お客様にとって最適な支援で、心の安心を提供したい

神奈川県横浜市で、相続トラブルから生前対策まで、幅広く相続のご相談に対応されている横浜平和法律事務所の大石誠弁護士。特に、終活や認知症対策などの支援に積極的に取り組まれていることが強みです。お客様の不安の全体像を捉え、本当に必要で最適な提案をしたい、と一つひとつのご依頼に丁寧に向き合っている大石弁護士に、お客様の心に寄り添う際の姿勢や、今後も注力していきたい相続業務についてお話しいただきました。
解決すべき課題を見つける「診断」の時間が大切
まず最初にお客様のことからお伺いしたいと思います。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?
亡くなった後の相続トラブルについては、ご自身が今どんな状況に置かれていて、どんな課題があるのかを比較的しっかりと把握されている方が多いと感じます。一方で、生前対策や終活のご相談になると、ご自身の課題をまだ明確に認識されていない方も少なくありません。これは、相続の難しさでもあり、私たちが大きく手助けできるポイントと思っています。
また、生前対策のご相談に来られる方は「どこに相談すればいいのか」「誰に聞けばいいのか分からない」という不安を抱えている方が多い印象があります。相続が発生してからの相談と、生前対策の相談に来られるお客様の割合では、すでに揉めてしまっている相続のご相談が多いです。
お客様のご相談を伺う際に、心がけていることはありますか?
特にご家庭の事情が複雑な場合は、「2回の相談で1セット」と考えるようにしています。初回のご相談では、必要な情報を丁寧にお聞きするだけで1時間、場合によっては1時間半ほどかかることもあります。そのため私は、「診察」と「診断」の時間を分けるようなイメージで進めています。
まず初回は、状況を詳しくお聞きする診察の時間。そして、その内容をもとに課題を整理し、次の面談で「ここにリスクがあります」「この部分に対策が必要です」と診断をお伝えする。そのように、段階を分けてご提案するようにしています。
じっくりとお客様のお話を伺う時間を大切にされているんですね。
現在どこでどんな生活をしているのか。その配偶者やお孫さんのことまで含めて、家族関係を一度しっかり洗い出すことが、良い提案をするためには欠かせないと考えています。
たとえば、再婚されていて前妻との間にお子さんがいるケースや、お子さんがいなくてご兄弟が相続人になってしまうようなケースです。そうした家族構成によって起きやすい典型的な相続の問題については、「将来的にこんな風にご家族が困る可能性がありますよ」と、事前にお話しするようにしています。
生前対策のご相談をされるお客様に対しては、どのようなご提案をされますか?
私の考えでは、生前に検討しておくべき相続対策は、大きく分けて7つくらいあると思っています。その中のたったひとつしか手をつけていない、ということもよくありますので、「他にもこういう対策がありますよ」とお声がけすることもあります。
トラブル解決だけではない相続のトータルサポート
これまで先生が応えてこられたご相談の中で、特に印象に残っているご依頼はありますか?
緩和ケア病棟にいらっしゃる方からの、危急時遺言のご依頼です。危急時遺言とは、遺言者が病気や船が遭難した場合で、生命の危機が迫っている状態で作る遺言書のことになります。口頭で遺言を遺すことを許されており、証人が代わりに書面化する遺言の方式です。
この危急時遺言は発生した限られた時間の中で、精一杯の対応をし、依頼者の方がほっとした表情を見せてくださったのが印象に残っています。専門家の立場から見ると、家族信託や生命保険信託など、本当は「もっとやってあげられることがあったな」という想いもありました。それでも、安堵していただけた空気が伝わってきたときに、あらためて「弁護士というのは、いい仕事だな」と思えたことが大きいです。
危急時遺言を含め、相続に関して幅広く対応されている先生は多くないと思います。そのようなスタンスを取っている理由は、どのような想いからでしょうか?
現在、受けているご依頼の8~9割が相続に関するものなのですが、生前対策を扱うようになって感じたのは、個別のサービスや手続きだけに詳しければいいわけではない、ということです。やはり終活や生前対策の分野を一通り理解していないと、お客様に対して過不足のない提案はできないなと実感しています。
相続という分野を「トラブル解決のための弁護士業務」にとどまらず、お客様をトータルに支えるものとして捉える、といいますか自分が扱える「パッケージ商品」にお客様を当てはめるのではなくて、その方に本当に必要なものを提供する、という姿勢が大事だと思っています。全体を見渡したうえで、最適な提案ができる存在でありたいですね。
社会に必要とされている終活支援に注力したい
相続の中で特に注力している業務について教えていただけますでしょうか。
現在、特に力を入れているのが、「おひとり様」や「子どものいないご夫婦」などの終活支援です。こうした方々は制度の狭間で十分なサポートが受けられていないことが多く、社会的に取り残されやすいと感じています。行政の支援にも限界があるため、これからも積極的に取り組んでいきたいですね。
ただ、この分野は自分にとって期間限定の役割かもしれない、という想いもあります。たとえば、現在私が任意後見や死後事務を受けているのは、80代や90代の高齢の方々で、その方からすると私は孫世代。その分、自然と「自分が責任を持って見届けたい」という気持ちになります。
でも先日、50代前半の方からご相談を受けて、自分がまだ35歳であることを考えると、「この方が亡くなるときまで、自分は現役で働いていられるだろうか」とふと不安になったんです。だからこそ、自分とお客様との年齢差は、終活支援をするうえで重要なポイントだと実感しています。
この仕事は社会的に非常に意味のあるものだと思っていますが、将来的には自分の年齢とのバランスも考えながら、どこかの段階で区切りをつける必要があるのかもしれません。
ご相談にいらっしゃるのは、事務所のある横浜近辺の方が多いのでしょうか?
