定める

不動産を含めた相続財産の内容や相続人が確定したら、遺産分割を行います。遺言書が残されている場合、原則遺言内容に従って財産を相続することになります。しかし、相続人全員の合意があれば遺産分割協議を行って遺産分割をしても問題ありません。

遺言書がない場合や法定相続分通りに遺産分割しない場合は、遺産分割協議を行います。遺産分割協議で不動産を引き継ぐ人を確定させます。遺産分割協議が成立したら、相続人全員が合意していることを証明するために遺産分割協議書を作成しましょう。

ここから先では、不動産を引き継ぐ人が相続登記の申請に向けて準備を進めていきます。

相続登記に必要な書類を収集、作成する

相続登記には、下記のように必要な書類がたくさんあります。

書類名必要性
登記申請書必須
固定資産評価証明書必須
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本一式必須
亡くなった方の住民票除票必須
相続人全員の戸籍謄本必須
不動産を相続する人の住民票必須
遺言書遺言書通りに相続する場合
遺産分割協議書遺産分割協議によって遺産分割した場合
相続人全員の印鑑登録証明書遺産分割協議によって遺産分割した場合と、遺言書によって法定相続人以外に遺贈する場合
相続関係説明図戸籍謄本の原本を返却してほしい場合

どのような経緯で遺産分割を行ったかによって必要な書類が異なります。それぞれどのような書類なのか、どのようなケースに必要な書類なのかについて詳しく解説します。

登記申請書

登記申請書は定められた様式に記入し、作成します。様式は、法務局の窓口やホームページから取得が可能です。

登記申請書の正式名称は「所有権移転登記申請書」といいます。下記のように、遺産分割の方法によって様式が異なるため注意が必要です。

  • 所有権移転登記申請書(相続・公正証書遺言)
  • 所有権移転登記申請書(相続・自筆証書遺言)
  • 所有権移転登記申請書(相続・法定相続)
  • 所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)

様式ごとに記載例が準備されているため、確認しながら申請書を作成しましょう。多くの情報は登記簿謄本に掲載されていますが、課税価格や登録免許税の計算は、自身で行わなければなりません。

また、様式や一般的な記載方法は法務局で確認できますが、個別の相談やトラブルには対応し切れない場合があるため注意しましょう。

固定資産評価証明書

相続登記を行うときに納めなければならない登録免許税の計算のために、固定資産評価証明書が必要です。

固定資産税評価額は毎年変わるため、登記申請を行うタイミングで最新年度の評価額を事前に把握しておく必要があります。毎年3月末に年度が切り替わるため、年度がまたがるときに申請する場合は注意しましょう。

固定資産評価証明書は、毎年4月に市区町村役場から所有者へ郵送されます。亡くなった方の自宅から見つからない場合は、不動産の住所地の市区町村役場で取得できます。取得費用は、1筆・1棟あたり200~300円程度と考えておきましょう。

なお、固定資産税納税通知書の課税明細書で代用できる場合があるため、課税明細書だけが手元にある場合は管轄の法務局へ問い合わせることをおすすめします。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本一式

法定相続人の範囲を確認するために、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本の提出が必要です。

戸籍は、結婚や転籍のたびに新しく作成されます。一部の期間が抜けているとその期間の戸籍謄本も提出するよう指摘を受けることになります。

令和6年3月以降であれば、亡くなった方の本籍地のある市区町村役場で一式の取得が可能です。取得にかかる費用は、1通あたり450円です。

亡くなった方の住民票除票

戸籍に記録されている亡くなった方と、相続登記を行う不動産の所有者が同一人物かどうかを確認するために亡くなった方の住民票除票を提出します。

登記事項証明書には所有者の住所や氏名が記載されています。しかし、戸籍謄本には本籍地の記載しているものの住所の記載がありません。そのため、住所が記載されている住民票除票が必要です。

住民票除票は、亡くなった方の最後の住所地の市区町村役場で取得可能です。取得にかかる費用は、1通あたり750円です。

もし、亡くなった方の住民票除票と不動産の所有者欄に記載されている住所が異なる場合、同一の住所になるよう、過去に住民票があった市区町村役場から取り寄せる必要があります。もしくは、戸籍の附表を取得すれば過去の住所が判明するため証明できる可能性があります。

戸籍の附表は、亡くなった方の本籍地の市区町村役場で取得可能です。

相続人全員の戸籍謄本

亡くなった方との関係や生存状況を証明するために、相続人全員の戸籍謄本を提出します。ただし、亡くなった方の死亡が記載された戸籍謄本に記載されている相続人については、亡くなった方との関係や生存状況が把握できるため改めて戸籍謄本を取り寄せる必要はありません。

令和6年3月以降であれば、それぞれの相続人の本籍地のある市区町村役場で取得が可能です。自治体や取得方法によって取得費用は変動しますが、1通あたり450円程度です。

