もっとお客様の役に立つために、司法書士の価値を追求する
東京都千代田区の永田町で、会社法人登記をはじめ、金融法務・不動産登記・相続遺産承継業務などのサービスを提供している、司法書士法人永田町事務所。会社法人に向けたサービスを広く提供していることから、社長の相続に精通していることが特徴です。代表を務める加陽司法書士に、社長の相続ならではの課題や、お客様に価値を提供するための取り組みについてお話しいただきました。
中小企業の社長ならではの、相続の課題を解決する
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?
私たちは会社法人向けの業務をメインとしているので、中小企業の社長様から相続のご相談をいただくことが多いです。社長様ご本人の相続と、会社の事業承継をあわせたご相談ですね。
株式をどのようにして親族に相続させるのか。贈与がいいのか、それとも売買がいいのかといった具体的な相続手法のお話から、生前贈与や家族信託といった相続対策のアドバイスまで、社長様ならではの相続に関するご相談をいただいています。
他にも最近は、不動産業者様から売却を前提とした相続登記のご相談をいただく機会が増えてきています。令和6年4月から相続登記が義務化されることもあって、お問い合わせが増えているという印象ですね。
中小企業の社長様からのご相談が多いということですが、社長様の相続ならではの特殊な手続きや、よく相談を受ける業務がありましたら教えてください。
社長様が相続について悩まれることが多いのが、非上場企業の株式の相続です。
「非上場企業の株式をどうやって相続すればいいのか相談したい」「株式の評価が必要だと聞いたことがあるが、どうすればいいのか分からないので、まとめて対応してほしい」といったご相談をよくいただいています。
非上場企業の株式を相続する際には、株式の評価を行う必要があるのですが、これは税理士事務所や会計事務所が行うことが多い業務です。しかし私たちは同じグループ内に会計事務所がありますので、社長様個人の相続とまとめて対応させていただいています。
会計事務所のメンバーと一緒に、株式の評価業務とあわせて、社長様個人として活用できる生前対策や、相続が発生した後の相続税の手続きまで含めてご提案させていただく。社長様の相続に関する課題をワンストップで解決できることが、私たちの特徴だと思います。
ご家族の気持ちとストーリーがあることを忘れない
相続のご相談に対応される際に、心がけていることや気を付けていることはありますか?
相続は法律的な手続きだけではなくて、それぞれに背景があるものです。財産を受け継ぐという面だけでなく、そこにご家族の気持ちが絡んでくる。そうしたお気持ちを理解したうえで、ご相談にお応えするように心がけています。
単に財産を移転させるであったり、この手続きをすれば解決するであったり、手続きだけの対応はしたくないと思っています。相続には本当に、一人ひとりのストーリーがありますので。
ご家族の歴史や感情、次の代への期待も含めて、色々なお話を聞かせていただく。もちろんお話を聞くだけで、すべてを理解することはできませんが、少なくとも理解しようという気持ちが伝わるような形で、お客様と接するようにしています。
ご家族の気持ちの面も大切にされるということですね。そうしたご対応は、相続のご相談にお応えしてきた中で意識するようになったものですか?
そうですね。私も司法書士になりたての頃は、書類に名前を書いて返してもらうだけの事務的な対応をしていたことがありました。
しかし司法書士として経験を積む中で、私たちのちょっとした対応1つでお客様に不信感を抱かせてしまい、親族関係に亀裂が入ってしまったり、相続の話が進まなくなったりすることもあるのだと知ったのです。
相続は家族みんなで進めないといけないのに、司法書士に対する不信感があると、納得して手続きを進めることができなくなります。さらに相続の手続きだけでなく、その後のご家族の関係性にまで悪影響を及ぼすかもしれない。そういうきっかけを私たち専門家が作ってしまう可能性があるので、お客様への対応には十分に気を配るようにしています。
法律的な手続きをロジカルに進めるのではなく、感情のことまで考えてご対応させていただく。法律やお金のことだけではなく、そこにご家族の気持ちが絡んでくると意識して、お客様それぞれの相続と向き合うように心がけています。
組織全体で「クライアントファースト」を徹底
続いて、事務所全体のことも聞かせていただければと思います。基本理念として「クライアントファースト」を掲げられていますが、これにはどのような想いが込められているのですか?
