チャールズ3世がウィリアム皇太子へ生前贈与した「モノ」が、イギリス紙「The Guardian」に掲載され大きな話題を呼んでいます。今回はこの生前贈与の中身はいったい何なのかをご紹介したいと思います。
2022年にエリザベス女王陛下が逝去されたのをきっかけに、ウィリアム皇太子は現国王であるチャールズ3世からコーンウォール公領を譲り受ける事になりました。このコーンウォール公領とは約51,800ヘクタールを有する土地で、これは東京ドームに換算すると約11,000個に相当します。この広大な領地には農地やホテルをはじめ、中世の城、オフィス、テナント、果てにはロンドンの高級物件が含まれており、市民側にも関りが深いとされています。
そして気になるのはこの公領の資産価値です。2023年報告書によると、2022年にウィリアム皇太子が公領から受け取った金額は590万ポンド、日本円に換算するとおおよそ約11億となります。
この公領は2022年度の途中で引き渡された為、チャールズ3世とウィリアム皇太子の両方に権利が発生しました。金額は凡そ半々で分けられましたが、ウィリアム皇太子側は運営費の支払い義務があるため、これを差し引いた額が利益分となりました。
しかし、2023年以降はウィリアム皇太子のみに権利が発生するので、恐らく11億円以上の利益が発生すると予想されます。
出典:
The Guardian「Revealed: royals took more than £1bn income from controversial estates」
コーンウォール公領2023年報告書「Sustainable Stewardship」
ウィリアム皇太子は当公領を引き継いだ事について、「公領ファミリーを支援し、この地所が今日的な事業体として進化進歩しつづけることでコミュニティ、事業体、自然のための持続可能なスチュワードシップのビジョンを実現できるよう努める」と宣言しており、父から受け継いだ歴史と財産を守りながらも発展を進めていく気概を感じることができます。
この莫大な資産についてトラブル無く進んだのは、親子の間でしっかりと話合いをした結果なのではと推測されます。
遠い将来、ウィリアム皇太子が生前贈与を子ども達と進めるときも、今回と同じように英国紳士らしいスマートさも引き継いで欲しいと願いたいですね。