共同代表それぞれの強みを活かして、お客様の課題を解決する
兵庫県の明石市に事務所を構える、いっしん司法書士事務所。髙田司法書士と杉原司法書士の2名が代表を務める、相続に特化したサービスを提供している司法書士事務所です。共同代表のお2人に、お互いの強みやこれから目指すものについて、ざっくばらんにお話しいただきました。
先輩・後輩という関係から、事務所の共同経営者へ
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?
髙田先生(以下敬称略)
ご相談の内容としては、相続登記が1番多いですね。ただ、最近は預貯金や有価証券の解約を含めた、相続全般のご相談にいらっしゃる方も増えてきています。
髙田先生と杉原先生の共同代表制をとられていますが、お客様からのご相談はお2人それぞれでご対応されているのですか?
杉原先生(以下敬称略)
そうですね。新しくご相談いただいた方については、髙田と私が交代で担当させていただいており、特にご相談内容によって担当を分けるといったことはしていません。
過去にお付き合いのある方からのご紹介については、それぞれが責任をもって対応させていただいているという状態ですね。
ご紹介で相談にいらっしゃる方も多いのですか?
髙田
そうですね。当事務所は元々私が一人で営業していたのですが、当時はほぼご紹介のみで成り立っていました。その後に杉原が合流してくれて、ご紹介ではない経路からも新規のご相談を受けられるように体制を整えていきました。最近になって、ご紹介と新規のご相談、それぞれバランスよくお受けできるようになってきたというところですね。
髙田先生が一人ではじめられた事務所ということですが、独立開業されて杉原先生が合流されるまでの経緯を聞かせていただけますでしょうか。
髙田
私は司法書士になったときから、いつか独立開業したいという願望がありました。そのうえで司法書士として経験を積み、自分にとって最適なタイミングが来たかなというところで、本格的に独立開業を考えるようになりました。
ちょうどその頃、明石市の子育て施策がメディアで取り上げられるようになり、人口が増えている自治体として明るいニュースを目にする機会が増えてきたのです。私は明石に近い高校に通っていたこともあり、身近な街ということもあったので、明石で開業することを決意したという経緯です。
そこに杉原先生が合流されたということですね。杉原先生はどのような経緯で、髙田先生の事務所に合流することになったのですか?
杉原
髙田は私が勤務していた事務所の先輩であり、指導係として司法書士の仕事を教えてもらっていた関係でもありました。また、私は明石が地元ということもあって、髙田が独立してからも「今度帰省するので、飲みに行きましょう」といった具合に、気軽に話ができる関係性が続いていたのです。
一緒に働いていた時から、仕事に打ち込む姿勢やお客様への対応がすごく尊敬できる先輩だったので、独立してからも「この人から色々と学ばせてもらおう」というつもりで、話ができる機会を持っていたという感覚です。
その中で半分冗談のような感じで、「僕の机を置くところ、空けてありますか?」みたいな話はさせていただいていて。その後、髙田の事務所運営が軌道に乗り、広い事務所に移転をすることになったのですが、そのときに「一緒にやらせてください」と言いやすいチャンスだなと思って、合流を申し出たという経緯です。
髙田
どちらかというと、私の方から口説いていたのだとも思います。元々私は事務所を一人でやるつもりはなくて、誰かと一緒にやりたいと考えていました。
自分一人の事務所だと、私が事故に遭ったり病気や怪我で入院してしまうと、仕事がストップしてしまいます。そうなるとお客様に大きな迷惑をかけてしまいますので、何かしらのバックアップ体制は必要だと。
そういった背景もあって、誰かと一緒に事務所をやりたいなとずっと探していて、杉原に目を付けたということです。
誠実でマメな先生と、信頼関係の構築に長けた先生
髙田先生の方から口説かれたということですが、杉原先生のどういった点が一緒にやりたいと思われたポイントだったのでしょうか。
髙田
杉原は「誠実」という言葉が一番似合うような司法書士です。それはお客様に対してもそうですし、一緒に仕事をする人に対してもです。一緒に働く中で、お客様とスタッフそれぞれへの対応を見ていて、杉原の誠実さに感心することが多かったので、「一緒に事務所をやるんだったら、こういう人とやりたいな」と思うようになりました。
当時の先輩・後輩という関係から、現在の共同経営者という関係になって、杉原先生との関係性が変わった面はありますか?
髙田
お互いに相談し合うことは増えたのかなと思います。基本的に各々の業務は自己完結型でやっていこうという方針なので、逐一報告や相談をすることはないのですが、やはり判断に悩むことはありますので、そうした時にはお互いに相談するように意識しています。
私が年上で先輩だったということは関係なく、対等な関係での相談ですね。事務所として何か決断が必要なときも、私が独断で決めることはせず、杉原の意見を聞きながら進めるようにしています。
髙田先生から「誠実」という言葉があがりましたが、杉原先生から見て髙田先生はどんな司法書士ですか?
