お客様の立場になり、お気持ちに寄り添いベストを尽くす
千葉県柏市で開業してから21年。相続関係の手続きに特化されている小川司法書士事務所では、経験豊富な司法書士がさまざまな相談に対応しています。とりわけ、家族間の契約に基づいて財産管理をする「家族信託」に関して、多くの実績をお持ちです。残された家族の幸せを第一に考える小川直孝先生に、お話を伺いました。
どんなお悩みも、とにかくよく聞き受け止める
まずはお客様について伺います。 どのような状況で相談にいらっしゃる方が多いのですか?
生前対策に積極的で、相続の知識をある程度ご自分で調べて来られる方もいらっしゃいます。でも、それ以上に「何から手をつけていいのか全く分からない」という方が多いですね。
配偶者やご親族がお亡くなりになって、すぐにご相談に来られる方も結構いらっしゃいます。 葬儀会社を手配して、その直後に当事務所にご連絡をいただいて、「死亡届は出したけれど、あとは何をすれば良いのでしょうか」と相談にいらっしゃるケースですね。
実際には、死亡届を出してから戸籍に反映されるまでに、2〜3週間かかりますので、それまでは司法書士として実務的なサービスを何も提供できないのですが、そういったタイミングでご相談に来られた場合でも、ご相談をお受けするようにしています。お客様のお話に耳を傾けつつ、まずは落ち着いていただけるように「そんなに急がなくても大丈夫ですよ」と、お声掛けをします。そして1か月ぐらい経ってから、改めて実際の手続きの相談に来られるということもありますね。
実際に手続きに着手する段階では、どのようなことに気を付けていますか?
お客様の状況をなるべく広く聞くように心がける、ということですね。相続の問題というものは、多岐にわたります。たとえば、不動産の売却や相続税の申告などは、司法書士の力だけでは手続きを完了することができません。ほかにも相続の状況によっては、弁護士への相談が必要になることもあります。
そのため、お客様のケースに応じて、「司法書士にできること」と「ほかの専門家に依頼したほうがいいこと」を整理してご説明するようにしています。さらに、解決のために「信頼できる税理士や弁護士の先生をご紹介できますよ」とお伝えすると、お客様には安心していただけますね。
事務所として力を入れている業務や取り組みを教えていただけますか?
当事務所では、家族信託に力を入れています。また、相続登記のお手伝いや遺言書の作成はもちろんですが、意外と知られていないものとして、「預貯金の解約サービスもお任せいただけますよ」とご案内させていただくことが多いですね。
あとは、お一人暮らしをされている方に向けたサービスである、死後事務委任契約ですね。これは、ご本人が亡くなった後、葬儀・納骨・埋葬に伴う事務などの死後事務をお引き受けするという契約です。高齢化の時代ですので、いざというときの心配を少しでも軽減できるように尽力しています。どんな些細な心配ごとでも構わないので、ご相談いただきたいですね。
家族信託で円満な財産管理をサポート
生前対策を検討されている方へのご対応で、気を付けていることはありますか?
先ほどお話しさせていただいたように、生前対策を検討されている方の中には、相続の知識をご自分で調べて相談に来られる方もいらっしゃいます。しかしそうした方でもお話を伺ってみると、調べて得た知識や情報が偏っていたり、不足していたりすることが多いんです。それくらい、相続の法律や仕組みというのは複雑なものなので。
ただ、ご自身で積極的に調べるということは、やりたい方向があるということなんですよね。なので、お客様のご希望を実現できるように、お考えをよく伺って現実的な解決方法をお伝えするようにしています。「こうした方がいいですよ」と方針を決めて提案するのではなく、最終的にお客様が納得できる選択ができるよう、可能な限り解決への選択肢を増やすようなイメージですね。
家族信託に力を入れているということですが、どのような経緯で力を入れて扱うようになったのでしょうか?
