はじめに
相続の準備の第一歩は、相続について家族と話すこと。しかし相続を受ける側にとって、親が元気なうちから相続の話をすることは勇気がいるものです。実際にどれくらいの人が、生前から相続の話し合いができているのでしょうか。アンケートから「家族と相続の話をすること」のリアルを見てみましょう。
親が元気なうちから、相続の話するのは難しい
親が元気なのに相続の話をすることは、とても勇気がいることです。相続プラスが実施したアンケートにも、次のような回答がありました。
相続について不安に感じることを教えてください。
相続の話そのものを、両親と話するのが躊躇われる。本来は、両親が元気なうちに、きちんと話し合いをしなければならなことなのに、相続というとてもデリーケートな内容だけに、どうやって話をもちかけたらいいのか悩む。「早く親に死んで欲しいのか!」とか「金のことを気にしてんのか!」など、会話が噛み合わなくなる可能性があるため、悩む。両親からこういう話題を出してもらいたいのだが、まったく頭にない。
男性53歳、過去10年以内に相続を受けたことがある
相続は親の健康やお金にかかわるデリケートな話題ですので、こちらの方と同じ悩みを持たれている方も多いことでしょう。それでは実際にどれだけの人が、家族と相続の話ができているのでしょうか。
相続について、家族と話し合いをしていますか?
最も多かった回答は「全く話し合いをしていない」の47%でした。2位も「あまり話し合いをしていない」の25%で、あわせて7割以上の人が家族ときちんと相続の話ができていないことになります。
それでは実際に相続を受けたことがある人は、事前にどの程度話し合いができていたのでしょうか。
話し合いよりも大変なことは、数が多く複雑な手続き
相続の準備として、やったことをすべてお答えください。(お答えはいくつでも)
相続を経験した100人へのアンケートを見ると、生前のうちに相続について相談できていた人は僅か9%という結果でした。9割以上の人が生前のうちに相続の相談ができていないことからも、親が元気なうちに相続の話し合いをすることのハードルの高さが分かります。
その一方で、次のようなアンケート結果も見られました。
あなたが相続を受けた際、不満があったこと・大変だったことは何ですか?(お答えはいくつでも)
相続経験者が、相続を受けた際に不満を感じたこと・大変だったことのアンケートです。家族との話し合い・人間関係は10位、全体の10%という結果でした。相続では手続きを進める中でもっと大変なことが起こるため、家族との話し合いそのものにネガティブな印象を持つ人が少ないのかもしれません。
相続について家族と話し合うことは、生前整理や終活の第一歩でもあります。相続が発生してからトラブルにならないように、勇気をもって家族と話し合いをすることが大切だと言えるでしょう。
おわり
親が元気なうちから相続の話をすることは、ハードルが高いものです。アンケート結果からも、生前から話し合いができている人が少ないことが見てとれます。
しかし実際に相続が発生すると、もっと大変な手続きを数多く行わなければなりません。避けられるトラブルを回避してスムーズな相続を実現させるためにも、勇気をもって親が元気なうちから相続について話し合うことが大切です。
調査概要
【相続に関する調査】
調査期間:2022年10月24日(月)~10月25日(火)
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社ネオマーケティング
【調査対象】
性別:男女
地域:全国
相続を遺す可能性がある60歳~79歳(100人)
過去10年以内に相続を受けたことがある40歳~69歳(100人)
相続を受けたことがない30歳~59歳(100人)