「クライアントファースト」には、「お客様の利益を最優先に考える」という意味合いがあると思っているのですが、これは私が考える司法書士業務の在り方に通じるものがあります。
司法書士は手続きの専門家ですが、手続きは誰が行っても同じ結果になります。しかしそれでは、お客様に選ばれる理由がないと思うのです。
そうではなくて、お客様に利益をもたらして、お客様に選ばれる専門家になりたい。単に手続きを行うだけではなく、アドバイザーとしてお客様と長期的な関係を構築して、お客様の利益になる専門家になりたいと思って、「クライアントファースト」というものを基本理念に掲げています。
クライアントファーストの姿勢が、気持ちの面まで考える対応スタイルにも通じているということですね。
そうですね。他にも「クライアントファースト」の姿勢を通じて、社内の統制をとりたいという目的もあります。社内でメンバーの意識や行動を統一して、一貫した品質のサービスを提供するための、共通の目標ですね。
「手続きだけの専門家だと、報酬に見合った仕事はできない」「お客様に価値を提供して、選ばれるコンサルタントにならないといけない」ということは、常々メンバーと話すようにしています。
「クライアントファースト」を追求するチームで競争優位性を保つことができれば、手続きを行う専門家としてではなく、利益をもたらすコンサルタントとしてお客様に選ばれる存在になると考えています。そのためにも、これからも「クライアントファースト」を徹底できる組織でありたいと思っていますね。
司法書士は、もっと価値を提供できると信じている
ここまで相続の業務や事務所についてお話しいただきましたが、加陽先生個人についてもお話を聞かせていただけたらと思います。加陽先生はどのようなときに、司法書士という仕事のやりがいを感じますか?
司法書士のやりがいは、たくさんありますね。
一つは、お客様の大切な権利を守るために寄与できることです。たとえば、司法書士が扱う代表的な権利である不動産の所有権は、お客様にとってとても大切な権利です。他にも成年後見業務では、お客様の大切な財産を守る役割を果たすことになります。こうした大切な権利を守る役割として、司法書士はとてもやりがいがある仕事だと思います。
他には、絶えず学び続けられる仕事だということ。法律は時代にあわせて変わるものなので、常に新しいことを学び続けないといけません。たとえば令和6年4月から相続登記が義務化されますが、こうした法律の変化や、その背景にあるものを学び続けることで、自分の成長を感じることができる。この点も、司法書士業務のやりがいだと思っています。
あとは何より、幅広い関わりがあるということ。個人のお客様から会社の社長様まで、さまざまなストーリーのご相談をいただいて、一人ひとりに適切なアドバイスをさせていただく。そのアドバイスによって問題が解決されたときには、人間的にも深い成長を感じますし、とてもやりがいを感じる瞬間でもあります。
私は色々なことに挑戦するのが好きな性格なので、「これだ」と思ったところには顔を出して、司法書士としてお役に立てることがないかを常に探すようにしています。司法書士ができることを、新しく開拓していきたいというイメージですね。
司法書士にできることの開拓というのは、どういうものかもう少し詳しく伺えますか?
最近まで上場企業の取締役を務めさせていただいていたのですが、これは司法書士の新しいニーズだと考えています。
他にも上場企業のお客様から、ストックオプションの設計や適時開示の書類作成のご依頼をいただいていますが、こうした業務を行っている司法書士は珍しいです。業務内容としては司法書士が適任だと思うのですが、実際に扱っている司法書士は少ないと感じています。
これはもったいないことだと思いますので、「これも司法書士として、価値を提供できる仕事」だということを、積極的に発信するようにしています。私たちと同じように、新しい司法書士の価値提供に挑戦する人が増えてほしいなと。
加陽先生がYouTubeやSNSで積極的に情報を発信されているのも、司法書士ができることの開拓に通じるものがあるということでしょうか。
そうですね。元々は事務所の差別化を目的としてはじめたものではあるのですが、今では同じ司法書士に向けた情報発信が多くなってきています。
そして、これは予想していなかったのですが、情報発信によってお客様の満足度が上がったという面もあります。
「YouTubeを見て、安心して相談できると思いました」「新しい取り組みをしている事務所として興味があって相談してみました」といった声をいただく機会が増えてきています。これはお客様にとっても良いことだと思いますので、これからも新しいことへの挑戦と情報発信は続けていきたいと考えています。
専門家と一緒に、理想の相続を実現させてほしい
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望を教えていただけますか?
