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青森県八戸市

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INTERVEW

市民感覚と法律的な考え方のバランスがとれた対応を大切にする

司法書士・行政書士 八戸いちい事務所_佐々木啓之_インタビュー

青森県八戸市で地域に密着した相続相談を行っている、司法書士 行政書士 八戸いちい事務所の佐々木啓之司法書士・行政書士。一般企業での店舗責任者から司法書士に転身された経歴の持ち主です。「市民感覚と法律的な考え方とのバランスがとれた対応」を大切にされている佐々木先生に、お客様対応へのこだわりや、これからの取り組みとして見据えるものを伺いました。

世代をまたぐ相続手続きにも専門家と連携して対応

まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?

相続登記についてのご相談が多いですね。特に当代だけでなく、祖父母様の代から相続登記をされてこられなかった方々が中心です。この場合ですと、最初に相続が発生した後に、相続人の中でお亡くなりになっている方がいらっしゃって、さらに相続人が増えて…という事態になっていることも多く、相続人同士が疎遠になっていることもあります。

そういった方々と遺産分割協議について、アドバイスをさせていただきながら相続の手続きを進めていく、というご相談が多くなっている印象です。

相続登記といっても、ただ相続した不動産の名義を変えて終わるようなパターンではないということですね。

そうですね。数次相続という、世代をまたいで相続が複数発生している状態です。お祖父様が亡くなって、そのご子息も亡くなってと関係が複雑になっているようなケースであったり、相続人の戸籍を調べたら知らないお子様がいらっしゃったり、一筋縄ではいかないご相談もよくあります。

世代をまたぐ相続のご相談が多いことについて、背景にどのような要因があると思われますか?

相続登記が令和6年4月から義務化されることが、影響しているのだと思います。ずっと同じところに住んでいたり、他に財産がなかったりする場合ですと、遺産分割協議をあえてする必要はありませんので、相続登記されずに放置されてしまうということも珍しくありませんでした。

世代をまたぎ、相続登記されずに放置された不動産の相続人になっている方々が、相続登記の義務化にあわせてご相談にいらっしゃっている、という印象です。

ご相談にいらっしゃるのは、近くにお住まいの方々が多いのですか?

そうですね。地域の方がメインではありますが、他にも地元の出身で首都圏で働かれている方からのご相談も多くいただいています。親御さんがお亡くなりになったのを機に、こちらにある不動産の手続きをしたい、というご相談ですね。お彼岸や年末年始など、八戸にお戻りになるタイミングでお会いして、手続きを進めていくというパターンです。

こうしたケースでのご相談内容としては、相続したくない不動産に関するご相談が特に多いように感じます。「もう農業に従事していないので、農地は相続したくないのです」「山林を相続することになっているのですが、見たこともなく場所も分からないので手放したいです」といったご相談です。

そういった相続を希望しない不動産のご相談に対して、どのような解決策が考えられるのでしょうか?

まずは売却の希望があれば、不動産屋さんを紹介させていただきます。評価額の見積りを出していただいて、条件があうようであればそのまま売却することができますので。他には、森林組合さんに相談をして、活用につながるようなものはそちらにご対応いただく、ということもあります。これは最近増えてきたケースなのですが、山林自体の需要に影響されるという面もありますね。

私としては相続登記を済ませるだけではなく、その後に財産をきちんと活用したり、整理したりできるようにしたいと思うのです。そのために、今は各分野の専門家同士の連携を強化し、お客様にご提案できる幅を広げていきたいと考えています。

司法書士・行政書士 八戸いちい事務所_佐々木啓之司法書士_01

親しみやすく話やすい、敷居の高さを感じない先生

お客様へのご対応にあたり、心がけていることはありますか?

お客様と接していると、司法書士という存在そのものに敷居の高さを感じられる方が多いと思っています。ですので、そういったものを感じさせないように、ご連絡をいただいた段階から、親しみやすい・話しやすいような雰囲気をつくるように心がけています。

そのおかげか、初めてお会いしたお客様にも、その日の面談が終わったときに「先生でよかったです」といったことを言われることもあります。「いやいや、まだはじまってないですし、これからなんですよ」とは返すのですが(笑)

自分のことを言うのは恥ずかしいですが、友達感覚というか、親しみを持って話を聞いてくれると思っていただけているみたいです。業務と直接関係ないお話なども、談笑しながら進めていることが大きいのかもしれません。

それは最初の面談で、お客様の不安がかなり取り除かれている、ということなのでしょうね。

そうであってほしいですね。緊張されて来られる方もいらっしゃいますので、特にそういった方に、話しやすいという印象を持っていただきたいなと思っていますので。

他には、未然に争いを防ぐことができるように、お客様の状況を注意深く読んでご対応させていただく、ということにも気を付けています。たとえば、不動産など分けることが難しい財産を相続する場合、相続人が血縁者だけであれば、ご長男が取得することですんなり話がまとまることが多いのですが、相続人のどなたかがすでにお亡くなりになっていて奥様が相続人になるケースのように、血縁関係にない方が相続人に含まれる場合は、慎重にお話を伺うようにしています。

