司法過疎地での相談に応えるために、できることは何でも取り組む
山梨県の上野原市で地域に密着した相続相談を行っている、野﨑康史司法書士事務所の野﨑康史司法書士。相続手続きや生前対策、さらに認知症対策や老後問題の相談にも対応されている、相続に特化した司法書士の先生です。地域密着のサービスを提供されている野﨑先生に、お客様対応へのこだわりや、これからの取り組みとして見据えているものを伺いました。
相続全般の相談に丁寧に応える地域密着の司法書士
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?
ご家族がお亡くなりになって相続の手続きが必要になり、相談できる専門家を探して当事務所のことを見つけていただいて、ご相談にいらっしゃるという方がほとんどです。
ご相談の内容は相続の手続き全般になりますが、令和6年4月に相続登記が義務化されることを知って、相続登記のご相談にいらっしゃる方も増えてきています。過去に相続した不動産の相続登記をしておらず、長期間放置してしまっているというケースも多いですね。5年~10年放置されていたというものも珍しくなく、最近も30年以上放置されていた不動産の相続登記を行いました。
長期間放置されていたケースですと、手続きの面で複雑になることも多いのではないかと思います。そうしたご相談に対応するにあたり、野﨑先生の方で気を付けていることはありますか?
とにかく丁寧に調べる、ということですね。長期間放置されていた相続登記は、「相続人も不動産の権利関係も全く分からない」という状態になってしまいます。調べてみると古い抵当権が残っていたり、名義人に離婚歴があって知らない相続人が含まれていたりということもあるわけです。
また、山梨県という土地柄もあって、家の他に畑や山林を所有している方も多くいらっしゃいます。しかし、親が畑や山林を所有していることを、子どもが把握していないということもよくあります。そうすると、「実家を相続したと思っていたら、畑や山林をたくさん持っていることが分かり、全部の手続きが必要なことが発覚した」ということが起こりうるのです。
それなので、長期間放置されていたケースでは、相続人・権利関係・所有している不動産など、相続の全体像を丁寧に調べたうえで手続きを進めるように心がけています。
司法書士としてできることに、全力で取り組む
事務所の強みや特徴を教えていただけますでしょうか?
いくつか考えられるのですが、まずは相続に関する手続き全般をお任せいただけることですね。先ほどお話しした相続登記の他に、預貯金や株式の相続手続き・戸籍の収集・遺産分割協議書の作成など、相続が発生した後に必要になる手続き一式にまとめて対応しています。
これは、過去に足が悪いご高齢のお客様から「私は思うように動けないから、手続きを全部まとめてお願いしたい」というご相談をいただいてはじめたことです。
手続きの中には相続税の申告など、司法書士の資格ではできないこともあるのですが、そのような場合も「これは司法書士ではできないので、税理士に相談してください」という対応ではなく、対応してくれる税理士の先生をご紹介するようにしています。アフターケアの一環のような感覚ですね。
司法書士としては業務の範囲を制限しておらず、「来るものは拒まず」の精神で、できることは何でもやらせていただくようにしています。それが結果的に自分のスキル向上につながりますから。
他にも、一度ご依頼を完了したお客様から、別の仕事のご依頼をいただくことが多いという点も、当事務所の特徴かもしれません。相続登記の手続きをしたお客様から、今度は遺言書作成のご依頼をいただく、といったケースですね。
依頼が完了した方から次の依頼が入るのは、信頼関係があってこそだと思いますが、野﨑先生としては次の依頼につながる要因はどこにあると思いますか?
ご相談に対応させていただく際に、目の前の手続きだけでなく、将来起こり得るリスクや対策までお話させていただくように心がけています。もしかすると、この将来の話が次のご依頼につながっているのかもしれません。
たとえば相続登記のご依頼を受けたとすると、相続した不動産を今後どのように活用されるのかを確認するようにしています。活用を考えている用途によって、誰の名義にするのが良いのかが変わってきますし、場合によっては遺言書を作成し、将来相続する権利が発生する人を指定しておくことが効果的ということも考えられます。
このように将来のリスクや対策のお話をさせていただくようにしているので、相続の手続きが一通り終わった後に遺言書の相談をいただいたり、相続した不動産を売却するときに登記のご依頼をいただいたり、ということにつながっています。
他には、フットワークの軽いご対応ですね。事務所の周りには公共の交通手段がないエリアもありますので、事務所までお越しいただくことが難しい方でも気軽にご相談いただけるように、ご自宅や施設などへの出張相談も積極的に行うようにしています。
司法過疎地で活動する司法書士として見据えるもの
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望として考えているものを教えていただけますか?
いま提供しているサービスを、変わらず丁寧に続けていきたいですね。事務所のある上野原市、さらに山梨県全体もそうなのですが、法律のことを相談できる専門家の数が少なく、司法過疎地となっている面があります。
それなので当事務所は相続のことに限らず、地域の方々から本当に色々なご相談をいただいています。そうしたご相談一つひとつに対して、丁寧にご対応をさせていただく。そうすることで地域に根付いた事務所になって、少しでも司法過疎地の解消に貢献したいと考えています。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
相続の手続きというものは、私たち専門家でも「結構大変だな」と思うことがあります。色々な書類を集めないといけないですし、専門知識が必要な手続きも発生します。役所まで手続きに行くには、平日にお仕事を休まないと時間をつくることが難しい方も多いでしょう。
それなので無理をせず、専門家に一度は相談してみることをおすすめしたいです。専門家に依頼するとお金はかかりますが、相談だけなら無料の事務所も多いので、相談をしてみたうえで、できる部分をご自身でやってみるのがいいと思います。できない部分は私たち専門家が力になりますので、いろんな方の力を借りて相続の手続きを進めることを、おすすめしたいですね。
プロフィール
野﨑康史司法書士事務所
司法書士 野﨑 康史
山梨県立上野原高等学校卒業
中央大学法学部通信教育課程卒業
令和4年5月:野﨑康史司法書士事務所開業
山梨県司法書士会:第341号、都留支部副支部長、総合相談センター委員、調停センター委員
簡裁訴訟代理等認定番号:第1801148号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:山梨支部幹事
取材を終えて感じた先生の人柄
山梨県の上野原市で地域に根差した相続相談を行っている野﨑先生。会社員として勤務する中で、専門性のあるスキルを身につけることの重要性を感じられ、30代で大学に入り40代で司法書士になった経歴の持ち主です。その経歴が影響しているのか、「法律の専門家の先生」というよりも、「色んな相談にのってくれる物知りのおじさま」といった雰囲気で、親切丁寧に受け答えいただいたことが印象的でした。
そんな野﨑先生がこれからの取り組みとして挙げられたのは、いま提供しているサービスを変わらず丁寧に続けていくこと。法律のことを相談できる専門家が少ない司法過疎地で、地域のために活動されている野﨑先生らしい取り組みです。難しい法律や手続きのことを、地域に根差した専門家に気軽に相談できることの重要性を実感した取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 野﨑康史司法書士事務所
- 資格者
- 代表 司法書士 野﨑 康史
- 所在地
- 山梨県上野原市上野原1904-5
- 電話番号
- 0554-37-0271
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日 9:00~18:00
土曜日・祝日 10:00~16:00
- 定休日
- 日曜日
- 対応エリア
- 山梨県、神奈川県相模原市、東京都奥多摩町・檜原村・八王子市等
- 所属
- 山梨県司法書士会:第341号、都留支部副支部長、総合相談センター委員、調停センター委員
簡裁訴訟代理等認定番号:第1801148号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:山梨支部幹事
事務所情報掲載日:2024年1月29日
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