国税庁は「タワマン節税」など、タワマンを利用した相続税の軽減対策の是正に着手している。発端は、2022年4月の最高裁判所が下したタワマン相続に関するとある判決内容だ。
相続を巡り問題として注目されたのは、北海道の90代男性が購入した東京都杉並区と神奈川県川崎市にあるマンション。
2009年に2棟のマンションを合計13億8700万円で購入したが、購入資金の大半は、信託銀行から借り入れをしていた。その後男性は2012年に死亡し、マンションは遺族らが相続した。
相続人である遺族らは、路線価に基づき2棟の評価額を合計3億3370万円と算出し、購入時の借入金などを差し引いた相続税の納税額を「0円」と税務署に申告した。その後マンション2棟のうち1棟は、相続から9ヶ月後に5億1500万円で売却していた。
このマンション購入や借り入れなどがなければ相続の課税価格は6億円を超えており、当該の行為が「相続税の負担軽減を図るために、あえてマンションを購入した」と認められたため、例外規定の適用が適法だと結論づけた。最終的に税務署は遺族に対し、約3億3000万円の追徴課税を請求した。
税務署の独自評価を認めた通達の例外規定は、路線価の財産評価を覆す事が可能であり過度な相続税対策を防ぐための「伝家の宝刀」だが、具体的にどのような基準で適用されるかは明らかではなかった。
こういったタワマン相続の「曖昧さ」を改善するために開かれたのが、今回のタワマンに係る財産評価基本通達に関する有識者会議で、不動産業界の方たちを招いて今年の1月から開催している。
6月1日に第2回目が開催され、時価と相続税評価額との乖離についてはタワマンに限った事ではないため、他とどのように折り合いをつけながら評価方法を見直すか、評価方法を見直した後どのような流れでアップデートしていくかなどの話題が話にあがったようだ。
議論の結果次第ではタワマン市況の急変もあり得るため、市場での売買価格と通達に基づく相続税評価額とが大きく乖離している場合に、どのように見直されるか第3回以降の有識者会議が関心を集めている。