先ほどお話しした、新しい市場の開拓ですね。これはすごく取り組みたいことです。
司法書士の仕事は手続きだけだともったいない、コンサルタントとして絶対に役に立てるはずだと思うのです。法律の知識が豊富で、財産を管理することもできる。本当に色々なアドバイス業務ができるはずなので、その市場を開拓することができればと思っています。
相続の分野ですと、最近は相続対策として家族信託が注目されていますが、これも司法書士がコンサルタントとして役に立つことができるサービスだと考えています。ご家族の背景や財産の状況に応じて、信託を設計していく。お客様一人ひとりに対して、コンサルタントとして最適なアドバイスができる司法書士でありたいですね。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
私たちが扱う相続の業務というものは、手続きの法的な面や、財産の経済的な面だけでなく、ご家族の感情という気持ちの面が関わってくるものだと考えています。そのため私たちは、単なる手続きを行うのではなく、ご家族の感情や歴史を尊重して、お気持ちを理解して手続きするように努めています。
そしてお客様に対しても、悔いのない形で手続きを進めてほしいと思っています。必要に応じて専門家のサポートを受けることは重要ですが、それと同時に、お客様自身も十分な知識を持っていただくことが、相続においては大切だと考えています。
お客様の方でも相続に関心を持っていただき、必要な知識を得ようとされていると、どんな相続が望ましいのかが見えてくるものです。それを「こんな相続にしたい」「こんな目的で財産を託したい」といった要望として専門家にお話しいただければ、専門家はお客様にあわせた提案をしてくれるはずです。
専門家からの提案を受けて、納得して手続きを進められることが、お客様にとっても一番良い形だと思います。それなので相続にお悩みの方は、どんな相続が望ましいのかを考えてみていただいて、専門家と一緒に理想の相続を実現させてほしいですね。
プロフィール
司法書士法人永田町事務所
代表司法書士 加陽 麻里布
平成26年1月:株式会社木下不動産(木下工務店グループ) 入社
平成29年8月:株式会社東京リーガルマインド 入社
平成30年1月:ライト・アドバイザーズ司法書士事務所 入所
平成30年8月:株式会社あさなぎコンサルティング 設立
平成30年9月:永田町司法書士事務所 開設
令和3年5月:東京司法書士会 理事就任
令和3年8月:ストックオプションアドバイザリーサービス株式会社 代表取締役就任
令和3年9月:永田町リーガルアドバイザー株式会社 代表取締役就任
令和3年6月:パス株式会社(証券コード:3840) 取締役 監査等委員 就任
東京司法書士会:第7945号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1701031号
東京都行政書士会:第22082496号
取材を終えて感じた先生の人柄
枠にとらわれず、積極的に新しい取り組みにチャレンジされている加陽先生。「司法書士のやりがいは、たくさんありますね!」と笑顔で話し、次々にやりがいを挙げられる前向きでエネルギッシュな姿が印象的でした。
「司法書士にできることを新しく開拓したい」とビジョンを語る加陽先生ですが、新しさの方向は常に「クライアントファースト」の理念に基づいていました。お客様に利益をもたらすために、どんな付加価値を提供できるのかを追求する。あくまでお客様のために、今できること以上のものを探し続けているようでした。
お客様にも相続の知識を持つようにアドバイスできるのも、丸投げの手続きに応えるのではなく、お客様と一緒に最適な提案を作るという意識の表れなのでしょう。ただ専門家に頼るのではなく、自分たちもできることに取り組んで、専門家と一緒に理想の未来を実現させることが重要なのだと感じる取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 司法書士法人永田町事務所
- 資格者
- 代表司法書士 加陽 麻里布
- 所在地
- 東京都千代田区永田町一丁目11番28号 合人社東京永田町ビル5階
- 電話番号
- 050-7586-1285
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 対応エリア
- 東京都を中心に全国対応
- 所属
- 東京司法書士会:第7945号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1701031号
東京都行政書士会:第22082496号
- 事務所の特徴
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メールで相談する事務所情報掲載日:2023年11月21日
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