杉原
私が割と細かいタイプなので、特に感心しているのが、髙田は物事を決める決断力がすごいです。私なら細かいことを気にしてしまう局面でも、スパっと決めて「あとはやるだけ」という形に持っていく。自分にないものを持っているので、そういう意味ですごく魅力的だなと思っています。
お互い違ったキャラクターで、それぞれが共同代表ということで対等な決定権をもらっているので、私としてもやりやすいというか、居心地がいいと思っていますね。
お2人それぞれが違った強みを持たれていると思うのですが、お互いの仕事ぶりで「すごいな」と感じるところはありますか?
髙田
先ほどの「誠実」につながるところではありますが、杉原の仕事は誰に対してもマメだなと思います。お客様に対する報告・連絡もマメですし、手続きのやりとりをしていても、すごくマメだと思います。それなので、お客様からの満足度は高いですね。もちろん私もマメな仕事をしようと思うのですが、杉原にはかなわないですね。
杉原
私は後から事務所に合流したので特に感じるところではあるのですが、髙田が築いてきた信頼関係はすごいですね。お客様はもちろんですが、他の士業の先生との信頼関係が、本当にしっかり構築されています。
弁護士の先生だったり、税理士の先生だったり、お互いの専門分野をリスペクトしていて「この分野で困ったことがあったら、あの先生に聞くのが一番」という関係性が構築されている。私たちだけでは解決できないお客様の課題にも対応できるようになっているので、これはすごく良いことだと思いますし、私も見習いたいなと思っているところではあります。
他の士業の先生と協力しながらご相談に対応されるということも多いのですか?
髙田
そうですね。相続と一口に言っても、相続税の申告であれば税理士の先生による手続きが必要になりますし、紛争性のある相続であれば、弁護士の先生に相談する必要があります。相続の後に不動産を売却するということもありますので、色々な専門家の力を借りながら、お客様のご相談にお応えしています。
そのような場合は、私がお客様の窓口になって、各分野の専門家とおつなぎして進めるようにしています。お客様から見た窓口は私1つなので、他の専門家を探すことなく、ある意味ワンストップで相談できる。お客様にストレスを感じさせないご対応というものは、意識して取り組んでいますね。
お客様と、顔をあわせての話し合いを大切にする
事務所の特徴や強みを教えていただけますか?
髙田
メンバーの若さと、フットワークの軽さが特徴だと思っています。私が40代、杉原が30代と、司法書士としては若手の部類に入りますので。
土日祝日や夜間のご相談をいただくことも多く、中には来所いただくことが難しいお客様もいらっしゃるので、出張でのご相談を希望されることもあります。そうしたご相談にも、私たちの身体が空いていれば対応可能という、柔軟な対応ができることが強みですね。
杉原
私もフットワークの軽さからくる柔軟な対応が特徴だと思っているのですが、特に髙田と私の2名体制で動けることによるメリットは大きいと思います。急ぎの対応が必要になる場面で、一人で対応している場合だと、調整できるスケジュールにも限界があります。
そのような局面で「私でよければ、今すぐ対応させていただきます」とご案内することができる。この対応によってお客様に喜ばれることもありますので、同じレベルで対応できる司法書士が2人で動いていることが、私たちの強みだと思います。
他には、出張対応の柔軟性も、私たちの特徴ですね。「今度家族が集まるタイミングで、実家に来て説明してもらえますか?」といったご相談も大歓迎で、お客様が「来てほしい」とご希望された際には、できるかぎりご訪問して相談にお応えするようにしています。
髙田
杉原が挙げてくれた特徴に加えて、私ももう1つ追加させていただくと、ご依頼を完了した後に、2回目・3回目のご相談をいただくことが多いです。お客様から別のご相談をいただいたり、「身内で困っている人がいるので、話を聞いてもらえませんか?」といったご相談をいただいたり。長いお付き合いをさせていただいているお客様が多いのは、私たちの特徴的なところだと思います。
2回目・3回目のご相談をいただくというのは、お客様からの信頼があってこそだと思うのですが、事務所として何か心がけていることはあるのですか?
髙田
2回目・3回目のご依頼をいただくのは、お客様それぞれに事情がありますので、何か1つの理由があるわけではありませんが、事務所としては「お客様と顔をあわせてお話しする機会を、複数回設ける」ということを意識しています。
最初のご相談の際に顔をあわせてお話しさせていただきますが、ご依頼の内容によっては、その1回の面談で手続きを完了させられることもあります。そのような場合でも、手続きが完了したときにできるだけお客様とお会いしてお話しするようにしています。
電話や書類の郵送で終わるのではなく、最後もお会いして、お話をしてご依頼を完了させる。もしかすると、このご対応が次のご依頼やご紹介につながっているのかもしれません。
相続の課題解決のために、それぞれが見据えるもの
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望を教えていただけますか?
