はじめに
相続の手続きを専門家に頼むとしたら、どの専門家に相談しますか?税理士・弁護士・司法書士…「相談できる専門家が多くて、誰に相談すべきか分からない」とお悩みの方もいらっしゃることでしょう。そんな方のために、実際に相続に直面する人へのアンケートから、専門家への相談の実情に迫ります。
専門家に相談したい人が多いのは、税金と財産のこと
相続について不安に感じることをすべてお答えください。
そのうち専門家等に相談したいと思うものをお答えください。(お答えはいくつでも)
こちらは相続について不安に感じることと、専門家等に相談したいことを集計したアンケートです。
1位は「相続のことが難しくてよくわからない」ですが、2位・3位と相続税に関する内容がランクインしています。4位も財産に関する内容であることから、お金・税金・財産について専門家に相談したいと考える人が多いことが分かります。
それではこうした相続の悩みは、誰に相談されているのでしょうか。次は相談相手に関するアンケートを見てみましょう。
相続税の相談は税理士へ、他の専門家には何が相談できる?
相続について誰かに相談するとなった場合、誰に相談したいと思いますか。(お答えはいくつでも)
相談相手の1位は税理士でした。税理士は相続税に関する相談相手として一般的であることからも、納得の結果です。
しかし2位に親族、4位に友人がランクインしていることから、弁護士・司法書士・行政書士といった税理士ではない専門家については、どんなことが相談できるのかあまり知られていないと思われます。
それでは、税理士ではない専門家には、どんなことが相談できるのでしょうか。相続の相談ができる専門家として代表的な、弁護士・司法書士・行政書士について、相談できる手続きの一例を紹介していきます。
相続トラブルの解決なら弁護士
弁護士は、代理人として他の相続人と交渉したり裁判所での手続きを行うことができます。相続トラブルが発生してしまった場合は、弁護士が最適な相談相手と言えるでしょう。
特に借金などマイナスの相続に対して活用できる「相続放棄」は、相続トラブルとあわせて発生することが多いため、弁護士への相談が効果的な手続きです。
不動産を相続するなら司法書士
司法書士は、代理人として不動産や会社の登記を行うことができます。土地や建物など不動産を相続する場合は、司法書士が最適な相談相手と言えるでしょう。法改正により2024年4月から義務化される「相続登記」についても、司法書士による手続きが可能です。
認知症対策の手法である「家族信託」に不動産を活用する場合も、司法書士による手続きが可能です。不動産の相続が発生する方は、相続への準備として、相談できる司法書士を探しておくとよいでしょう。
権利義務に関する書類作成ができる行政書士
行政書士は、権利義務に関する書類作成や許認可申請を行う専門家です。相続手続きに関するものでは、「遺産分割協議書」や「相続関係説明図」といった書類の作成を依頼することができます。
これらの書類は、相続を受ける人の数や関係性によって作成の難易度が変わってきます。関係者が複雑に絡む相続では、行政書士をはじめとする専門家に書類作成を依頼するメリットが大きいと言えるでしょう。
おわり
相続は限られた時間の中で、複雑な手続きを数多く行わなければなりません。自分一人で全ての手続きを行うのは大変なので、「どんな手続きを、どの専門家に相談できるのか」を把握し、専門家への依頼・相談をうまく活用することが大切です。
調査概要
【相続に関する調査】
調査期間:2022年10月24日(月)~10月25日(火)
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社ネオマーケティング
【調査対象】
性別:男女
地域:全国
相続を遺す可能性がある60歳~79歳(100人)
過去10年以内に相続を受けたことがある40歳~69歳(100人)
相続を受けたことがない30歳~59歳(100人)