お客様に一番近い法律家であるために、丁寧な説明を心がける
静岡県静岡市の中心にある青葉シンボルロード沿いで、相続登記をはじめとしてさまざまな相続の相談に対応されている、あおば司法書士法人。静岡市で30年以上にわたり法律相談に応えてきた、地域に根差した司法書士事務所です。代表を務める渡辺司法書士に、相続業務への取り組みや、お客様対応へのこだわりについてお話しいただきました。
お客様の状況を把握して、必要な手続きを提案する
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか？
ご家族やご親族がお亡くなりになって、相続の手続きの相談にいらっしゃる方が多いです。相続の手続きについてある程度お調べになったうえで「この手続きをお願いしたいです」とご相談されるケースと、相続の手続きが何も分からずに「ここで相談できると聞いて来ました」とご相談にいらっしゃるケース。大きく分けると、この2種類のご相談が多いですね。
ある程度お調べになって相談にいらっしゃるケースでは、どのような手続きをご依頼されることが多いのですか？
一番多いのは相続登記ですね。相続に伴って不動産の名義変更が必要になるので、登記をしてほしいというご相談です。ご自身で調べられている方は、相続登記は司法書士に依頼するものだということを知って、具体的な手続きの話からお話しいただく場合もありますね。また、最近は相続登記の義務化も近づいていることから、ご相談が増えてきているように思います。
では、相続の手続きが何も分からないというケースについても伺いたいのですが、お客様への対応で気を付けていることや心がけていることはありますか？
相続の前提知識がない状態の方は、そもそも何から手をつければいいのか分からないものです。それなので、必要になる手続きについてご説明するよりも、その前段階として相続とはどんなものなのかをお話しさせていただくようにしています。それこそ1から10まで、相続の仕組みのご説明をさせていただくイメージです。
そしてお客様の立場やお考えをじっくりヒアリングさせていただき、状況を把握したうえで「こういう手続きが必要になります」とお話しさせていただく。いきなり手続きの話をするのではなく、相続の基本的な考え方をお客様と共有し、状況を確認したうえで、どんな手続きを行うのかお話しするように心がけています。また、必要になる手続きの話をする際には、司法書士として私の方で対応できる手続きと、司法書士では対応できず他の専門家を紹介させていただく領域を、丁寧にご説明することも大切にしています。
「この手続きは税理士の先生にお願いしないといけないです」「こういうことが起こると弁護士の先生に頼まないといけないです」ということは、相続の手続きでは珍しいことではありません。そのようなときに「これは司法書士の業務ではないので、税理士の先生のところに相談してください」となると、お客様も何のためにご相談に来られたのかということになってしまいます。ですので、そのようなときも司法書士にできる業務をお伝えしたうえで「この税理士の先生に相談をしてみてください」とご紹介させていただくようにしています。司法書士として対応できない仕事であったとしても、少なくとも解決への道筋を示してご説明させていただくことが重要だと考えていますので。
ご相談にいらっしゃるお客様は、事務所のある静岡市周辺にお住まいの方が多いのですか？
特に事務所周辺の方からばかり相談を受けているということはないのですが、静岡市の中心地に事務所がありますので、周辺にお勤めになっている方からご相談をいただくことは多いですね。事前のご予約で土日祝日の相談にも対応しているので、平日のお仕事帰りにお越しいただいて土日祝日相談の日程を調整させていただく、ということもよくあります。
一番大切にしているのは、お客様の話を聞く力
事務所の強みや特徴を教えてください。
事務所全体として、お客様のお話をよく聞いて、ご要望を汲み取ることを大切にしています。事務所には私以外にも男女5人のスタッフが在籍していて、それぞれがお客様とお話をさせていただく機会があるのですが、私も含めて年齢層が異なりますので、性別や年代に関係なくどなたでも相談しやすい雰囲気の事務所になっていると思います。「相続のことを話やすい、相談しやすい」ということは、一番の特徴ですね。
お客様のお話をよく聞くことを大切にされているということですが、その理由を教えていただけますでしょうか。
相続では、「お客様が希望されている手続きが、最適な手続きではない」ということが起こりうるからです。「この手続きをしてほしい」とご相談にいらっしゃったとしても、よくよく話を聞いてみるとその手続きは不要であったり、別の手続きの方が適していたりということは珍しくありません。
よくあるケースが、相続税への対策として不動産を生前贈与したいというご相談です。生前贈与をすることによって相続税が減ったとしても、他の部分で不動産にかかる税金が発生して、かえって税金が高くなってしまうということがあるのです。相続税に関するものは、私の判断というよりも税理士の先生に相談したうえでの話になりますが、お客様のご要望の通りに登記や手続きを行うと、結果的にお客様が損をしてしまうということはよくあるものです。
