相続は「想いの継承」、ご家族の絆を未来へつなぐサポート

広島県広島市安佐北区に拠点を構える司法書士・行政書士菅井事務所では、遺言書の作成や生前贈与、家族信託などの生前対策から遺産分割協議書の作成まで、相続にまつわる幅広いご相談に対応しています。菅井 之央司法書士・行政書士は、相続に対する考え方、想いを共有したいと願い、エンディングノートの普及活動にも力を注いでおられます。セミナー講師としての活動や書籍執筆も行う菅井先生に、事務所の強みや相続において大切にされている考え方についてお話を伺いました。
本当の悩みを知るため、時間をかけて話を聞く
まずはお客様のことからお伺いしたいと思います。お客様はどのような相続のご相談でお越しになることが多いでしょうか?
以前は相続登記のご依頼が9割を占めていましたが、令和7年現在は、相続登記だけではなく「相続手続きを一括で任せたい」という遺産整理のご依頼をいただくことが増えています。
相続登記が義務化されたので、私の方でも相続登記のご依頼が増えるのではないかと予想していたのですが、実際には遺産整理をご依頼されるお客様が増えました。今では全体の3〜4割が遺産整理のご依頼となっており、相続に関するお客様のニーズが包括的なサポートへと変化してきていることを実感しています。
遺産整理のご依頼が増えたのはどうしてでしょうか?
主な要因として、広島県相続診断士会からのご紹介が増えたことが挙げられます。この会は専門家だけでなく、金融機関や不動産会社の方々など、相続について学びたい方々が集まる場で、私は副会長を務めています。そこでのつながりから多くのご縁をいただいているんですね。
また、事務所を立ち上げて8年が経過しておりますので、地域の皆様に少しずつ認知されてきたことも大きな要因だと感じています。長く地域に根差した活動を続けることで、信頼関係が築かれてきたのだと思います。
生前対策についてもご依頼いただくことはありますか?
はい。最近では相続手続きよりも、生前対策の依頼が増えています。生前対策を相談されるお客様は、生前から相続について先を見据えて真剣に考えられている方がほとんどですので、まず生前対策のご相談をいただき、お亡くなりになられた際には、私どもの方で相続手続きをサポートしております。この場合は、手続きに入る段階で「すべてお任せします」と遺産整理のご依頼をいただくことが多いですね。生前からの信頼関係が、包括的なサポートへとつながっていると感じています。
お越しになるお客様への対応で、心がけていることはありますか?
もっとも心がけているのは、お客様の本当の悩みをしっかりお聞きすることです。まず、お客様がどんなことにお困りなのかを伺う。本当の悩みは、時間をかけてじっくりお話を聞かなければ、見えてきません。お客様の目線で、どのようなことを必要としているか、そして喜ぶか、ということをひたすら考えている感じです。
専門家としての視点も大切ですが、常にお客様目線で「どのようなことを必要としているか」「何が一番の喜びになるか」を考え続けています。遠方まで出向いて気づけば2時間も話し込んでいたこともありますが、その時間こそが信頼関係を築く大切な投資だと考えています。
お話を伺った後は、どのように進められていますか?
対話を通じて本質的な課題が見えてくると、「遺言書だけでは解決できない問題」など、より複合的な対応が必要なケースが浮かび上がることがあります。たとえば、エンディングノート(自分に関するさまざまな情報や想いをまとめておくもの)を先に作成した方が良いと判断するケースも少なくありません。お客様一人ひとりの状況に合わせて、最適な進め方を提案するよう心がけています。
エンディングノートの作成にも携わられているとのことですが、はじめられたきっかけを教えていただけますか?
