相続は終わりではなく、次の世代に受け継ぐリレーのスタートです
東京都荒川区で、相続を中心にさまざまな法律相談に対応されている、藤の花司法書士法人。地域密着の温かい対応と、相談へのハードルを低く感じさせる心遣いが印象的な事務所です。代表を務める山川裕菜司法書士に、事務所の特徴やお客様対応へのこだわりについて伺いました。
誰でも気軽に相談できる、暮らしに溶け込む事務所
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような方々が相談にいらっしゃっていますか?
ご相談にいらっしゃるのは、荒川区にお住まいの方がほとんどです。相続の手続きが必要になるということは、近しい方がお亡くなりになり、ご葬儀や遺品整理などやらなければならないことがたくさんあるということ。そんなときに気軽に相談しやすい事務所として、近隣の方々にご利用いただけているのかなと思います。荒川区役所の裏に事務所がありますので、私の方でお手伝いできることは何でもご協力させていただくというスタンスで、お客様と一緒に手続きを進めていくことを心がけています。
相続は心構えをしていても、ある日突然起きてしまうもの。困ったときに「助けてください」と声をかけられる、1番身近な存在でありたいと考えています。だからこそ、暮らしの中に馴染むことを目指して、この場所に事務所を開設しました。
相談をした後にお買い物ができるスーパーが目の前にあったり、裏には区役所があったりと、暮らしの中で法律や相続のアドバイスを受けられる立地です。お買い物のついでに気軽に立ち寄ることができるような、暮らしに溶け込む事務所を目指しています。
「暮らしに溶け込む事務所」というのは、相談しやすさが伝わる表現ですね。お客様の暮らしに溶け込むために、心がけていることはありますか?
まずは、気軽に相談に来ていただける環境を整えることですね。事務所の前にあるスーパーでお買い物をして、買い物袋を持ったままご相談に来られることも歓迎しています。日常の生活のなかで気になることがあれば相談できる、そんな場でありたいですね。
他には、私にお手伝いできることは、どんなことでもご協力させていただくということ。最近も、耳が不自由というほどではないのですが、若干コミュニケーションを取りにくいお客様が相続のご相談にいらっしゃって、相続の手続きを進めながら、補聴器の助成金をもらえる手続きもご提案し、区役所まで一緒に申請をしに行ったことがありました。これには、すごく喜んでいただけましたね。そんな風に、お客様にとって必要なことがあれば、できるかぎりご協力することを大切にしています。先ほどの例の他にも、区役所まで同行して手続きを手伝うことも結構あるんですよ。
地域密着の温かい対応は、お客様にとっても安心ですよね。荒川区ならではのご相談というものもあるのでしょうか?
荒川区ならでは、とまではいかないですが、地域の特徴として借地権に関するご相談は多いですね。あとは、荒川区は元々商売の街でしたので、1階が店舗で2階がご自宅になっているお宅も多く、相続の際に悩まれる方も多い傾向にあります。これからもご相談を通して地域への理解を深めて、より地域に寄り添ったサービスを提供できるようにしていきたいですね。
女性ならではの心配りと、気持ちに寄り添うご対応
どのような経緯で荒川区に事務所を構えることになったのでしょうか?
開業する前に勤務していた事務所が荒川区にありましたので、働くなかで荒川区が気に入って事務所開設を決めました。下町で暮らす方々や小さな商店の皆さんが生活している姿を見ると、応援したくなるんですよね。人情と優しさに溢れた大好きな街なので、皆さんのお役に立ちたいといつも考えています。
荒川区は、東京23区で2番目に小さい区なんです。1番小さいのは千代田区で、2番目が荒川区。千代田区は生活区ではないので、生活区では荒川区が1番小さいということになります。23区の生活区で1番小さい荒川区だからこそ、暮らしの中のお困りごとが発生したときに、皆さんが戸惑われている様子がよく見えます。だから他人事にはできない面もあって。街に暮らす方々の生活がよく見えて、近くで支えあうこともできることが気に入って、ここに事務所を構えたんです。
藤の花司法書士法人の特徴は、どんなところにありますか?