ですから、お客様が「この手続きをしてほしい」というご要望をお持ちだったとしても、お話をよく聞いて、「どういう目的でご相談にいらっしゃったのか」を汲み取ることを特に大切にしています。そして、そこから一歩踏み込んで、「希望されている手続きよりも、こういう方法の方がお客様のご要望を叶えられるのではないでしょうか」と提案させていただく。そうした提案こそ、私たちのような専門家の存在意義だと思っていますので。
これまでご相談にお応えしてきた中で、印象に残っているお客様はいらっしゃいますか？
ある相続放棄のご相談にいらっしゃった方のことが印象に残っています。大きな借金を相続することになってしまい、さらに相続放棄ができる期限を経過してしまっている、という状況でのご相談でした。その方は既に周りの人に色々と相談をされており、相続放棄はできないだろうと言われていて、大きな借金を背負う覚悟でご相談にいらっしゃったのです。
詳しく状況をお聞きしてみると、私たちの方で対応すれば相続放棄できる可能性が高いことが分かりましたので、すぐに相続放棄の手続きを行いました。最終的に問題なく相続放棄ができたのですが、本当に泣いて喜ぶくらいに感謝していただいて。私たちとしては日常的に扱うような手続きだったのですが、お金に関わる問題は命に関わるものにもなってくるので、司法書士の仕事の重みを実感しました。このご相談よりも複雑な手続きは何度も経験しているのですが、何よりもこの一件が心に残っていますね。
司法書士に相談するハードルを、もっと低くしたい
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望として考えているものを教えていただけますか？
お客様にとって一番身近な法律家として、敷居の低い事務所を目指していきたいですね。
最近は司法書士の業務範囲も広くなってきているので、司法書士次第でいろんな強みを打ち出せると思うんです。例えば、高度な法律知識を使って困難な事例に挑戦する人もいるかもしれません。ただ、私はそういったことよりも、お客様にお気軽にご相談いただける司法書士であることにこだわっていきたいと考えています。
まだまだ一般の人にとっては、司法書士への相談というものは敷居が高くて、日常からかけ離れているように思います。しかし、日常的に法律に携わっているのは一般市民の方々です。それなので、私たちは市民の方々に寄り添った、日常的な法律相談の受け皿でありたいと思うのです。司法書士のイメージに関わるものなので、私一人でできることではないかもしれませんが、司法書士に相談することへの敷居をもっと低くするということが、目指すところかなと思っています。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
とにかく、1人であれこれ悩んだり考えたりする前に、気軽に相談していただきたいですね。私たちのところにも「こんなことを相談してもいいのだろうか」「これは司法書士に聞くべきじゃないかもしれない」と恐る恐るご相談に来られる方も多いのですが、お話しを伺って「これは司法書士に相談すべきことじゃない」という内容のご相談はほとんどありませんでした。
何を話してもいいですし、何も分かっていなくても本当に大丈夫です。相続についてお困りのことや、ご心配ごとがありましたら、ぜひ一度ご相談にいらしてください。もし司法書士では解決できないことであったとしても、税理士や弁護士の先生とのネットワークを駆使して、解決への道筋をご案内することができます。相続のお悩みは相談することによって前に進むものなので、1人で抱え込まず、どんなことでもご相談いただければと思います。
取材を終えて感じた先生の人柄
静岡市で30年以上にわたり、身近な法律家として数多くの相続相談に応えられてきた、あおば司法書士法人。事務所名の「あおば」は、静岡市のメインストリート「青葉シンボルストリート」から名づけられており、そのことからも地域に根差した法律家として活動されている姿勢が伺えます。
お父様の代から続く事務所を運営されている渡辺司法書士。とにかく物腰が柔らかく、どこまでも謙虚にお客様に寄り添う姿勢が印象的でした。そんな渡辺先生が目指しているものは、司法書士に相談することへの敷居を、もっと低くすること。親しみやすさの中にある、市民の身近な法律家としての芯の強さを感じた取材となりました。
事務所概要
- 名称
- あおば司法書士法人
- 資格者
- 代表 司法書士 渡辺 正臣
- 所在地
- 静岡県静岡市葵区両替町2丁目4-15
- 電話番号
- 050-7587-5222
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日 9:00～17:30 ※ご予約で土日祝日も相談可能
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 対応エリア
- 静岡県
- 所属
- 静岡県司法書士会：第667号
簡裁訴訟代理等認定番号：第601703号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート：会員
静岡法人会
静岡商工会議所
一般社団法人静岡成年会議所
- 事務所の特徴
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メールで相談する事務所情報掲載日：2024年3月21日
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