相続対策、相続手続きは非常に複雑で、たとえばご高齢の方にいきなり説明してもご理解いただくことが難しい場合が多いんです。そこで、まずはより親しみやすいエンディングノートから始めることで、「どなたでも取り組めますよ」と段階的に理解を深めていただける環境を作りたいと考えました。
遺言書を作成するのも大事ですが、お客様との対話を通じて、それ以上に大切にしている想いや価値観があることが多いことに気づいたんです。事務所の利益は考えず、お客様の想いに寄り添い、それを形にするお手伝いをしたいという想いからエンディングノートの作成サポートを始めました。法的な手続きだけでなく、家族間の「想いのバトン」をつなぐことが、私たちの大切な役割だと考えています。

専門家ネットワークの総合力で相続を包括サポート
続いて、事務所のことについてお伺いいたします。現在、事務所は何名様体制で運営されていらっしゃいますか?
実は私ひとりで運営しているんですよ。ただ心強いのは、多くの方々が常にバックアップしてくださっていること。たとえばセミナー開催時には「手伝うよ」と声をかけてくださる協力者に恵まれています。ひとり事務所でありながら、幅広く活動できる環境に日々感謝しています。
そのように、ご協力いただける方が周りにいるのは大きな強みですね。ほかにも、事務所様の強みがあれば教えてください。
大きな強みは、広島県相続診断士会の方々と協力して、幅広い相続のご相談に対してワンストップで対応できることですね。実は、「広島県で一番大きな相続のプラットフォーム」を作りたいという想いがありまして。ここに来ていただければ、相続に関するあらゆる課題が解決できる体制づくりに、現在もっとも力を注いでいます。
司法書士の力だけだと、どうしても解決できないことがあるんですよ。そこで、税理士や弁護士の先生はもちろん、不動産会社の方、保険会社の方、遺品整理会社の方も、一緒に協力して相続を解決できる「相続の専門家集団」を、今よりもさらに広げていきたい。これにより、単なる相続手続きだけでなく、それこそ終活を含めたより幅広いサポートが可能になり、今以上にお客様の多様なニーズにお応えしていきたいなと思っています。
「一緒に協力して解決していく」ところを、もう少し詳しく教えていただけますか。
そうですね。私の主な活動エリアは広島県内が多いんですけども、たとえば、「大阪にある不動産の売却相談に乗ってほしい」というお客様がいらっしゃったとします。私は広島県のことは分かりますが、大阪の不動産事情は把握しきれていない。そんなとき、広島県相続診断士会や全国の専門家ネットワークを通じて、信頼できる大阪の専門家をご紹介し、共同でお客様の問題解決にあたるという、連携のことです。
このような「頼れるネットワーク」があることで、地域を超えた課題にも対応できることが私たちの強みです。お客様にとっては「相続のことなら菅井事務所に相談すれば、どんな問題も解決してもらえる」という安心感につながると考えています。
ご対応されているエリアを教えてください。
主なエリアは、広島市近辺ですね。
広島市を中心に、地域密着でサービスをご提供されているということでしょうか?
はい。広島市には中区や西区、東区など8つの区がありますが、司法書士の事務所は中心部に集中している傾向があるんです。中区が広島市の中心地であるのに対し、私の事務所がある安佐北区は少し北に位置していまして、この地域では対応できる司法書士が比較的少なく、地域の方々にとって身近な専門家が不足していると感じたことが、この地に根を下ろすきっかけとなりました。
安佐北区では、どういった理由から身近な専門家が不足しているのですか。
物理的な距離が近くても、道路を挟むと「遠い」と感じる方が意外と多くいらっしゃるからだと考えています。さらに、安佐北区はご高齢の方が多くお住まいで、中心部まで足を運ぶのはハードルが高いと感じる方も少なくありません。そうした地域の皆さまの受け皿になりたいという想いから、安佐北区に事務所を構えました。「近くにある頼れる専門家」として、地域の方々の相続に関する悩みに寄り添いたいという想いが私の原点になっています。
先ほど伺った広島県相続診断士会でのご活動の噂を聞いて、ほかの地域から訪ねてこられるお客様もいらっしゃいますか?
