60年の歴史が可能にする、本当の課題解決につながる相続手続き
大阪府の守口市で60年以上にわたり、地域に根差した司法書士事務所として幅広いご相談に対応している西田司法書士事務所。代表を務める西田司法書士に、お客様と長いお付き合いを続けるために心がけていることや、相続の相談に向き合うこだわりについてお話しいただきました。
全体像を把握して、スムーズな手続きを実現する
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?
相続のご相談ですと、相続登記がほとんどですね。相続にあたって、不動産の名義を変更してほしい、というご相談です。
相続登記のご相談が多いということですが、相続登記が令和6年4月から義務化されることも影響しているのでしょうか?
義務化の影響は、結構あると思いますね。当事務所は古くからやっているので、昔に当事務所で登記した不動産について、最近になって相続登記の相談をいただく機会が増えてきています。不動産を購入したときの権利証を見て電話をかけていただく、といったパターンです。
相続登記のご相談に対応される際に、気を付けていることや心がけていることはありますか?
相続登記のご相談であっても、他に必要な手続きがないか確認をするようにしていますね。不動産の他にも相続財産がないか、マイナスの財産も含めて確認をさせていただく。
あとは、相続人全員の意志が統一しているかどうか確認することも重要ですね。司法書士は紛争になったときの代理人はできないので。それなので、相続人同士でトラブルにならないように、穏便に相続手続きを進めるために、「こういう風に話をした方がいいですよ」といったお話をしたり、資料を用意させていただいたり、ということをしています。
これまでご相談にお応えしてきた中で、印象に残っているお客様はいらっしゃいますか?
ご相談の数も多いので、特定のお客様を挙げるのは難しいですが、複雑化した相続のご相談は印象に残りますね。
複雑化した相続のご相談は、よくあるものなのですか?
ちょうど最近も、複雑化したものがありましたね。相続人が10人いらっしゃるのですが、そのうち1人が行方不明で。お母様がお亡くなりになって、お父様と兄弟姉妹と、行方不明になった方が相続人という手続きでした。
この状態で手続きをしてほしいというご相談だったのですが、お父様もご高齢だったので、「お父様がお亡くなりになったときの相続のことも考えた方がいいですよ」というお話をさせていただき、相続放棄をすることになりました。すると、その後すぐにお父様がお亡くなりになって。相続放棄しておいて良かったということなのですが、こういったご相談も割とよくいただいていますね。
長いお付き合いを続けていくために意識すること
古くからなさっている事務所というお話がありましたが、いつから現在の守口市に事務所を構えているのですか?
元々は父が地方でやっていた事務所がはじまりで、今の守口に来てから60年以上になりますね。
60年以上にわたって営業してきたからこそ、こんな相談に応えられる、というものはありますか?
先ほど少しお話ししましたが、昔に当事務所で登記させていただいたお客様からのご相談ですね。権利書や私の父の代にお渡しした書類を見て、相談にいらっしゃる。そうした長いお付き合いのお客様が多いので、ご相談をいただいた際には、司法書士の仕事かどうかにかかわらず、お話を伺うようにしています。
そこでもし司法書士にできない仕事であれば、その分野の専門家におつなぎさせていただく。弁護士の先生だったり、税理士の先生だったり。不動産を売りたいというので、不動産屋さんにおつなぎする、ということもありますね。
司法書士にできない仕事だからといってお断りするのではなく、対応できる専門家をご紹介されるということですね。他にもお客様への対応にあたって、西田先生の方で心がけていることはありますか?
連絡をマメに行う、ということは心がけていますね。ご依頼の進捗状況、途中経過をこまめに説明しながら手続きを進めていく。こまめな連絡によって、お客様と信頼関係を築いていくことを大切にしています。
「これくらい時間がかかりますよ」とご説明していたとしても、その期限までほったらかしにするのではなく、途中経過を説明した方がいいと思うんですね。お客様にとっては、はじめての手続きなので、「いまどうなっているんだろうか」と不安にならないように、こまめに連絡をして途中経過をお伝えするようにしています。
ご相談の際には、お客様が事務所にいらっしゃることが多いですか?