そうですね。横浜、横須賀、川崎が多いです。横浜市中区のあたりは、戦争で一度すべて焼けてしまった歴史があります。当時、戦後の復興を進める中で、自治体や公的機関が土地を貸し出す形で再建が進められました。そして、そうした経緯のまま現在まで使われ続けている場所が、実は少なくないんです。そういった背景もあって、この地域では借地権が関係する相続が他の地域より多い印象がありますね。
お客様からのご相談は、どういった経路が多いのでしょうか?また、来所が難しい方に対してどのような対応を心がけていらっしゃいますか?
新規のお客様は他の専門家の先生からの紹介が大多数ですね。あとはそういった専門家の方々や、不動産会社の方と一緒に相続の相談会を定期的に開催しているのですが、その相談会からご依頼につながることもありますね。
もし、当事務所へ足をお運びいただくのが難しい場合は、私が出向く出張相談やオンライン相談などで対応しています。横浜市内であれば伺いますし、遠方の依頼者の方は、オンライン通話を繋いでお話しすることもあります。
将来を見据えた、抜けのない終活支援を目指す
ご経歴についてお伺いします。弁護士を目指されたきっかけを教えてください。
きっかけは大きくふたつあります。ひとつは父の影響ですね。父は法学部出身で、学生時代に司法試験を目指していたそうなんです。最終的には「難しかったのと、学生生活が楽しくてつい遊んでしまった」と言って諦めたようですが、その話を聞いて、「父が諦めた道ってどんなものなんだろう」と、どこかで興味を持っていたんです。
もうひとつは、大学時代に所属していたディベート部の経験です。議論すること自体がすごく面白くて、夢中になっていました。その経験を活かせる仕事をしたい、ディベートに近いことを職業にできたら、という気持ちもあって、弁護士を目指すようになりましたね。
ディベート部ではひとつのテーマについて、半年ぐらいかけて準備をして大会に出ます。そこで根気強く資料や文献を探すというところも、今の業務に役に立ってるかもしれませんね。
これから先の将来の展望はありますか?
生前対策や終活については、どこか片手落ちになっているケースが少なくないと感じています。専門家が関わっていたとしても、実際に亡くなった後に状況を確認すると、「あのとき、もう少しこうしておけばよかったのに…」という事例が一定数あるんです。そうしたことがないように、本当にその方にとって必要なものを過不足なく提供できる専門家でありたい、という想いがあります。
たとえば、遺言書は作っていても、認知症対策としての任意後見や家族信託が整っていない場合や、逆に認知症対策はしていても、相続対策としての遺言や遺産の分け方に工夫が足りず、結果として相続税が高くなってしまう…といったケースです。そうした部分も含めて、全体を見通した提案ができるようにしたいと思っています。
また、将来的には、相続や終活ビジネスに参入したいと考えている専門家や保険業、不動産会社の方々に向けて、コンサルティングのような形で支援できたらいいな、という想いもあります。相続を扱う専門家を支える「先生の先生」のような立場を目指してみたい、そんなことも考えています。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
やはり「誰に相談すればいいのか分からない」「どこに相談したらいいのか分からない」と感じている方が多いように思います。私が大切にしているのは、「0回答にはしない」ということです。たとえその場で明確な解決策が出せない場合でも、「それは専門外なので」「他を当たってください」と突き放すような対応はしません。
たとえその相談がご依頼に繋がらなかったとしても、「こういうことを今後準備しておく必要があるんだな」と気づいてもらえるような、何かひとつでも持ち帰っていただきたいと思っています。そして、「また困ったときには、この人に相談すればいい」と思ってもらえることが、私にとっては大きな意味があると感じています。おひとりで悩まず、現在相続に関してお困りの方、不安をお持ちの方は気軽にご相談にいらしてください。
プロフィール
横浜平和法律事務所
弁護士 大石 誠
平成26年:司法試験合格
平成28年:横浜平和法律事務所入所
令和3年:横浜平和法律事務所 パートナー弁護士
神奈川弁護士会:第53642号
相続診断士
終活カウンセラー

取材を終えて感じた先生の人柄
「お客様に対して過不足のない提案をしたい」という想いから、相続の手続きだけでなく、生前対策から終活支援までトータルで支える姿勢で一つひとつのご依頼に向き合っておられる大石弁護士。物腰も柔らかく、どんな相談にもじっくりと耳を傾け、そのうえで課題を丁寧に整理していく対応から「また困ったときには先生に相談したい」と思わせる安心感がにじみ出ていました。
特に印象的だったのは、おひとり様や子どものいないご夫婦といった、社会的に孤立しがちな方々に対して、「孫や子世代である自分が、その方を支え最後まで見届けることができたら」と語られていたこと。危急時遺言など、他ではあまり扱われない領域にも積極的に取り組まれている背景には、そうした方々の不安を真正面から受け止める強い覚悟があるのだと感じました。
「相続」というデリケートで複雑なテーマに、法的な知識と人としての温かさの両面から寄り添う。そんな先生の誠実なお人柄が伝わってくるインタビューとなりました。
事務所概要
- 名称
- 横浜平和法律事務所(弁護士 大石 誠)
- 資格者
- 弁護士 大石 誠
- 所在地
- 神奈川県横浜市中区日本大通17
横浜平和法律事務所
- 電話番号
- 050-7587-7305
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日 9:00~17:00 ※ご予約で平日時間外も相談可能
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 対応エリア
- 神奈川県
- 所属
- 神奈川弁護士会:第53642号
- 事務所の特徴
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メールで相談する事務所情報掲載日:2025年7月11日
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