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神奈川県三浦郡

はやま司法書士・行政書士事務所

INTERVEW

地域に根差し、困りごとを気軽に話せる専門家でありたい

はやま司法書士・行政書士事務所_癸生川典夫司法書士_インタビュー

神奈川県の葉山で地域に根差した相続相談に対応している、はやま司法書士・行政書士事務所。不動産の所有者が多いという土地柄にあわせた業務や、司法書士に加えてファイナンシャルプランナーの視点からも行う相続対策など、お客様のニーズと向き合うこだわりを、代表の癸生川司法書士に伺いました。

葉山で気軽に相談できる、身近な相続の専門家

まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?

相続のご相談ですと、相続登記が多いですね。令和6年4月から相続登記が義務化されることもあって、「相続登記しないといけないと聞いたのですけど…」というご相談が増えています。

葉山という土地柄の影響もあるのか、相続した遺産に不動産が含まれる方が多いので、相続登記のご相談を多くいただいています。

相談にいらっしゃるのは、葉山の方々がメインですか?

そうですね。相談にいらっしゃる方の大半が葉山の方です。

私は平成30年に開業したのですが、それまで葉山には相続の相談ができる専門家がほとんどいなかったようなのです。専門家に相続の相談をしようと思ったら、逗子や横須賀まで行かないといけなかった。

そんな中で葉山に事務所を構えることができたので、「葉山で相談できるんだったら」という方に、相談にいらしていただいています。葉山の人は葉山が大好きな方が多いので、「葉山で相談できる」ということが、選んでいただく理由になっているようです。

私も葉山の皆さんの期待に応えられるように、困りごとを気軽に相談できる、身近な専門家でありたいなと思っています。

思ったことを思ったように話してもらう環境づくり

不動産を相続される方が多いということですが、他に葉山のお客様ならではの特徴のようなものはありますか?

お客様のお人柄ですね。なんというか、皆さんとても話しやすいですね。

私の相談スタイルによるところもあるかもしれないですが、世間話をしたり、お茶を飲んだりして、緊張がほぐれた状態で相続の話ができていると思います。家族のことや相続のことを、ざっくばらんにお話しさせていただけるお客様が多いですね。

相談スタイルの話がありましたが、お客様との相談で意識していることや、気を付けていることはありますか?

お客様が笑ってから本題に入る、ということを意識してやっていますね。

ほとんどのお客様にとって、司法書士に相談するのは初めてのことなので、最初は皆さん緊張されます。そこで私は、世間話をしたり冗談を言ったりして、お客様が笑ってから本題に入るようにしています。緊張が解けて、思ったことを思ったようにお話しいただけるようになってから、核心の部分を話しはじめるというスタイルですね。

葉山の方々は皆さんとても話しやすい人柄なので、私としてもこのスタイルがやりやすく、いい環境で仕事をさせていただいていると思っています。

はやま司法書士・行政書士事務所_癸生川典夫司法書士_01

簡単な遺言書ひとつでも、家族を助けることがある

お客様と親密な関係性を築かれていると感じたのですが、特に印象に残っているお客様とのエピソードはありますか?

遺言の作成をアドバイスさせていただいた、あるご家族のことが印象に残っています。

そのご家族はお父様がすでに亡くなっていて、お母様も体調が優れず施設に入られていました。ご子息が2人いらっしゃったのですが、お兄様は認知に関する病を患っていて、弟様がお母様とお兄様のお世話をされているという状態でした。

もしこの状態でお母様が亡くなってしまうと、お母様の遺産を兄弟で分けることになりますが、お兄様は認知の問題で相続した遺産を使うことができなくなります。お母様の遺産の半分が、動かせない財産になってしまうんですね。

認知機能に問題があると、財産を移動させられなくなるということですね。

そうです。こうしたリスクをお話しして、弟様に遺産を相続させるように遺言書を作成しませんかとアドバイスさせていただきました。

そして簡単な遺言書を書いていただいたのですが、その後容態が急変して、お母様が亡くなってしまったのです。本当に突然のことだったので、ご家族にとっては大変なこともあったかと思いますが、遺言書を作成しておいたことはものすごく感謝されました。

もし遺言書がなければ、遺産の半分が死に財産のようになっていたので、まったく違う未来になっていたはずです。弟様が相続されて、お兄様のお世話も続けられるので、ご家族にとって良い形で財産を受け継ぐことができたのではないかと思います。

効果的なアドバイスができた背景には、どのような要因があると思いますか?

ご家族全体の話をざっくばらんに聞いていたことが、今回のアドバイスにつながったと思います。

こちらのご家族とは、お父様が亡くなったときの相続から、お付き合いがはじまっていました。当時からお父様のことだけでなく、ご家族全体のことをお話しいただいていたおかげで、「将来こういうリスクがあるので、こういう対策をしたらどうでしょう」というご提案ができました。

信頼してお話しいただける関係性を築くことに加え、その時だけのことではなく周辺のことを聞くようにしていることが、良い結果につながったのだと思います。

周辺のことを聞くというのも、意識して行っていることですか?

そうですね。お客様に何かを提案するであったり、答えを導き出したりするためには、この周辺のことが大事なのです。

プロとして確信があれば、ピンポイントに話を聞いて答えを出せるかもしれませんが、見落としのリスクがあるのです。相続は領域が広いですし、人によって状況が異なるので、どうしても何か見落としが出てしまう。

それを防ぐためにも周辺のことを聞かせていただくのですが、10回に1回とか、20回に1回は、「このままだと最適な提案じゃないな」というものが出てしまいます。それを最適な提案にするために、周辺のことまで含めて聞かせていただくように意識していますね。

多角的な視点から検討し、最適な対策を導き出す

今後の展望として、これから力を入れていきたいことはありますか?