相続人の中には「自分たちがその家に住んでいるから、そのまま相続できるのだろう」とお考えの方もおられます。ただ、相続の話し合いの中で、それをそのまま口に出してしまうと、争いの種になりかねません。そのようなときには法律的な観点から、どのような権利が認められるかをご理解いただけるように、事前にお伝えした上で話し合いを進めていくようにしています。

感情的な部分と法律で保証されている権利が絡んでくると、争いの元になりかねないということですね。

そうですね。相続の手続きでは、ある程度ご自身の立場を客観的に見ていただく必要があることも確かです。そうでなければ、うまくいくはずのものを、逆に私たち専門家が荒らしてしまうような形にもなりかねないので。そうならないように、丁寧に説明してから、話し合っていただくようにということは、細心の注意を払ってご対応するように心がけています。

司法書士・行政書士 八戸いちい事務所_佐々木啓之司法書士_02

お客様に寄り添う視点は、一般企業での経験から

佐々木先生は司法書士になる前に、一般企業で店舗責任者の仕事をされていたとのことですが、どのような経緯で司法書士を目指されたのでしょうか?

大学を卒業した当初から、漠然と司法書士という仕事への興味は抱いていたんです。司法書士が何をやるのかは分かっていませんでしたが、「法律に関する仕事で、弁護士ほど固くなく、街の人が気軽に相談できる」という司法書士像に憧れのようなものは抱いていて。何となく、自分がそんな人間になれたらいいなと思っていたのですが、当時は具体的に司法書士になるために動くことはなく、一般企業に就職をしました。

会社勤めをする中で、店舗の責任者や店長のような仕事で経営に関わるようになり、会計や人をつなぐマネジメントを学びました。そうして社会人としてある程度経験を積めたと思えるようになってきたのが、30歳になった頃です。「そろそろ司法書士について、具体的に考えよう」と思い、求人を募集していた弁護士事務所への転職を決意しました。そこで法律の仕事を専門的に行うようになったのが、司法書士への第一歩ですね。

その間に結婚し、子育てもしながら司法書士の資格を取得しました。仕事と家庭と勉強と、結構ハードな生活を10年ほど続けることになったのですが、これらの経験があってこそ、事務所を開業してやっていけているのかな、と思っています。

司法書士になるまでのご経験を振り返って、「この経験が活きているな」と思うものはありますか?

1番は自分で責任を持った仕事、経営的な感覚を持った仕事を経験できたことですね。店舗の責任者として経験したことは、事務所を経営するようになった今に大きく活かされています。

特に大きいなと思うのが、苦情への対応ですね。どういう行為や対応が、苦情の原因となるのか。苦情が出てしまったときに、どう対処すべきなのか。良くも悪くもすべての対応が自分に返ってくるので、苦情を未然に防ぐためにはどうするべきか、相手の気持ちをどのように汲み取るべきなのか、といったことが非常に重要なのだと身に沁みました。もちろんここに至るまでには、失敗を重ねてきましたが、その経験が今の糧になっています。今も四苦八苦しながら仕事を頑張っているところなのですが。

他には、一般企業を経験してきたことによって、ずっと法律の世界にいた先生方とは、同じ法律を見ても捉え方が少し違うのだろうな、と感じることもあります。もちろん、ずっと法律の世界一本でやってこられた先生方は法律のスペシャリストですし、本当に素晴らしい先生ばかりです。ただ、そういった方々と比べると、外での経験がある分、物事を多角的に見ることができているという実感があり、そこに私の強みがあるとも思っています。

「同じ法律を見ていても捉え方が違う」ということについて、もう少し詳しく伺えますでしょうか。

私が法律事務所で働いていたときの話になるのですが、ご相談者様と弁護士との間で、説明した内容についての認識に相違があるまま進行していたことが時々ありました。

当然、弁護士の先生は丁寧で正確な情報を提供していますので、基本的に誤解が生じることはありません。ですが、時間の兼ね合いで説明しきれなかった場合や、ご相談者様が法律に不慣れであったりして、説明内容を誤解されていたケースに何度も遭遇したことがあります。このような場合は事件担当者として打ち合わせの際などに、より詳しい補足説明やより平易な言葉で説明し直すなどの工夫をして、正確なご理解をいただくことに努めていました。

それは単純に、法律的に正しいことを言っても、お客様にそのまま伝わるわけではない、ということなんです。しかし法律的な話は、お客様に理解してもらってこそです。ですので、今は「法律関係者ではない方々だと、こういう言葉は伝わりにくいかもしれない」と考えながら、お客様に理解してもらえるように気を配りながらご説明するように心がけています。

「法律用語を通訳する」というか、「分かりやすく」を意識した対応ですね。後から「話が違う」となると、お客様にも迷惑をかけてしまいますので、お客様目線での分かりやすさが大事なのだと常に意識しています。

司法書士・行政書士 八戸いちい事務所_佐々木啓之司法書士_03

包括的な相続サービスを、平和的に進めていく

これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望として考えているものを教えていただけますか?