基本的には事務所に来ていただいてご相談ということが多いですが、時と場合によりますね。手続きを進めるうえで、お客様のところに伺った方がスムーズなこともありますので、できるだけフットワーク軽くご対応するようにしています。
最近も遺産分割協議書を作成して、相続人全員からハンコをいただくために、相続人を一人ひとり訪ねてまわったこともありましたね。相続人の中にがんを患っている方がいらっしゃって、早く手続きをしないといけなくて。郵便で相続人全員に書類をまわすと時間がかかってしまいますので、私の方で相続人の皆様を訪ねてまわって手続きを行いました。こうした臨機応変な対応ができるように、フットワークの軽さは大切にしています。
これまでお話しいただいたことの他に事務所の特徴を挙げるとすると、どのようなものが挙げられますか?
事務所として借金の問題、いわゆる過払い金の請求にも対応しているので、借金が絡む相続の手続きにまとめて対応できることは、当事務所の特徴かもしれません。
先ほどもお話ししましたが、相続のご相談をいただいた際には、マイナスの財産がないか確認をするんですね。亡くなった方が、キャッシングをしていたり、借金をかかえたりしていないか。もし借金をしていたことがあったら、それを返済したのはいつ頃なのか。このあたりは割と細かく確認をさせていただきます。もし過払い金があれば、相続人から過払い金の請求ができますので、そのサポートまでまとめて対応させていただく、ということですね。
過払い金を請求できれば、他の手続きの料金にもあてられるので、お客様は一銭も負担せずに手続きを依頼できます。手元に残るお金も増えるので、これが一番いいパターンだと思いますね。
次の世代に持ち越さないために、今できることを
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望として考えているものを教えていただけますか?
相続のセミナーや相談会ですかね。以前に相談会はやったことがあるのですが、そのときはあまり反響がよくなくて。ただ、相談会のニーズは増えてきていると感じているので、何か形をかえてやってみたいと考えています。弁護士や税理士といった他の士業の先生と一緒にやったり、不動産屋さんや保険屋さんと一緒にやったり。何らかの形で、相続のことを相談できる場を、事務所の外でできたらいいなと思います。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
ありきたりな言葉になってしまいますが、相続が発生したら早く手続きをした方がいいですよ、ということですね。相続の手続きは、放っておけば放っておくほど、煩雑になるものなので。放っておいているうちに相続人の中でどなたかがお亡くなりになると、その下の代に問題が持ち越される。相続人の数も増えていくので、話をまとめるのが難しくなります。下の代の人からすると、上の代の状況までは分からないわけですから。
こうした状況を打開するためにも相続登記の義務化がはじまりますので、相続の手続きが必要になる方は、できるだけ早く手続きをする。手続きのことが分からなければ、専門家に相談してみる。過去の相続で手続きをしておらず放置していたという方も、ぜひこの機会に専門家に相談をしてみていただきたいですね。
プロフィール
西田司法書士事務所
司法書士 西田 正雄
昭和26年:高知県生まれ
昭和48年:近畿大学法学部法律学科卒業、森司法書士事務所就職(大阪市北区)
昭和51年:西田司法書士事務所入所
昭和56年:司法書士試験合格、司法書士会登録
平成元年:西田司法書士事務所代表となる
平成19年:簡裁訴訟代理等関係業務認定資格取得
大阪司法書士会:第1241号
簡裁訴訟代理等認定番号:第612136号
取材を終えて感じた先生の人柄
お父様の代から60年以上にわたり、大阪府の守口市で地域に根差した司法書士事務所を営まれている西田先生。長く同じ地域で活動されているからこそ可能になる、過去に依頼をいただいたお客様との長いお付き合いを大切にされています。お客様からの依頼に対し、手続きの過程をこまめに連絡されたり、フットワーク軽く臨機応変な対応をされたりと、長いお付き合いに甘んじるのではなく、お客様から選ばれ続けるためのサービスを磨かれていることが印象的でした。
複雑化した相続の相談であっても「こんなケースもよくありますね」と言って、あっさり解決策や予防策を説明いただく西田先生の姿から、経験豊富な司法書士に相談できることの頼もしさを実感しました。そんな西田先生が相続に悩んでいる人へのメッセージとして挙げたのは、早いうちに手続きをしてしまうというシンプルなもの。次の世代に問題を持ち越さないためにも、今できる手続きを今やっておくことの大切さを感じた取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 西田司法書士事務所
- 資格者
- 代表 司法書士 西田 正雄
- 所在地
- 大阪府守口市豊秀町二丁目5番8号
- 電話番号
- 06-6992-6231
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日 9:00~18:00 ※ご予約で土日祝日も相談可能
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 対応エリア
- 大阪府を中心に全国対応
- 所属
- 大阪司法書士会:第1241号
簡裁訴訟代理等認定番号:第612136号
事務所情報掲載日:2024年2月20日
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