髙田
司法書士として、空き家問題の解決に寄与したいと思っています。空き家は社会問題になっていますが、空き家が発生する原因は、大半が相続がうまくいっていないことだと考えています。でもそこは、司法書士としてコミットできる分野でもあります。
空き家は今すでに社会問題になっていますが、あと10年もすると、もっと大きな問題になっているでしょう。もしこの問題を解決するために役に立てることがあれば、それは司法書士になった意味があると思うのです。
どのような方法で空き家の問題にアプローチされているか、詳しく伺ってもよろしいでしょうか。
もっとも効果的だと考えているのが、空き家にならないための生前対策です。たとえば、自分が亡くなると空き家になる可能性がある場合、遺言書にご自身の希望を残しておくだけでも、空き家になる未来を回避することができます。
相続で空き家になってしまったというご相談を、私たちはこれまで数多くいただいてきました。でも本当に大事なのは、空き家になる前の段階からの対策だと思うのです。その段階から私たちがコミットできれば、空き家にしない・させない対策をご提案することも可能ですので。
まずは、生前対策と空き家の対策はセットになっているということを、知ってもらうことが大事だと考えています。そのためのセミナーであったり、SNSを活用した情報提供というところに、これから力を入れていきたいと考えていますね。
杉原先生にも、これから取り組みたいものを伺ってよろしいでしょうか。
杉原
私は司法書士業務の中でも、会社法人の登記に関する業務を扱うことが多く、興味がある分野でもありますので、会社の相続というものに取り組みたいと考えています。いわゆる事業承継であったり、M&Aや吸収合併によるクロージングであったり。こうした手続きは司法書士の中でも専門的な分野になってくるので、対応できる事務所も限られてきます。
こうした領域の業務にも取り組んで、事業を営まれている方の相続について、ご自身の相続と合わせて、会社の相続でも満足いただけるサービスを提供できるようになりたい。そのようなご相談をいついただいても大丈夫なように、しっかり準備をしていきたいというのが、まさに今取り組んでいることです。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
髙田
私たちはお客様からのご相談に対応させていただく際に、じっくりお話を聞かせていただくことを心がけています。せっかくお問い合わせいただいて、ご対応させていただくことになるのであれば、お困りごとを解決して満足していただきたいと考えているからです。
私たちのような司法書士に相続の相談をすることは、ハードルが高いと感じる方もいらっしゃるでしょう。できるかぎりそのハードルを下げられるように、私たちは問い合わせのしやすい事務所、困りごとを相談しやすい雰囲気づくりを大切にしています。
敷居の高さは全然ありませんので、相続で困ったことがありましたら、本当に気軽に相談いただいて大丈夫ですので、ぜひお問い合わせいただければと思います。
杉原
ありきたりな表現になりますが、悩まれているのであれば1度ご相談いただくのが良いですよとお伝えしたいですね。相談やお電話だけで解決してしまって、ご依頼には至らないこともあるのですが、私はそれでも構わないと思っています。
むしろ「とりあえず連絡してみるか」という感じでご連絡いただいた方が、ご本人様も認識されていない相続の全体像をご案内できますので、お悩みの解決につながることもあります。「ここで悩んでおられますけれど、こっちを先に考えた方がいいですね」といったアドバイスですね。
そうした全体の交通整理のようなものは、得意としていると自負しておりますので、その中で少しでも「この人にもう少し相談してみよう」と思っていただけたら嬉しいですね。ご相談には本当に丁寧に対応させていただきますので、いつでもお気軽にご連絡いただけたらと思います。
プロフィール
いっしん司法書士事務所
司法書士 髙田 義久
平成10年:滝川第二高等学校卒業
平成15年:同志社大学経済学部卒業
平成25年:司法書士試験合格
平成29年:いっしん司法書士事務所 開業
兵庫県司法書士会:第2070号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1312109号
いっしん司法書士事務所
司法書士 杉原 佑典
明石西高等学校国際人間科卒業
神戸大学法学部卒業
平成29年:司法書士試験合格
令和4年:いっしん司法書士事務所 共同代表
兵庫県司法書士会:第2135号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1712062号
取材を終えて感じた先生の人柄
先輩・後輩という関係から、共同経営者になった髙田先生と杉原先生。お互い異なる強みを持ち、それぞれを尊敬されていることが、お話をされている様子からも伝わってきました。
事務所名の「いっしん」は、「一心不乱」「一意専心」に由来しているとのこと。2人のキャラクターは異なりますが、それぞれのアプローチで一心不乱・一意専心のサービスを提供されていることが、お客様からの信頼につながっているのでしょう。
力強いリーダーシップで信頼関係を築く髙田先生と、誠実でマメな仕事の杉原先生。「お2人どちらにもお世話になりたい」と思わせる、事務所としての懐の深さを感じた取材となりました。
事務所概要
- 名称
- いっしん司法書士事務所
- 資格者
- 代表 司法書士 髙田 義久
代表 司法書士 杉原 佑典
- 所在地
- 兵庫県明石市樽屋町1番29号エヌグラン明石3階いっしん司法書士事務所
- 電話番号
- 078-915-0163
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 対応エリア
- 兵庫県
- 所属
- 司法書士 髙田 義久
兵庫県司法書士会:第2070号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1312109号
司法書士 杉原 佑典
兵庫県司法書士会:第2135号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1712062号
事務所情報掲載日:2023年11月29日
ご利用の際には、利用規約をご確認ください