多角的な視点からのアドバイスで、相続に悩む人たちの助けになる
神奈川県横浜市で相続・終活・後見業務を中心としたサービスを提供されている、司法書士 星 法務事務所。代表の星司法書士は、地方公務員を30年間勤めたのち、もっと身近な方のお役に立ちたいと司法書士へと転身されたご経歴の持ち主です。身近な街の法律家としてお悩みを解決することを大切にされている星先生に、お客様に寄り添う対応スタイルや、相談しやすい環境づくりへのこだわりについてお話しいただきました。
どんな手続きも地道に進めて、最後までやり遂げる
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような方々が相談にいらっしゃっていますか?
相続の手続きをどのように進めればいいのか分からずに、ご相談にいらっしゃるという方が多いですね。相続の入り口でつまずいてしまって、専門家の力を借りたいという方です。他には、基本的な手続きはご自身で完了されているけれど、事情があって自分ではできない複雑な手続きの必要があってご相談に来られる、という方もいらっしゃいますね。
では、相続の入り口でつまずいている方へのご対応について伺いたいと思います。そうした方からのご相談に応える際に、心がけていることはありますか?
当たり前かもしれませんが、難しい専門用語は使わないようにすること。お客様が分かりやすいように、丁寧に説明することを心がけていますね。ゆっくり時間をかけて説明するよう気を付けて、とにかくお客様に理解していただくことを第一に考えています。
続いて、複雑な手続きについてもお伺いします。これまでに解決した複雑な手続きの中で、印象に残っているものについてお話しいただけますか?
相続人が20人ほどいらっしゃって話がまとまらず、最終的に裁判所で調停まで行った件があったのですが、これは印象に残っていますね。ご兄弟がたくさんいらっしゃるので相続人の数も多く、お客様の方では対応しきれないということで、ご相談をいただきました。
ご依頼をお受けして2~3か月かけて戸籍を集め、ようやく遺産の分け方を遺産分割協議書にまとめる段階までたどり着いたのですが、お一人だけどうしても遺産分割協議書に同意してくださらない方がいらっしゃったのです。なかなかお客様との話し合いにも応じていただけず、なんとか連絡が取れてその場では納得いただいても、書類をお送りすると「やっぱりやめます」となって手続きが進められない。
最終的には裁判所で調停まで行って遺産を分けたのですが、解決まで1年以上かかりました。複雑な事情が絡んでいたこともあって、このご相談のことはとても印象に残っています。
解決まで1年以上もお客様をサポートしてこられたことから、星先生は大変な仕事も最後までやり遂げるタイプだと感じましたが、いかがでしょうか。
そうですね。私は司法書士になる前に役所勤めをしていたのですが、そこで地道に業務をやり遂げてきた経験が活きているのかもしれません。どんなご依頼でも、私から投げ出すことはないなと思っています。お客様から「もうここまでで良いですよ」と言われる可能性はありますが、私の方から途中でやめてしまうことはないでしょう。ひとつずつ地道に進めていくことは、ずっと役所でやってきたことなので、そのような積み重ねが今の業務に活かされているのかなと思いますね。
お客様のために、提供できるサービスを磨き続ける
何名様体制で事務所を運営されているのですか?
私の他に事務スタッフが1名の、合計2名で運営しています。お客様のご対応は、すべて私が行うようにしていますね。
事務所として相続・終活・後見の業務に注力されているということですが、これらの中で特に力を入れている分野はありますか?
後見の分野ですね。特に成年後見業務に力を入れています。一般的な司法書士の業務は不動産の登記がメインなのですが、私は認知症の方や障がいをお持ちの方の助けになることができる成年後見業務にやりがいを感じていて。以前に勤務していた司法書士事務所から独立開業したのも、成年後見業務に注力したいということがきっかけになっています。
先生はファイナンシャルプランナーの資格もお持ちとのことですが、どのような経緯で資格を取得されて、業務に取り入れるようになったのですか?
相続のご相談にいらっしゃるお客様の心配事で多いのが、相続税についてです。「このような場合、相続税はかかりますか?」といったご質問をいただく機会も多く、そうしたご質問には司法書士の視点で分かる範囲でお答えしていたのですが、そのうち相続税をはじめとした税全般についてしっかりした知識を身につけたいと考えるようになりました。そこでファイナンシャルプランナーの資格と出会ったという流れです。
ファイナンシャルプランナーの資格を活かした生前対策として、こんな提案をしたいと考えているものはありますか?
一番私の考えとマッチしていると思っているのが、遺贈寄付です。これは、ご自身が亡くなった後に遺産を公益法人や自治体、NPO法人などの公益団体に寄付することができる制度なんです。遺言書に「この団体に寄付します」ということを残しておくと、相続税対策にもなり、ご自身が支援したいと考えた団体に寄付することができます。まだまだこの制度のことをご存じでない方も多いので、司法書士とファイナンシャルプランナーの知識を活かして丁寧に説明し、ご理解いただいたうえで手続きいただける方を増やしていきたいと考えています。
もし遺言書を作る方がいらっしゃれば少し考えていただきたいのですが、遺贈寄付の額は、そんなに大きくなくても大丈夫です。10万円という単位でも、寄付先の団体の方々からすごく喜んでいただけますし、そのように感謝されることで相続人の方にも喜んでいただけるので。「困っている誰かのために財産を有効に使ってもらう」という生前対策を広めるために、少しでも力になることができればいいなと思っています。
震災支援をきっかけに、公務員から司法書士に転身
役所に勤務されていたというお話がありましたが、どのような職種に携わっていたのでしょうか?
一般事務職ですね。神奈川県庁に30年ほど勤務していました。
地道にやり遂げる面が今の業務に活かされているということでしたが、ほかにも30年間の勤務経験が活きていると感じるものがあれば教えていただけますか?
