人と人の想いを未来へつなぐ、地域に根ざしたサポートを

大分県別府市で、あらゆる相続の相談をサポートを行っている、司法書士・行政書士笠岡和恵事務所。代表を務める、笠岡和恵司法書士・行政書士は、社会保険労務士や宅地建物取引士の資格を持ち、複雑な相続問題や認知症対策などに取り組んでいらっしゃいます。「お客様のご相談を最初から断ることはない」をモットーに、どんな複雑なご相談でも必ずお話を聞かれています。女性法律家として心がけていることや、見据えている未来について、お伺いしてきました。
女性司法書士の強みを活かし初志貫徹を掲げる
まずは相談にいらっしゃる方について伺わせてください。どのような方が相談に来られるのですか?
一般的な司法書士事務所のように、相続発生後の相続登記などの相続手続きのほか、生前対策のご相談に来られる方も多くいらっしゃいます。遺言書の作成などもありますが、認知症に関連したケースも多いです。特に代表の私は複雑なケースに対応することが、ほとんどですね。
「家族が認知症である」「自分が認知症になった場合、面倒を見てくれる人がいない」「葬式をどうしよう」といった後見制度にまつわるご相談もよくあります。家族信託は専門的に対応している経験豊富な専門家がまだまだ少ないのが実状です。そのため、いろいろ相談先を探した後に、当事務所へご相談にいらっしゃるという流れかなと。
複雑なケースの相談は、どのような形でご相談にいらっしゃるのでしょうか?
ほかの事務所からのご紹介で来ていただくことが多いですね。私は株式会社セカンドライフコンサルティングの代表もやっておりまして、一般社団法人大分事業支援センターの理事や、社会福祉協議会の顧問などに携わらせていただいております。
大分事業支援センターでは、弁護士や税理士などの専門家の方と月に一回、理事会を開いて難しいご相談内容について話し合っている法人でして、立ち上げから参加させていただいています。法人として身元引受人になって、身寄りのない人でも安心して病院や施設を利用できる体制作りを行っています。
そうした活動の評判が広がったことで、複雑な相続相談に対応していることを認知していただき、結果としてご紹介につながっているのかなと感じています。
難しい相談も引き受けるようになったきっかけはあったのでしょうか?
司法書士になる前から、ボランティアをしていた経験や女性にしかできないことの強みを活かしたいと思っていたので、そのときからの想いを大切に守って「初志貫徹」を続けています。
私は夫と子どもが2人いるのですが、司法書士になったときには、生活費や学費などのことを最優先に考えなくてもよい環境でした。そうなると、お金にならない仕事だって引き受けられるのではないか、それこそが女性司法書士の強みではないかと思ったんです。
そこから、難しい相談でも、とりあえずやってみようとスタートしました。色んなことを調べながらひたむきに頑張った結果、その分経験が蓄えられ人とのつながりも増えていきました。
現在、事務所にはほかにスタッフもいますし、その人たちの給料も上げてあげたい。でも、利益だけの仕事ばかりやっていては、私の志と違うかなと思っています。人が断るような仕事や、本当に困っている方のご相談は、一生懸命精魂込めて最後まで、自分でやり通す司法書士でありたいと思っていますから。
複雑な事情を抱えたご相談を聞く際、心がけていらっしゃることはありますか?
お客様の差し支えない範囲で、いろいろ質問するようにしているんです。法律的なことや、財産のことではなく、お客様の感情を見るように心がけていますね。
たとえば、相続人が疎遠になっていた場合、そうなってしまった原因や背景を知ることで、ヒントを得ることができ、そこから解決へつながる場合もあります。遺言書の作成でもそうなのですが、やはり、お客様には「想い」があるんです。
おひとりで抱え込まれていらっしゃる方も多いので、なにかアドバイスができたらと考えています。一度、お話させていただければ、かなりフランクに話せるタイプだなと感じていただけると自負しております(笑)
あと、お客様とすべての手続きが終わった後には、「何かあったら、言ってくださいね。私のところではできないことは誰か紹介しますから」と必ずお伝えするようにしています。
継続してお客様をサポートできる体制へ向けて
事務所についてお伺いします。現在何名体制で運営されていらっしゃいますか?
現在は司法書士が私を入れて3名で補助スタッフが4名います。もう1名司法書士を増やそうと思っておりまして、現在募集中※です。実は、妹と一緒に一般社団法人アンジェという法人をすでに作っていて、今年中にこの事務所も、司法書士法人アンジェに名前が代わる予定なんです。
最後に1人になる女性は多く、私自身も相当数見てきました。ご主人がいらしても、先に亡くなられたり、お子様が遠くに住まわれていたりなどで、一人暮らしの女性は増え続けると思うのです。そういった環境に置かれた女性を積極的にサポートしていきたいと強く思っています。
※令和7年3月時点。
後見業務にも注力されるとのことですが、難しさを感じることはありますか?
はい、難しさは多々感じています。業務の難しさもそうですが、私的には後見制度として責任と報酬のバランスが整っていない点も課題かなと感じています。一度後見人になると、裁判所の許可なく辞められませんし、損害賠償請求をされることや裁判所への報告義務もあります。
需要は確かに大きく、司法書士会としても新人研修を通じて、後見業務を推進していますが、実際に対応できる司法書士は限られています。私もできる限り引き受けたいとは思っているのですが、1人ですべてを対応するのは難しいため、今後は一般社団法人として、より多くの案件を受け入れられる組織づくりを進めていく予定です。
出張して面談されることも多いのでしょうか?