女性スタッフが中心となって事務所運営をしていることは、特徴のひとつです。私も子どもを4人育てていますが、女性は育児・出産など、ライフステージにおいて色々な変化があるもの。だからこそ、大切な人を亡くして残された女性の気持ちにも、寄り添うことができると考えているんです。不安な気持ちにも寄り添いながら、温かい雰囲気で相談できる事務所でありたい。たとえるなら、ご近所さんにたわいもない話をするように、日常の中で相談ができるアットホームな事務所。着飾らない雰囲気で、気軽にお話できる場所でありたいですね。
他にも、ご相談にいらっしゃったお客様の意図やお気持ちを汲みながら、傾聴することを大切にしています。すでに計画をしっかりと決めていらっしゃる方でも、お話の聞き方によって、こちらのアドバイスの受け入れ方が変わってくるんです。「そんな考え方もあるな」と思っていただければ、ひとりで悩むよりも結果的に上手くいき、綺麗な花を咲かせてもらえるはずです。最終的に、「ここに相談して良かったな」と思えるようなアプローチを、日々心がけています。
ご相談の際に使用する資料にこだわっていることも、私たちの特徴です。お客様それぞれに対して、必要になる手続き全体が、図表と文章で一目で分かるようになったものをお作りしているんです。登記簿謄本を見たとしても、専門的な知識がなければイメージが湧かないものなんですよね。それなので、お客様にも理解いただきやすいように、専門家の視点で手続きの全体像を整理した資料をお渡ししています。
このようにしている理由は、お客様がご相談に来られ、その場で納得されたとしても、お客様のご家族に説明できなければ解決につながらないからです。「専門家の先生のところで聞いてきたよ」とご家族に話されても、その内容を説明できなければ、ご家族も安心して手続きを進められないですよね。だからこそ、相続の全体像を見える化して「どんな手続きが必要か」をイメージしてもらいやすいようにしているんです。ご高齢の方も多いので、分かりやすい資料をお渡しすると喜んでいただけていますね。
「やると決めたらやる」難解な相談も解決まで導く
山川先生は司法書士になられる前に、保育士をされていたと伺いました。どのようなきっかけで、司法書士を目指されたのですか?
子どもがとても好きなので、保育士の仕事をしていましたが、妊娠を機に子どもたちに関するさまざまなニュースをみたことが、最初のきっかけでした。子どもたちのいじめ問題や少年事件をメディアで見たときに、法律や社会的なルール、法的な手続きの知識がとても大切だと感じたんです。同時に母親として、法教育や人権教育を通じて、将来の子どもたちに過ごしやすい社会を残してあげたいと思いました。それで、司法書士になることを決断したんです。
育児中に法律の勉強をされ、司法書士試験に合格されたのはすごいことですね。
そのときは本当に大変でしたが、やると決めたことは絶対にやる性格なので、頑張れたのだと思います。このスタンスは、開業した今にも通じるものがあります。相続の手続きをしておらず何代も放置してしまい、権利関係が複雑になってしまっている難解な相続のご相談を時々いただくのですが、しっかり解決まで対応します。簡単でも難解でも、相続は相続なので、お困りの方がいらっしゃる以上はきちんと対応するのが、私のスタンスなんです。
「藤の花司法書士法人」という事務所の名前が印象的ですが、どのような由来があるのでしょうか?
身近に法律のことを相談できる専門家がいない、離島にお住まいの方のために、法律相談をお受けすることがあるのですが、相談の一環で神津島を訪れたときにみた神社の藤の花がとても素敵で、そこから藤の花の名前をいただきました。花の名前をつけられる事務所も多いですが、唯一無二の名前にしたいという想いから100時間以上考えて決めた名称です。花言葉を調べると、「優しさ・寄り添い・女性らしさ」とあり、元々源氏物語が好きだったこともあり、この名前に決めました。
実は、私の「ユウナ」という名前も沖縄の花の名前に由来しているんです。母の出身が沖縄で、沖縄の花「ユナ」からとった名前だと聞きました。だから、事務所名も大好きな花の名前からつけたんです。自分らしい他にはない名称になったと、今でも気に入っている事務所名です。
相続に終わりはない、次世代へつなぐリレーノート
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望として考えているものを教えていただけますか?