家族信託に取り組みはじめたのは、平成12年頃からですね。ちょうどその頃、認知症の方の支援をする仕事をしていて、成年後見に取り組んでいたのですが、その中で、認知症の方が無断で後見人に株や不動産を売られるといった、トラブルに遭うケースを見るようになってきたんです。
そのときに、家族信託という仕組みがあることを知り、「この仕組みであれば成年後見のトラブルを避けられる」と思って深く勉強しようと決意しました。財産管理をご家族が担うことができ、かつ、ご本人の生前に財産の処分や管理ができるところに魅力を感じました。
成年後見が悪い制度と言っているわけではありません。ただ、親御様の財産管理や身の回りのお世話をしていく1つの選択肢として、家族信託もお客様に提供できるようにしたい、という考えです。時代の移り変わりとともに家族の形も多様化しているので、今も継続して家族信託や新しい制度の勉強を続けています。
家族信託に力を入れる中で、やりがいを感じるのはどんなときですか?
はじめのうちは無我夢中で取り組むだけだったのですが、仕事を重ねていくと「人のために役に立っている」という実感が湧いてきて、それが一番のやりがいになっています。
市役所の福祉課の方や、地域包括支援センターなどとのやり取りも生まれて、仕事の幅も広がっていきました。「お客様やそのご家族に喜んでいただけるんだ、司法書士ってこんな仕事もできるんだ」という発見もあり、自分としても世界が広がった感じがしましたね。
お客様の立場に立ち、信頼を得られる存在に
小川司法書士事務所の特徴は、どのようなところにありますか?
やはり一番は、夜8時まで営業していることと、土日も対応していることですね。「6時以降なら仕事帰りに行ける」という方もいらっしゃいますし、東京都内にお勤めの方だと「平日は行けないので土日に相談したい」という方も多いので。
私はこの事務所を開業する前に、東京都内の司法書士事務所に6年間勤めていたのですが、その事務所は土日に営業をしていませんでした。しかし私は、「お客様の目線で考えると、土日に相談したい方は絶対にいらっしゃるだろう」と思っていましたので、開業する際には土日や平日の仕事帰りにも相談しやすい事務所にしたいと考えていたんです。
お客様からも、「土日が使えるから、助かります」というお声をいただきますので、便利に感じていただけているんじゃないかと思います。
そのほかに、勤務時代の経験を活かしていることはありますか?
司法書士というのは、専門家の業界でありますので、視点やものごとの捉え方が閉鎖的になりがちな面があります。法律の知識や専門用語も、お堅くて複雑な印象を与えてしまいがちですよね。また職業柄、お客様からは頼られて、さまざまな助言をしていくことが多い立場でもあります。
それなので、横柄な態度にならないようにしたり、難しいことは分かりやすく噛み砕いてお伝えしたりと、相手の立場に立つことを忘れないように心がけています。勤務時代に多くの相談に対応してきたことで、そういった視点を持てるようになったと感じています。
ご相談にいらっしゃる方は、事務所のある柏市の方が多いですか?
事務所のある柏市を中心に、我孫子市・流山市・松戸市にお住まいの方からよくご相談をいただきます。茨城県の取手市やその周辺の方からも、お問い合わせをいただくことがありますね。
それと最近多いのは、親御様が柏市にいらっしゃって、ご子息が東京都内にお住まいというケースです。ご実家に来たついでに、ちょっと相談に行きたいというニーズですね。あとは、オンラインでの相談にも対応しており、本人確認が必要な手続きもオンラインで完結できるようになっているので、 お住まいの場所が関係なくなってきている印象がありますね。
全体の割合としては、事務所に足を運んでいただくケースがほとんどですが、ご高齢の方やお身体の調子が悪くご来所いただくことが難しい方のところへは、出張での対応もしています。東京都内に行くこともありますので、ご希望があればまずはご相談いただきたいです。
柏市とその周辺からのご相談が多いとのことですが、その地域ならではのお悩みというものはあるのでしょうか?
最近特に増えているのが、「相続したものの住まない家」についてのご相談ですね。特にこのあたりですと、いまは柏市にお住まいですが、ご実家が外房だったり、九十九里だったりという方も多くいらっしゃいます。そうした方々がご実家を相続することになると、相続登記をしなければなりませんが、住む予定がないので登記後に売りたいということになるわけです。
中には、「親がバブルのころに価格が上がると思って購入した土地の処分に困っている」というご相談もあります。そういった土地は、今では二束三文の価値になってしまっているので、売るに売れないという状況ですね。そのようなご相談をいただく機会が増えてきているので、不動産の専門家をご紹介したり、国に返却するご案内をしたりと、できるかぎりの手を尽くしてご対応しています。
誰に相談するかで、人生は変わる
今後の展望として、取り組んでいきたいことはありますか?