はい。ですが、お客様ではなく、相続の仕事をしっかり進めていきたいと考えている同業の方から「勉強会に行ってもいいですか?」と聞かれることも多いですね。そこからセミナーの話につながったり、相続に関する本を数冊出版させていただいたりしています。
相続という重要なライフイベントについて、より多くの方に正しい知識を持っていただきたいという想いから、今後も情報発信活動には積極的に関わっていきたいと考えています。専門家としての知見を広く共有することも、私の大切な使命だと感じています。
お話しを伺っていると、ご紹介やセミナー経由でのお客様も多くいらっしゃるんじゃないかと感じました。
そうですね。実際、ご紹介でお客様からご依頼いただくことは多いと感じています。また、セミナーを通じてご縁をいただくケースも少なくありません。あとは、先ほどもお話ししましたが、安佐北区に事務所を構えて8年が経ちましたので、この地域に根付いてきた実感もあります。看板を見て直接お越しになるお客様も増えてきました。地道な活動が実を結び、「地域の専門家」として認知していただけるようになってきたことをとても嬉しく思っています。
一人ひとりと真摯に向き合う、信頼構築の哲学
それでは次に、先生のご経歴についてお伺いしたいと思います。司法書士を目指したきっかけを教えてください。
大学を卒業して、薬剤師として薬局に勤めていたのですが、将来のビジョンを描こうとしたとき、5年後、10年後、20年後と、その先の姿が見えなくて。そこで、かねてから興味のあった法律の世界に行ってみたい、と思うようになりました。そして、特に人の生活や権利に直接関わる司法書士という道に魅力を感じ、目指したのがきっかけです。
薬剤師から司法書士に転職されて、その業務の違いから、何か気づいたことはありますか?
薬剤師の頃は、「お待たせしないこと」「迅速な対応」を何よりも重視していました。効率性を追求することが顧客満足につながると信じて疑わなかったんです。でも、今振り返ってみて、もっとお客様と向き合う時間を大切にすべきだったのでは?と感じています。
司法書士になってからは、お客様との信頼関係の構築をもっとも大切にしています。相続のような人生の重要な局面では、形だけの迅速さよりも、一人ひとりの状況や想いに寄り添い、じっくりと対話を重ねることが本質的な解決につながります。この「丁寧に向き合う時間」の価値こそ、私が薬剤師から司法書士に転身して得た最大の気づきかもしれません。
ほかにも、司法書士になられて、何かギャップを感じたことはありますか?
そうですね。一番驚いたのは、資格取得後のスタートラインの違いでしょうか。薬剤師は免許を取得すれば、現場ですぐに仕事をはじめられる一方で、司法書士は資格を得ても、お客様が自然に集まるわけではありません。ゼロからの挑戦という厳しさはありましたが、私はむしろその困難さにやりがいを見出しました。
自分で道を切り拓き、新しいサービスを考え、お客様との関係を一つひとつ築いていく過程が、とても創造的で刺激的なんです。「与えられた枠の中で働く」より「自ら枠を作り出す」仕事の醍醐味を日々感じています。この挑戦と創造の連続が、私にとっては何よりも楽しい原動力となっています。
そのように先生がお仕事を楽しいと感じられることで、こんな良いことがある、などの話があれば教えてください。
実は私、お客様にリラックスしていただくための”秘密兵器”として、いつもけん玉を持ち歩いているんです(笑)。名刺にもけん玉を持った姿のイラストを入れているのですが、これが思いがけない会話のきっかけになっています。
相続の相談ですから、本来は緊張したり重い気持ちで来られたりする方も少なくありません。そんなときに少し意外な「けん玉」の話題が入ることで、自然と場の雰囲気が和らぎ、本音の相談がしやすくなるんです。専門家としての堅苦しさを取り払い、人と人との対話を大切にする姿勢が、結果的に深い相談につながっていると感じています。
緊張してうまくお話できない方も、リラックスしていただけそうですね。
そうですね。初回相談で緊張されている方の表情が和らぐのを見るのは、いつも嬉しい瞬間です。あとは、このユニークな名刺イラストを見た方が覚えてくださって、そこからご紹介いただけることもあるんですよ。

財産より「想い」を継承する、家族の絆を紡ぐ相続
今後の展望を教えていただけますか?