今後の展望としては、残された人々に対して自分の想いを遺しておく、遺言状のようなものをもっと気軽に作れるようにしたいと考えています。相続は誰にでも突然起こりうるもので、指針のようなものがないと、皆さんどうしていいか分からなくなっちゃうんですよね。それを避ける意味でも、私たちは「リレーノート」というノートの作成をおすすめしています。
リレーノートは、遺言書やエンディングノートのようなものです。でも「エンディングノート」という名前が、私は大嫌いなんです。人生が終わるからエンディングノートなのだと思いますが、すごく負のイメージが強いなと感じます。だからこそ「次の世代につなぐ」という意味で、リレーノートとしているんです。相続は人生の終わりではなく、次の世代へのリレーなんだという認識を、多くの方に持っていただければと思っていますね。
相続で受け継いだ土地や建物、お金、鉛筆一本に至るまで、全部リレーでつながっているものだと、私は考えています。次の方へリレーされたものは、これからも人から人へつながれていく。だから、終わりというものはなく、この先もずっと続いていく過程として捉える方が自然なのではないか。そういった考え方なら、「人生のエピローグを書かなければ」という悲しい気持ちではなく、「自分がどうつなげていきたいのか」という切り口で、前向きに気持ちを残すことができますよね。それに、亡くなってからスタートすることだってあるんです。「終活」「エンディングノート」という言葉が無くなるくらい、前向きで楽しくサポートをしていきたいですね。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
先ほどもお話しさせていただいた通り、「相続は終わりではない」ということを伝えたいですね。その方の終了でもなければ、エンディングでもない。相続はリレーだと思います。
リレーはひとりではできないもの。必ず誰かがいて、支え合うことで今後もつながっていくものなんです。それが大変になったときに、しっかりとお手伝いして支えるのが、私たちの使命だと考えています。ひとりで悩まずに、まずはお気軽にご相談いただきたいですね。
プロフィール
藤の花司法書士法人
司法書士 山川 裕菜
白梅学園短期大学保育科を卒業後、保育士として勤務。平成26年に第一子、平成27年に第二子、平成29年に第三子、平成30年に第四子誕生、育児中に司法書士試験に合格、簡裁訴訟代理認定を取得。東京都荒川区ひぐらし法律事務所で司法書士として勤務。荒川区に根差したサービスを提供するため、荒川区役所近くで藤の花司法書士事務所を開業。令和4年に東京青年司法書士協議会副会長に就任。
東京司法書士会:第8332号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1901100号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
取材を終えて感じた先生の人柄
4人のお子様を育てながら、大好きな荒川区の地域に貢献する山川司法書士。「やると決めたらやる」という強い意思をお持ちでありながら、お客様に寄り添う対応も大切にされており、専門家としての頼もしさと女性司法書士ならではの優しさを感じました。
負のイメージが強い相続を、より前向きなイメージへ。その想いから独自に取り組まれている「リレーノート」はお客様にも好評で、相続手続きの全体像を図表で説明する資料とともに、多くの方から支持を集めている要因のひとつとなっています。
相続を中心に、暮らしに溶け込む幅広い法律相談を行っている藤の花司法書士法人 。「相続は人生の終わりではなく、リレーのスタートである」という前向きな考え方を、相続にお悩みの多くの方にお届けしたいと感じた取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 藤の花司法書士法人
- 資格者
- 代表 司法書士 山川 裕菜
- 所在地
- 東京都荒川区荒川2丁目17番7号 藤の花司法書士法人
- 電話番号
- 03-5615-2871
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日・土曜日 9:00~20:00
第2日曜日 12:00~17:30
※夜間・日祝日の相談も受け付けています
- 定休日
- 日曜日
- 対応エリア
- 東京都
- 所属
- 東京司法書士会:第8332号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1901100号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
事務所情報掲載日:2024年4月16日
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