不動産を相続する人の住民票

登記申請時に住所を証明するため、不動産を相続する人の住民票の提出も必要です。住民票に記載されている住所地が不動産の登記簿に記載されます。

住民票は、住民登録をしている市区町村役場で取得可能です。自治体や取得方法によって取得費用は変動しますが、1通あたり200~300円程度と考えておきましょう。

なお、15歳以上でマイナンバーカードを持っている方であれば、全国のコンビニエンスストアで住民票を取得できます。お住まいの市区町村役場がコンビニ交付サービスに対応していることとマイナンバーカードの期限が切れていないことが取得の条件です。

遺言書

遺言書の内容通りに相続をするのであれば、遺言書を提出します。

亡くなった方の自宅や貸金庫などで遺言書を見つけた場合、家庭裁判所において検認を受けなければなりません。検認では、相続人の立ち会いのもと遺言書を開封し、偽造や隠蔽を防止します。

なお、公正証書遺言書や法務局で保管されている自筆証書遺言であれば、検認の手続きの必要はありません。

また、遺言書がある場合には、法定相続人以外の孫や内縁関係のパートナーに不動産を取得させると指定されている可能性があります。このとき、相続登記の申請時に追加で書類の提出が求められるので、法務局の指示に従いましょう。

さらに、遺言書で遺言執行者が指定されている場合や、相続人が遺言執行者を選任している場合は、遺言執行者に不動産の相続手続きを任せることができます。

遺産分割協議書

遺産分割協議によって相続の内容を決めた場合、相続人全員が合意していることを示すために遺産分割協議書が必要です。遺産分割協議書には、法定相続人全員の署名と実印による押印をしなければなりません。

遺産分割協議書には決められたフォーマットがありませんが、第三者が見ても「誰がどの財産をどれほど相続するのか」が明確になっている必要があります。

相続人全員の印鑑登録証明書

相続人全員の印鑑登録証明書は、遺産分割協議書を提出する場合と遺言によって法定相続人以外に遺贈する場合に必要な書類です。

まず、遺産分割協議書を提出する場合、押印されている印鑑が実印であることを証明するために相続人全員分の印鑑登録証明書を添付する必要があります。原則、いつ発行された印鑑登録証明書でも問題ありませんが、提出先によっては一定期間内に発行した書類を提出するよう求められるケースがあります。

次に、遺言書で法定相続人以外へ遺贈する場合には、取得から3か月以内に取得した法定相続人全員の印鑑登録証明書が必要です。この場合、遺言執行者の印鑑登録証明書を代わりに提出しても問題ありません。

印鑑登録証明書は、住所地の市区町村役場で取得できます。自治体や取得方法によって取得費用は異なりますが、1通あたり200〜300円程度と考えておきましょう。

相続関係説明図

戸籍謄本の原本を返却してほしい場合、亡くなった方と相続人との関係を図で示した相続関係説明図も提出しましょう。もちろん、返却が不要な場合は、相続関係説明図を添付しなくても問題ありません。

相続手続きを進める際、金融機関における名義変更や生命保険の請求をするためにも戸籍謄本を提出しなければなりません。手続きのたびに取得すると、費用と時間がかかってしまいます。そこで、相続関係説明図を添付すれば戸籍謄本の原本を返してもらえるため、何度も取得する必要がなくなります。

相続関係説明図は、法務局で公開されている様式や記載例のなかからご自身に必要なものを選び、参考に作成しましょう。

管轄の法務局へ申請する

必要書類が揃ったら、法務局へ申請しましょう。全国各地に法務局がありますが、申請を受け付けてもらえる場所は不動産の所在地を管轄する法務局に限られます。

管轄の法務局は、法務局のホームページから確認できます。

申請後、2週間程度で審査が行われ、承認されれば登記完了です。一方、承認されなかった場合には法務局から連絡があるため、指示に従いましょう。申請書の不備や必要書類に不足がある場合は、法務局から補正を求められます。

また、相続人に争いがある場合や遺産分割協議が成立していない場合などには、相続登記が承認されません。

相続登記の期限を守るためにも、必要書類を不備なく揃え万全に準備したうえで相続登記の申請を行いましょう。

相続登記の流れ(司法書士に任せる場合)

相続登記の流れ(司法書士に任せる場合)のイメージ

相続登記を司法書士に依頼すると、相続財産や相続人の調査から登記申請書の作成、申請の代理までをワンストップでお願いできます。司法書士への相談から登記申請までにかかる期間は数週間から1か月程度と考えておきましょう。

相続登記を司法書士に任せるときに知っておきたいポイントは、下記の3つです。

  • 司法書士に依頼をする
  • ちょっとした対応しながら素早く完了
  • 相続登記を依頼した場合の費用感

詳しく解説します。

司法書士に依頼をする

司法書士に相続登記を依頼する場合、下記の流れで進めましょう。

  • 司法書士に依頼する内容を決める
  • 相続登記の相談をする
  • 依頼したときの見積もりを出してもらう
  • 正式に司法書士に相続登記の依頼をする

スムーズに依頼できるよう、あらかじめ対象の不動産や相続人の情報がわかる資料を準備したうえで司法書士へ相談しにいきましょう。もちろん、相続財産や相続人の調査から司法書士に依頼することも可能です。

