来年4月の相続登記(相続に伴う不動産の名義変更)の義務化を前に、農林水産省が実施した相続未登記農地等の実態調査の結果が公開されています。
近年、相続をきっかけに名義人不明の空き家が発生してしまう「空き家問題」が世間を騒がせていますが、それは農地においても同様で農地の集積化・集約化を進める上で大変な足かせになっていると指摘されています。
今回の調査では、全国の相続未登記農地(※1)および相続未登記の恐れがある農地(※2)の割合を全国1718市町村において実態調査しており、その合計は約102万ヘクタールと全農地面積の約2割にのぼることが分かりました。
特にその割合は西日本で高く、中部地方より北では石川県が唯一30%を超えるのに対し、近畿地方より西では半数以上の都道府県で30%を超えています。
<上位5都道府県>
- 高知県:43.0%
- 鹿児島県:39.9%
- 沖縄県:36.4%
- 京都府:35.7%
- 岡山県:35.0%
(※1)登記名義人が死亡していることが確認された農地
(※2)登記名義人の市町村外転出、住民票除票の不存在等により、住民基本台帳上ではその生死が確認できず、相続未登記となっているおそれのある農地
参照:農林水産省「相続未登記農地等の実態調査の結果(令和3年度末現在)」
来年4月の相続登記の義務化では、義務化前の相続も対象となり、正当な理由なく義務に違反した場合10万円以下の過料の対象となります。
田舎の農地を相続したが登記せず、そのまま放置しているという方がいらっしゃいましたら、お早めに登記申請をすることをおすすめします。