新しい分野の業務に、抵抗なく取り組むことができるということですね。県庁の仕事は、3年程度で部署が異動になるんです。これまで取り組んでいた業務とはまったく別の部署に異動することもありますので、はじめての業務にもすぐに順応しないといけない。そういう経験が何度もありました。
司法書士の仕事でも、「この手続きは経験したことがないけれど、お客様のためにはやった方がいい」ということはよくあります。先ほど印象に残っているとお話ししたケースも、私にとって初めて裁判所で調停を経験した件だったのですが、あまり抵抗なく業務を進められましたね。事務職を経験していることもあって、「こういう書類を出して、こういった手続きをして…」というようなものはイメージができるので。公務員と司法書士において、何かを調べて、書類を作って、手続きするという業務の流れに大きな変わりはないのかなと思っています。
役所での勤務から司法書士を目指されたのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
平成23年の東日本大震災で、被災者の方々の支援をさせていただいたことがきっかけですね。神奈川県庁として被災地へ応援に行くメンバーを募集していたのですが、私もそれに応募しまして、1〜2週間ほど宮城県の石巻市に派遣されて避難所の入所調整に従事することになりました。そこで住民の方との関わりを多く持ったことが新鮮で。こんなに必要とされるのなら、いろんな人と関わる仕事もいいのかな、と感じたんです。
県庁の業務は内部調整が多く、市民の方と触れ合う機会も少なかったので、これまでは市民の方との直接的な関わりがあまりありませんでした。そんな中で被災地で住民の方々と関わりをもった際に、私の中で「もっと身近な人を助けたい、支援したい」という気持ちが生まれたんです。そこから司法書士を目指して勉強をはじめ、資格を取得したという経緯です。
30年も勤められた職場を離れることに、迷いはありませんでしたか?
司法書士試験を受験することに迷いはありませんでしたが、退職して司法書士になるときには迷いましたね。公務員として給与も保証されていましたし、家族のこともありましたので。それでも最後は「やりたいことをやろう」と考えて、試験に合格した年度で退職し、ご縁のあった司法書士事務所に勤務させていただくことになりました。
その事務所は雰囲気もすごく良くて、司法書士としてもかなり自由に勤務させていただいていたのですが、先ほどお話しさせていただいたように成年後見業務に注力したいと考えて、独立開業をさせていただきました。その事務所では他の業務もあったので、成年後見の業務に注力するのが難しい面があったんです。
今は成年後見に力を入れつつ、相続全般のご相談にも対応しているのですが、自分のやりたいようにできているので、独立して良かったと思っています。現在もお世話になった事務所から声をかけていただいて仕事をさせていただくこともあり、良い関係が続いているのもありがたいですね。
これまで蓄積してきた経験を、多くの人に還元する
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望として考えているものを教えていただけますか?
無料の市民相談をできないかなと考えています。私が蓄えてきた相続や成年後見、ファイナンシャルプランナーの知識・経験を、無料で役立てることができたらいいなと思っていて。今はどのような形で開催できるかを模索しているところですね。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
「お悩みごとがあれば、まずは、お気軽にご相談ください。一緒によりよい解決方法を探しましょう」ということですね。これが、私の1番伝えたいことです。ひとりでは解決できないものも、ご相談いただければ、少なくとも解決に向けた方向性が見えてくるものなので。
私は、皆さんにとって身近な街の法律家であり、お悩みごとを解決するお手伝いができる司法書士を目指しています。これまでも司法書士として、相続や成年後見だけでなく、不動産登記や商業登記などさまざまな実務経験を積んできました。ファイナンシャルプランナーの資格も取得していますので、税金やお金に関するアドバイスもできます。相続にお悩みの方はひとりで抱え込まず、迷わずご相談いただければと思います。
プロフィール
司法書士 星 法務事務所
司法書士 星 文彦
平成元年:地方公務員として勤務、災害対応業務、保育園の指導などの業務に従事
令和元年:司法書士試験合格
令和2年:司法書士法人に勤務、相続登記・不動産登記・商業登記・成年後見などの経験を積む
令和5年:ファイナンシャルプランナー資格(CFP®)取得、司法書士 星 法務事務所開業
神奈川県司法書士会:第2393号
簡易訴訟認定番号:第1901140号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
特定非営利活動法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会:会員
取材を終えて感じた先生の人柄
30年にわたって神奈川県庁に勤務されたのち、もっと身近な人の助けになりたいと司法書士に転身された星文彦司法書士。東日本大震災の際に被災地へ応援に行かれ、そこで被災された方々と関わったことから司法書士を目指されたというお話から、人とのふれあいを大切にする、人が好きな方だと感じました。
どんな仕事も最後までやり遂げる責任感と、新しいことも恐れずに挑戦されるチャレンジ精神を併せ持ち、さらに自身の知見を無料で市民に還元されようとしている。星先生が目指されている「身近な街の法律家」の強さと優しさを感じた取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 司法書士 星 法務事務所
- 資格者
- 代表 司法書士 星 文彦
- 所在地
- 神奈川県横浜市中区常盤町3丁目24 サンビル8階 司法書士 星 法務事務所
- 電話番号
- 050-7586-7800
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日・土曜日 9:00~18:00
- 定休日
- 日曜日・祝日・年末年始(12月29日から1月3日)
- 対応エリア
- 神奈川県横浜市・川崎市・横須賀市、藤沢市を中心とした湘南地域
※お電話で対応可能であれば全国どこでも対応可能
- 所属
- 神奈川県司法書士会:第2393号
簡易訴訟認定番号:第1901140号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
特定非営利活動法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会:会員
- 事務所の特徴
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