今年4月に施行された「相続土地国庫帰属制度」ですが、制度の施行から数か月間で法務局には相談の問合せが相次いでいるようです。
小泉龍司法相は9月26日の閣議後記者会見にて、相続土地国庫帰属制度の問合せ数及び承認申請数について明らかにしました。
発表によると、本年8月末日時点で全国の法務局に885件の承認申請がなされ、相談においては1万4000件を超えるとのことで、国民からの関心がかなり高いことが伺えます。
この「相続土地国庫帰属制度」とは、相続によって土地の所有権を得た人が国庫へ帰属申請を行える制度です。相続した土地の管理を行う際、固定資産税や労力負担が大きい人を救済し「所有者不明土地」を増やさない事を主な目的としています。
申請できる人は、相続や遺贈によって土地を取得した人が対象とされ、自ら土地を取得した人、土地管理に多大な費用が掛かる等はこの対象から外れます。
建物がある場合は一度更地にしなければならないことや申請手数料・承認後の納付金など金銭的な負担は発生しますが、土地だけを手放すことができるという点で相続放棄とは違ったメリットが多いのも特徴です。
もし、相続や遺贈によって引き継いだ土地が「遠方で管理が難しい」「使い道が無いが、売却が難しく固定資産税ばかりかかる」などで困っている場合は、相続土地国庫帰属制度の活用を検討してみるとよいでしょう。
まだ新しい制度のため、情報が少なく制度の利用に不安を感じる方もいらっしゃると思います。スムーズに土地を手放すためにも、一度お近くの法務局や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。