お客様の情緒や気持ちを大切にした、最善の提案をする
岡山県岡山市で相続登記や相続相談を中心に対応されている、司法書士つじ相続法務事務所の辻司法書士。「円満相続のコツは早めの行動」を提唱し、相談者の情緒や気持ちを大切にされている辻司法書士に、対応で心がけていることについてお話しいただきました。
事務所名に「相続」を入れるほど、相続対応を大切にしている
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?
相続の中でも、相続登記に関したご相談が多いです。
たとえば、ご主人が亡くなったから名義変更したいといったお客様や、相続登記をしたいのに相続人が行方不明といったお客様などご相談内容は十人十色です。「何からはじめればいいか分からない」といった状態でご相談に来られる方もいらっしゃいますね。
他には、相続人が県外にいて連絡がとれないなど、複雑なご相談も増えています。
相続発生前に来られる方と、相続が発生してから来られる方では、どちらが多いですか?
相続が発生してから来られる方が8割、9割で圧倒的に多いです。やはり実際にご家族が亡くなって相続が発生しないと、相続人は分からないので、亡くなるまで対策を取らなかった方が多いと感じています。
我々の業界全体のアピール不足なのかもしれませんが、何かが起こってからでないと動けない方が多いようです。起きてからの相談ですと、できることが少なくなってしまいますので、早めにご相談いただくことが大切です。
事務所名にも「相続」とありますが、以前から相続専門として力を入れているのですか?
開業してちょうど3年になりますが、「相続」を事務所名に入れたのは2年くらい前になります。
司法書士として相続が好きで、相続を中心に関わりたいという思いから、「相続」という言葉を事務所名に加えました。
それまでは「辻司法書士事務所」という一般的な名前でしたが、「事務所のイメージが湧かない」、「何が得意な事務所か分からない」ありふれた名前だと感じていました。「相続」を加えるだけだと、「司法書士辻相続事務所」と漢字が続いてしまうので、名字をひらがなに変えて「司法書士つじ相続法務事務所」にしたのです。
お客様の問題に寄り添い、最善のご提案をする
お客様への対応について、心がけていることを教えてください。
お客様の「情緒」を大切にし、自然な言葉を引き出せるよう、「傾聴」することを心がけています。また、私の質問に対して気軽に話せる雰囲気づくりにも気を使っています。特に専門的な用語は、お客様にイメージしやすいように噛み砕いて簡単な言葉に置き換えたり、たとえ話も加えたりしながらお伝えします。
私自身、あまり話すことが得意な方ではないので、聴くことを大事にしています。質問するのに私が2喋り、お客様が8くらい話してくれるような割合で会話することを意識してます。
「専門家」という響きだけでもハードルが上がって、気軽に話すことが難しい場合もありますね。
そうですね。お客様にとって適切な提案をするには、相続の状況について少しでも多くの情報を教えていただく必要があります。しかし、我々司法書士に相談することに対して、敷居が高いと感じる方も多くいらっしゃいます。
ですので、より多くの情報をお話しいただくには、専門家として上から目線で話すのではなく、フラットな関係性を築きながらお話しするようにしています。そうすることで、単に事務的に手続きをして終わりではなく、お客様の抱えている問題に寄り添った最善のご提案ができると考えています。
相続は、人の生き方や歴史に触れる
先ほど、相続が好きだとおっしゃっていましたが、どのようなところがお好きですか?
手続きを進める中で戸籍を通して、被相続人やそのご家族の生き方や歴史を知れたり、それをお伝えして喜んでもらえたりすることですね。
戸籍では、被相続人が生まれてから亡くなるまでの、その方がどの様に生きていたのかなどさまざまなことが分かります。中には若くして亡くなっている方もいます。戦時中だと台湾や満州で生まれた方が戸籍に載っていることもあり、いつ日本に来たのかといった事柄が詳細に知れるため、それぞれどういう気持ちだったのかと思いを馳せながら拝見します。
また、戸籍に載っている方はお客様の先祖にあたりますが、知らない方が戸籍に載っていたりご自身のルーツを知ったり、意外な発見があるようです。普段は戸籍をみる機会がないお客様に説明して差し上げると、喜ばれることが多いです。
相続は、たくさんの人の歴史や生き方に触れられると感じるので、そういうところが好きですね。
印象に残っているお客様のご相談はありますか?