生前対策の大切さをアピールしていきたいと思っています。というのも、遺言書を作っていなかったがためにトラブルに発展しているケースが、とても多いんですよね。
先日も、お子様のいらっしゃらないご夫婦で、旦那様が亡くなって、その奥様が相談に来られました。その方は、旦那様の財産は自分が相続できるものと思っていたのですが、実際には旦那様のご兄弟と相続のやり取りをしないといけなかったんですね。もし遺言書があれば、奥様が全財産を相続し、旦那様のご兄弟と相続の話し合いをする必要もなかったのですが、遺言書がないために話し合わないといけなくなった。
ほかにも、配偶者の身内と連絡が取れなくて戸籍を探したり、会ってみたら認知症になっていたり…そういうことがよく起こっています。もちろん解決に向けたお手伝いをしますが、「遺言さえあれば、こんな苦労せずに済んだのに」と思うこともしばしばです。
実際には、「亡くなる前に遺言書を作って欲しいと言いたかったけれど、言えなかった」という状況の方が本当に多いんですよね。また、財産を残す側も、自分の死後の相続について、その大変さを理解されている方も多くありません。なので、お客様が相続登記に来られたり、住宅ローンを完済されたタイミングだったり、機会を見て遺言書の大切さをお伝えはするのですが、もっと力を入れていかなければと切実に思います。税金が安くなるという話ではなくて、残された方が困るという話ですから。
最後に、相続にお困りの方へメッセージをお願いします。
「何を相談すれば良いのか分からない」という状態でも大丈夫ですので、遠慮なくご連絡ください。お話を伺いながら、一緒に必要なことを考えていきませんか、とお伝えしたいですね。
はっきり言ってしまいますと、登記の仕事というのは、誰に頼んでも法務局で登記される結果は同じです。でも、家族信託や成年後見は、やはり頼む人によって結果が絶対に違ってくるんですよ。手続きが終わった後の、お客様のお気持ちも含めてです。
私は司法書士として、「あなたに頼んでよかった」と言っていただけるサービスを提供できるよう、努力を続けていきたいと思っています。相続に備えて対策したい、相続が起きて何をすれば良いのか分からないという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
プロフィール
小川司法書士事務所
司法書士 小川 直孝
東京都足立区で生まれる
千葉大学法政経学部を卒業
大学卒業後、都内の司法書士事務所で経験を積み、平成12年司法書士試験合格。その後、複数の司法書士事務所に勤務し、登記だけでなく債権回収や大手企業の法務、債務整理の実務経験を積む。平成14年小川司法書士事務所を開業。
千葉司法書士会:第855号
簡裁訴訟代理等認定番号:第204094号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
取材を終えて感じた先生の人柄
東京都内の司法書士事務所での勤務を経て、事務所を開業された小川先生。何を相談すれば良いのか分からないという人のお話もじっくり聞くと話されており、インタビュー中も笑顔を絶やさず、安心してコミュニケーションを取れる方だなという印象を持ちました。
また、家族信託や遺言書の大切さを語る姿からは、お客様一人ひとりの立ち場に立って、相続に困る人を1人でも減らしていきたいという、強い想いが伝わって来ました。勉強熱心で温かな、小川先生の人柄に触れる取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 小川司法書士事務所
- 資格者
- 司法書士 小川 直孝
- 所在地
- 千葉県柏市中央町5-21-703
- 電話番号
- 050-7587-3816
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日・土日祝日 9:00〜20:00
- 定休日
- なし(来所の際は必ず予約して下さい)
- 対応エリア
- 千葉県を中心に一都三県、オンライン相談にて全国対応可能
- 所属
- 千葉司法書士会:第855号
簡裁訴訟代理等認定番号:第204094号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
- 事務所の特徴
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メールで相談する事務所情報掲載日:2024年6月11日
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