正式に司法書士へ依頼したあとは、書類作成・収集から登記申請までの一連をすべてお任せできます。

ちょっとした対応しながら素早く完了

相続登記の手続きだけを依頼するのであれば、数週間から1か月程度で登記申請が完了します。申請後、さらに2週間程度で承認されると考えておきましょう。

司法書士は登記のプロであるため、書類不備が発生することはほとんどありません。そのため、自分で手続きする場合と比べると、申請後スムーズに承認される可能性が高いです。

ただし、不動産や相続人の数が多い場合や、相続財産・相続人調査から依頼する場合は、さらに時間がかかる場合があります。相続登記の期限が迫っている場合は、早急に司法書士へ相談しましょう。

相続登記を依頼した場合の費用感

相続登記を依頼する場合、司法書士へ支払う報酬目安は6万5000円程度です。ただし、エリアや依頼内容によって費用感が異なります。不動産や相続人の数が増えると作業も増えるため、追加料金が発生するでしょう。

また、司法書士への報酬以外にも下記の料金が実費で発生します。

  • 戸籍謄本や住民票などの必要書類の取得費
  • 登録免許税

司法書士へ支払う報酬の見積りはもちろん、トータルでかかる費用も依頼前に確認しておくことをおすすめします。

「相続登記を司法書士に依頼したときの費用」について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

併せて読みたい記事(司法書士に依頼するメリット)

司法書士に相続登記を依頼するメリットはたくさんあります。相続登記以外にも相談できる内容があるため、ぜひ前向きに検討しましょう。

「司法書士に依頼するメリット」について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

期限が迫っているなら司法書士に相談しよう

相続登記の期限が迫っているのであれば、司法書士に相談することをおすすめします。なかでも下記に当てはまる場合、自分で相続登記をすると大変な労力と時間がかかってしまいます。

  • 相続財産に不動産が多い
  • 法定相続人の数が多い
  • 何代にもわたって相続登記されていない不動産がある

不動産や法定相続人の数が多いと、その分必要となる書類が増えてしまいます。

法定相続人が全員近くに住んでいれば、すぐに戸籍謄本の取得ができます。しかし、遠方に住んでいて法定相続人が協力的でなければ、郵送による取り寄せが必要です。

また、何代にもわたって相続登記されていない不動産を相続する場合、過去の遺産分割の状況や所有権を持つ人について詳しく調査しなければなりません。場合によっては相続人申告登記を行うほうがよい場合もあるでしょう。

しかし、一定の費用がかかることも事実です。司法書士に相談すべきか悩んでいる方は、司法書士に依頼するメリット・デメリットを理解したうえで判断するほうがよいでしょう。

ここからは、相続登記を司法書士に依頼するメリット・デメリットについて解説します。

司法書士に依頼するメリット

司法書士に相続登記を依頼するメリットは、確実に相続登記の申請ができることです。司法書士は登記のプロのため、個別のケースにあわせて必要書類の作成や取得をお任せできます。

相続登記をしたことのない方が1から書類を作成したり、法務局とやりとりをしたりすることはハードルが高いと感じるでしょう。専門知識を持つ司法書士に相続登記をお願いすれば、正確でスピーディーに手続きを終えられます。

司法書士に依頼するデメリット

司法書士に依頼するデメリットは、一定の費用が発生することです。時間や労力は削減できるものの、司法書士に依頼をすると報酬の支払いが発生します。

なお、司法書士事務所によって、報酬額の設定が異なります。基本プランと基本報酬が設定されており、相続人や不動産の数などで追加料金が発生することが一般的です。

報酬額に納得したうえで依頼するためにも、かならず正式な依頼前に見積書を提示してもらいましょう。

相続登記の期限に間に合うよう専門家の力を借りよう

相続登記の義務化に伴って新たに設定された期限は、不動産を相続した事実を知った日から3年間です。遺産分割協議を行った場合は、遺産分割協議の成立日から3年間です。

なお、相続登記の義務化が始まる前に発生した不動産にも、相続登記の期限が設けられています。令和6年4月1日より前に発生した相続に関する相続登記の期限は、令和9年3月31日までです。

相続登記は自分で申請することも可能ですが、専門知識が必要なうえに時間と労力がかかります。期限に間に合うか心配な方や知識に自信のない方は、司法書士に依頼することも検討しましょう。

 

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記事の著者紹介

安持まい(ライター)

【プロフィール】

執筆から校正、編集を行うライター・ディレクター。IT関連企業での営業職を経て平成30年にライターとして独立。以来、相続・法律・会計・キャリア・ビジネス・IT関連の記事を中心に1000記事以上を執筆。

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本記事の内容は、記事執筆日(2025年9月16日)時点の法令・制度等をもとに作成しております。最新の法令等につきましては、専門家へご確認をお願いいたします。万が一記事により損害が発生することがあっても、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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