そうですね。ご自宅やご指定の場所に伺うこともよくあります。実は司法書士に合格して自宅ですぐに開業したのですが、子どもも小さかったので、事務所としての準備がまだ整っていなかったのです。落ち着いてお話を聞くなら、私が出向く方がいいのかなと思っていた名残でもあります(笑)
出張すると、お客様が親近感を持ってくれるのか距離はぐっと縮まって、何でも話してくれるようになるというメリットもありますし、お身体が不自由なお客様には出向いていった方が、助かるのではという気持ちもあります。
代表になって、身軽に動けなくなったこともありますが、事務所空間ならではの良さもあるなと、最近では考えるようになってきたので、臨機応変に対応していきたいですね。
司法書士を目指されたきっかけは何だったのでしょうか?
結婚して、子どもも2人生まれて、社会に戻ろうと考えたとき、ボランティアがしたいなと思ったんですね。そこで、別府市や社会福祉協議会に連絡して、紹介された先で活動していたんです。
何年か携わらせてもらったのですが、そのあいだ少しずつ何もしていないような焦燥感を感じるようになってきました。人助けもしたいけど、学歴も資格もありません。この先、何があるか分からないし、子どもも小さい。自分が頑張らなきゃいけないと思い立ち、資格をとることにしました。
行政書士からスタートして、社会保険労務士をとりました。今後のステップを考えて、司法書士もあったほうがいいと思い、一念発起して合格できたんです。その後は、先程お話した通り、自宅で開業しました。最初から独立したのは雇われていると時間に縛られてしまうかなと。PTAなどの子ども関連の行事があっても、柔軟に動きやすい環境を大事にしたいという気持ちもありましたから。
人と人との想いをつなぐ組織を目指して
一般社団法人への想いを伺いましたが、今後考えていらっしゃる展望を伺わせていただけますか?
やはり法人として、継続してお客様をサポートしていける機能を持ち続けて欲しいと思っています。たとえ、私が死んでもお客様がお困りにならないような法人であり続けたいですね。社会福祉協議会とも連携して、相談に来た方が困らないように、「別府市であればアンジェがあるから大丈夫」と思っていただけたら、と考えています。
あと、「お手紙代行」というのをやりたいと思っています。「あなたの想いを相手に届けて、相手の想いも伺ってお返しします」というサービスですね。人と人とをつなぐことや、身寄りのない人の第3の家族になるということを本気でやりたいと思っています。
司法書士としてやりたいことを、法人としても継続していくために、周りの人たちと力を合わせて頑張っていきたいですね。
最後に相続に悩まれている方や、専門家に相談するか迷っている方にメッセージをお願いします。
相続について、悩まれている方や行き詰まっていらっしゃる方は、おひとりで抱え込まずに、ご相談ください。セカンドオピニオン的な相談でも構いません。とにかくどんな相談でも、一緒に考えていきたいと思っています。
相続は、人生を左右するようなケースも多いです。特に複雑であればあるほど、専門家選びが大切になってきます。たとえば、相続税は税理士の先生の専門分野ですので、相続税の相談を司法書士が対応することはできませんが、相続税の知識がある司法書士への相談は可能です。自身の手続きにおいて何を重要視したいかによって、相談する専門家を考えていく必要はあるのかなと思います。
最後に、よく言われていることですが、遺言書は絶対に作るべきです。得られるメリットは物凄く大きいものでありますが、残念ながら多くの方がそのメリットに気づかないまま相続を迎えられる方が少なくありません。作成してないと発生するデメリットも含めご説明いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
プロフィール
司法書士・行政書士 笠岡和恵事務所
代表 司法書士 行政書士 笠岡 和恵
平成24年:行政書士試験合格
平成26年:社会保険労務士試験合格
平成28年:司法書士試験、宅建士試験合格
平成29年:司法書士・行政書士合格
以降は相続・後見などを主要業務とし、数々の相続対策・認知症対策・親なきあと問題及び配偶者なき後問題に取り組む事務所として開業。
大分県司法書士会:第459号
大分県行政書士会:第17441967号
簡裁代理権認定番号:1629031
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
社会保険労務士
宅地建物取引士

取材を終えて感じた先生の人柄
インタビューのなかで、ご自身のことを濃いキャラとおっしゃられた笠岡和恵司法書士・行政書士。大分県の方言で、ざっくばらんにお話されるお姿が印象に残り、親近感を覚えました。人と人とをつなぎたいという想いを初志貫徹しながら、業務に向かう姿や、「一緒にお話を聞いて解決策を考える」という言葉に頼もしさが感じられました。
また、人に寄り添う温かな視点を大切にされていらっしゃる一方で、経営者として現実を見据えた体制づくりから、単なる理想論ではない心強さが印象的でした。今年予定されていらっしゃるという一般社団法人や司法書士法人が、これからも大分県別府市近辺の皆様の心の拠り所となるのだろうなと、勇気づけられるインタビューでした。
事務所概要
- 名称
- 司法書士・行政書士 笠岡和恵事務所
- 資格者
- 代表 司法書士 行政書士 笠岡 和恵
- 所在地
- 大分県別府市大字北石垣720-8
- 電話番号
- 050-7587-4537
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日9:00~18:00 ※事前予約で時間外でも対応できます
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 対応エリア
- 大分県内
- 所属
- 大分県司法書士会:第459号
大分県行政書士会:第17441967号
簡裁代理権認定番号:1629031
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
社会保険労務士
宅地建物取引士
- 事務所の特徴
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メールで相談する事務所情報掲載日:2025年6月24日
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