総務省は「遺留金等に関する実態調査」にて、身寄りのない人が所持していた金銭など貴重品、いわゆる「遺留金」の合計が約21億5000万円にも上ると発表しました。
2018年4月から2021年10月末までの期間で、1741全市区町村および47都道府県を対象に調査したところ、取引者のいない死亡人発生件数は約10万6000件。そのうち、「遺留金あり」の割合は約4万8000件と全体のおよそ半数にも及びます。
調査開始時の2018年4月時点の遺留金は約13億円だったため、3年半で約8億5000万円増加したことになります。
その背景として、超高齢化社会で単身高齢者などが増加し、家族のつながりが希薄化して身寄りのない人が増加したことが一因として考えられます。
調査結果に基づき、総務省は厚生労働省に対しては「死亡人の預貯金の引き出し実施状況」の把握と改善の検討を、法務省に対しては「残余遺留金の弁済供託」運用改善を勧告。
火葬などの葬祭実施やその費用や、相続人調査などの自治体にかかる負担をどう解決していくかが今後の課題だといえます。
参考:総務省「「遺留金等に関する実態調査」の結果に基づく勧告(概要)」