お客様のために、平和に相続手続きを進められる、相続の困りごとを何でも解決できる事務所にしていきたいなと考えています。

司法書士というと、どうしても不動産登記のイメージが先行してしまいがちですが、遺産承継業務も司法書士が代行できる業務です。預貯金の手続きを含めた、包括的な遺産分割協議ですね。さらに私は行政書士の資格も持っていますので、遺産分割協議を取りまとめた後には、遺産分割協議書の作成もワンストップで対応できます。こうした包括的な相続サービスを、より多くの人に届けていきたいですね。

また、お客様それぞれの問題にどうアプローチすれば、争うことなくお話が進められるのか、という意識を持ち続ける事務所でありたいですね。当事者一方の代理人として弁護士が介入すると、どうしても対立構造がイメージされてしまう面が強く、相手の方も弁護士に相談するなど、お互いの利益を主張しあう展開になりがちです。そのような状況に陥る前に、相続人全員の中立的立場で関与する方法で、平和的解決への道筋を担うことができる点が、司法書士特有の重要な役割のひとつであると考えていますので。

相続の後も親族関係は続きます。そのために、包括的に、平和的に、相続手続きをうまく進められるような事務所でありたいですね。

最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。

まずは思い切って相談を予約してみてほしいですね。メールや電話は、いざ連絡するとなるとハードルが高いものです。そこで1人で悩んでしまうと動けなくなってしまうので、勇気をもって、と言えば大袈裟すぎるかもしれないですが、とりあえずメールでもお問い合わせ窓口への連絡でも、自分ができそうな方法で、気楽に一歩を踏み出してみてください。

問い合わせ窓口の先にいるのは、専門家です。「どうしていいか分からない」というお悩みからでも、そこから解決へ導いてくれるはずです。「連絡してみたら、思っていたよりもすんなり手続きを進められた」そんな感覚を持っていただけるような専門家が、きっと解決に向けたお手伝いをしてくれるはずです。

プロフィール

司法書士 行政書士 八戸いちい事務所
司法書士・行政書士 佐々木 啓之

 

山形大学人文学部法学科卒業。一般企業勤務の後、法律事務所職員として約13年間勤務。同事務所での勤務期間中に以下の資格を取得。
平成24年:宅地建物取引主任者(現:宅地建物取引士)
平成24年:行政書士
令和元年:司法書士

 

青森県司法書士会:第360号
簡裁訴訟代理等認定番号:第2001391号
青森県行政書士会:第20042553号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
一般社団法人 日本財産管理協会:認定会員(財産管理マスター)
公益社団法人 青森県公共嘱託登記司法書士協会:会員

 

司法書士・行政書士 八戸いちい事務所_佐々木啓之司法書士_プロフィール

取材を終えて感じた先生の人柄

一般企業での店舗責任者から、司法書士に転身された佐々木先生。親しみやすい、話やすい雰囲気づくりを大切にされており、お客様との初回面談で打ち解けてしまうこともよくあるとのこと。初対面のインタビュアーにも親切丁寧かつ、ざっくばらんに取材に答えていただき、多くのお客様から信頼を寄せられている理由がよく分かりました。

そんな佐々木先生が心がけておられるのが、「市民感覚と法律的な考え方のバランスがとれた対応」というもの。法律的な知識のない一般の方々に理解してもらってこそ、法律説明を行う意味があるという考えのもと、お客様目線の分かりやすい説明を大切にされています。相続登記についてご説明されている中でも、不動産の登記だけでなく、その後の活用まで見据えた解決策をお話しされており、法的手続きだけを見ているわけではないという姿勢が印象的でした。

親身で親しみやすく、そして法的な面と人間的な面のバランス感覚に優れている。そんな先生が「気楽に連絡してみてください」と受け入れてくれることの頼もしさを実感した取材となりました。

事務所概要

名称
司法書士 行政書士 八戸いちい事務所
資格者
代表 司法書士・行政書士 佐々木 啓之
所在地
青森県八戸市根城五丁目1番16号 西村貸店舗2階D号室
電話番号
050-7586-7362

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営業時間
平日 10:00~19:00 ※金曜日までのご予約で土日も相談可能
定休日
土曜日・日曜日・祝日
対応エリア
【青森県】
八戸市、三沢市、十和田市
三戸郡(階上町、南部町、新郷村、三戸町、田子町)
上北郡(五戸町、おいらせ町、六戸町、東北町、六ケ所村)

【岩手県】
二戸市、久慈市
九戸郡(洋野町、軽米町、一戸町、九戸村)
所属
青森県司法書士会:第360号
簡裁訴訟代理等認定番号:第2001391号
青森県行政書士会:第20042553号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
一般社団法人 日本財産管理協会:認定会員(財産管理マスター)
公益社団法人 青森県公共嘱託登記司法書士協会:会員
事務所の特徴
  • 無料相談あり
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  • 丸ごとお任せ
  • 不明/複雑相談
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事務所情報掲載日:2024年1月23日

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