富山県中新川郡上市町で、相続人が分からず、倒壊の恐れがある空き家を行政が解体する「略式代執行」が行われた。県内では21件目でこのうち上市町のケースは7件目と県内で最も多くなっています。
そんな中、空き家の活用方法として「0円空き家バンク」を実施する自治体が増えています。
略式代執行が行われる空き家は、倒壊や恐れや事故の危険性が高く、周辺住民の不安の種になっています。
こうした空き家による不安が広がる一方で上市町では、手入れの行き届いた空き家を活用する「0円空き家バンク」の取り組みが国内だけではなく海外からも注目を集めています。
「0円空き家バンク」とは、無償で良いから譲りたいと考える空き家所有者と、可能な限り安く家を買いたいと願う取得希望者を結ぶ制度のことです。具体的には、空き家物件の情報を地方公共団体のホームページや広報誌などで提供する仕組みのことを指します。
この制度自体は20年以上前から使われていましたが、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されたことにより、全国的に取り組みが進められています。働き方の変化や、地方移住に対する世間のニーズが高まっているのも注目されている理由のひとつです。
上市町は、0円空き家バンクのほか「県外転入者空家改修事業」や「若年世帯定住促進事業」などの普及啓発を行い、県外からの転入者が前年比でおよそ4.4倍に増加したそうです。また、県全体でみても県外から富山県に移住した人は、892人で13年連続で最多と発表しています。
0円空き家バンクの取り組みが、全国の市町村が頭を悩ます人口減少と空き家増加の問題解決に繋がると期待しています。