相続の事前対策に力を入れていきたいですね。

相続が起きてしまった後だと、どうしてもできることは限られてしまいます。もちろん、できることの中から最善策をご提案するよう心がけていますが、それでも限界はあります。

相続税を減らすであったり、揉めごとが起きないように、起きてしまっても最小限に抑えられるようにするであったり。相続が起きる前だと、こういった対策をとることができます。

先ほどお話ししたご家族もそうでしたが、遺言書など対策をしておいた方が良いケースは、よくあるものです。これは、財産が多い・少ない、相続人の仲が良い・悪いといったことだけで判断できるものではありませんので、お客様の状況に応じて「こういう対策をしておいた方が良いですよ」といったお声かけをするようにしています。

相続対策をご提案する際に、心がけていることはありますか?

相続のことに加えて、数字のことをよく見るようにしていますね。これは、私が司法書士に加えて、ファイナンシャルプランナーの資格も持っていることが関係しています。

相続対策を考えるにあたって、「相続税がどうなるか」ということはとても重要です。相続税が発生するのかどうか、発生するなら税額を抑えることはできないか、といったことを踏まえて対策をたてなければなりません。

しかし相続税は税理士の業務領域なので、手続きは税理士にお願いする必要があります。私が力を入れているのは、その分岐点での対策ですね。

たとえば遺言書を作成するとして、「お客様の希望通りに遺言書を作成すると、税金面で不利になる」ということが起こりうります。ここでただお客様の希望にあわせるのではなく、「税金面を考えると、こういう選択もありますよ」といった提案をするようにしています。

ファイナンシャルプランナーとしての知見も活かして、数字の面からもアドバイスをされるということですね。

そうですね。必ずしもお客様の希望が、数字の面でも最適になるとは限らないので、「こういう選択もありますよ」という提案まで行うようにしています。

もちろん最終的に決めるのはお客様ですが、選択肢を提案して理由を説明し、納得いただいた方法で進めるようにしています。こうした数字の面は、ファイナンシャルプランナーの知識が活きていると思いますね。

あとは司法書士として、社会の円滑化に寄与する役割を果たしたいと思っています。

社会の円滑化に寄与とは、どういったものか詳しく聞かせていただけますか?

最近特に必要性を感じているのが、預貯金や株式の名義変更です。

よくお客様から、「預貯金の名義変更はできますか?」「株式や証券の名義変更はお願いできますか?」というご質問をいただくのですが、これは司法書士として当たり前にできる業務なのです。

でも、司法書士に依頼できることを知らない人が多い。そして、こうした手続きを自分でやろうとして、苦労される方が増えてきていると感じています。

最近は金融機関も業務効率化を図っているからか、ご高齢の方が一人で手続きしようとすると、難色を示すことが増えてきているんですね。80代にもなると、自分だけでできる手続きが限られてくるので、私のような者が間に入って手続きをサポートする必要が出てくる。

そこで間に入ってうまくつないであげることができれば、お互いにとって良いことですし、これは社会の円滑化に寄与するんじゃないかと思うのです。

それなので、特にご高齢の方からご相談をいただいた際には、金融機関の名義変更が必要にならないか確認をとりますし、司法書士に依頼できる手続きであることをご案内するようにしています。

気軽に電話をするだけで、解決できる悩みもある

最後に、相続に悩まれている方や、専門家に相談するか迷っている方にメッセージをお願いします。

あまり堅苦しく考えず、お気軽に電話をかけてみてください、とお伝えしたいですね。電話だけで解決できる場合もありますし、お悩みを話していただくだけで有効な対策をお伝えできることもありますので。

葉山の皆さんにとって、身近で気軽に相続の話ができる場でありたいと思っていますので、とりあえずのつもりでご相談いただければと思います。

取材を終えて感じた先生の人柄

地域に根ざして、生前の対策から相談に対応している癸生川司法書士。「葉山で相続の相談をするならこの先生」という、身近で頼りになる先生です。

葉山に移住して開業された癸生川司法書士ですが、葉山で愛されるために、葉山の人のためにできることを、とことん突き詰めているという印象を受けました。

「葉山は車社会だけど、意外と無料で車を停められるところが少ないので、無料の駐車場を用意しています」「葉山の不動産は古い名義が残っているものが多いので、数十年前まで遡った手続きにも対応できるようにしています」

葉山のことを熟知し、葉山の人のためにできることを熱く語る姿勢に、地域に根差した専門家のあるべき姿を見た取材でした。

事務所概要

名称
はやま司法書士・行政書士事務所
資格者
代表 司法書士・行政書士 癸生川 典夫
所在地
神奈川県三浦郡葉山町堀内1177-46
電話番号
046-890-6397

※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです

営業時間
月・金曜日 9:00~19:00
火・木・土曜日 9:00~16:30
※ご予約で休業日や時間外も対応可能
定休日
水曜日・日曜日・祝日
対応エリア
葉山町、逗子市、横須賀市、三浦市を中心に、ご相談に応じて神奈川県内
所属
神奈川県司法書士会:第2277号
神奈川県行政書士会:第5545号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員

事務所情報掲載日:2023年11月10日

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