相続人が多く全国各地に散らばっていて、相続人同士で顔も見たことがないという案件が、印象に残っています。
全国各地に相続人は20~30人弱いて、お互いの存在すら知らないほど距離や間柄が離れている状態でした。状況が複雑で、時間と手間がかかる事例なので他の司法書士事務所に断られてしまい、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
「相続人が多い」、「相続人同士で顔も見たことがない」、「相続人が県外に散らばっている」などは組み合わさると、時間がかかり手続きが大変になります。
このような複雑なご相談は、私自身もとても勉強になりますし、解決できるとお客様やご紹介してくださった方から非常に感謝されて嬉しい気持ちになりますね。
一人で悩まず、司法書士を活用してほしい
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望を教えていただけますか?
今後力を入れていきたいことは、地域の方に向けての相続セミナーです。相続の中でも「認知症による資産凍結」に関するテーマに力を入れていきたいと考えています。
認知症になってしまうと、資産が凍結してしまうリスクがあります。地域のコミュニティセンターで、認知症と相続についての情報提供や注意喚起をする計画です。こういったセミナーを継続して開催することで、地域貢献をすることがひとつの目標ですね。
相続に関わる中でも、セミナーで認知症の分野を選ばれた理由は何ですか?
相続については、いつかは亡くなると分かっているけど少し先の将来として、今ひとつピンとこない方がとても多い印象です。
想像しづらい相続よりも、数年先の認知症になる不安の方がより身近に感じる方が多いようなので、相続のことを考える第一歩として認知症をテーマに選びました。
認知症になると資産が凍結してしまうことを知って、驚かれる方は非常に多いです。「対策はどうするのか」、「遺言書はどうするか」など、認知症になった先の相続を考えるきっかけにしていただきたいと思っています。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
私はご相談にいらっしゃった方に対して、「司法書士をどんどん活用してほしい」とお伝えしています。
司法書士に初めて相談するときは、敷居が高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、一人で悩まないでまずは電話をしてほしいです。相談だけでも大丈夫なので、気軽に相談していただければ、お客様がより良い将来を迎えられるようにお手伝いをします。
早期の相続問題の解決には、私が提唱する「円満相続のコツは、早めの行動」が大切です。もし相続のお悩みを抱えていたり、分からないことや知りたいことがあったら、お近くの司法書士に相談してみてください。
プロフィール
司法書士つじ相続法務事務所
代表司法書士 辻 徹
平成19年:司法書士登録。司法書士事務所にて主に相続、遺言、成年後見、不動産の登記に関する業務担当者として勤務
平成27年:行政書士登録
令和2年:独立
岡山県司法書士会:第701号
簡裁訴訟代理等認定番号:第624053 号
一般社団法人 相続・事業承継コンサルティング協会
取材を終えて感じた先生の人柄
地元岡山で、地域に根ざし生前対策から相続登記まで、幅広い相談に対応している辻司法書士。地域の方に向けた相続セミナーの開催や情報提供など、地域貢献にも力を入れられています。
取材班にも、柔らかい口調と優しい笑顔で対応いただき、お客様の気持ちを大切にされる人柄が伝わってきました。「生まれ育った岡山の地元以外で開業する発想はなかった」と、力強くおっしゃったことが印象的で、優しさと頼もしさの両方を兼ね備えた先生だと感じます。
そんな辻先生に「司法書士をどんどん活用してほしい」と言っていただけることは、とても心強いと実感する取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 司法書士つじ相続法務事務所
- 資格者
- 代表 司法書士 辻 徹
- 所在地
- 岡山県岡山市南区西市146-30
- 電話番号
- 050-7587-1335
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 9:00~18:00 ※ご連絡いただければ時間外でも対応可能
- 定休日
- 日曜日・祝日 ※事前のご連絡で定休日も対応可能
- 対応エリア
- 岡山県
- 所属
- 岡山県司法書士会:第701号
簡裁訴訟代理等認定番号:第624053 号
一般社団法人 相続・事業承継コンサルティング協会
- 事務所の特徴
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メールで相談する事務所情報掲載日:2023年12月6日
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