私がこの先進めていきたいことは、大きく2つあります。まずひとつめは、エンディングノートの普及。人生の想いを残す文化を広めたいという強い使命感を持っています。もうひとつは、広島県相続診断士会を広島最大の相続プラットフォームへと発展させること。この2つの目標は、私のライフワークとして必ず実現させたいと考えています。
エンディングノートについては、現在は安佐北区を中心に普及活動を展開していますが、春には活動エリアを広げ、別の区でもセミナーを開催する予定で計画を進めています。本当に大切なことだと考えておりますので、一歩ずつ着実に広げていきたいですね。
ひとつめのエンディングノートについて、どのように普及してほしいか、先生のお考えをお聞かせいただけますか?
相続には、本質的に2つの側面があると考えています。それは、「財産」を引き継ぐ対策と、「想い」を引き継ぐ対策です。
私が何よりも大切にしているのは、後者の「想い」の継承です。実は「想い」の対策を先に行うことで、「この財産はこのように引き継ぎたい」という具体的な方針も自然と見えてくるものなんですよね。エンディングノートはまさに、その「想い」を形にする最初の一歩。これを通じて家族間のコミュニケーションが生まれ、相続という出来事を通して家族の絆がより深まることを願っています。
「想い」を引き継ぐ対策、とても素敵なお考えですね。
ありがとうございます。広島県相続診断士会で役員を務めて約6年になりますが、嬉しいことに「財産だけでなく想いも大切にしたい」と考える方が徐々に増えてきました。この価値観に共感してくださる専門家や依頼者の方々と共に、これからも相続という人生の大切な場面をサポートしていきたいと考えています。形だけの相続ではなく、想いのバトンをつなぐお手伝いができれば、これ以上の喜びはありません。
最後に、相続に悩まれて、専門家に相談するか迷っている方に向けたメッセージをお願いします。
相続の相談をする際に大切にしてほしいのは、亡くなられた方やご家族の気持ちを真摯に受け止め、「想い」を尊重してくれる姿勢があるかどうかです。迷われている方は、信頼できる専門家にぜひお話だけでも聞いてみてください。
私が長年の経験から確信しているのは、相続においてもっとも重要なことは「想いの対策」だということ。家族間での率直なコミュニケーションやエンディングノートの作成など、想いを共有することからはじめてほしいです。
こうした準備をしておくと、相続手続きの際にも家族間でスムーズに話し合えるようになり、トラブルが起きにくくなります。手続きが終わった後も「私たちの家族は円満に相続できました」と胸を張って言えるよう、「想い」の対策を、特に大切にしていただければと思っています。
プロフィール
司法書士・行政書士菅井事務所
司法書士・行政書士 菅井 之央
平成18年:京都薬科大学薬学部卒業 大手ドラッグストアに入社
平成25年:薬局に勤務しながら司法書士試験合格
平成26年:行政書士試験合格
広島司法書士会:第1063号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1424008号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
広島県行政書士会:第17340867号
取材を終えて感じた先生の人柄
お客様の「想い」を大切にし、丁寧に向き合う姿勢が印象的だった菅井 之央司法書士・行政書士。常にお客様の立場に立ち、本質的な悩みを引き出すことに時間を惜しまない姿勢が随所に感じられました。ときには遠方まで足を運び、気がつけば2時間も話し込んでしまうこともあるという献身的な姿勢からは、専門家としての強い使命感が伝わってきます。
また、新しいチャレンジを自ら見出し、前向きに取り組む好奇心と行動力も魅力的です。インタビューの最中、得意のけん玉を披露してその場の緊張をほぐしてくださった一面からは、お客様との距離を縮める温かいお人柄も感じられました。
「想いの継承」を大切にするという菅井先生の相続哲学は、単なる法的手続きを超えた、人間本来の絆を大切にする深い洞察に基づいています。ご家族の未来まで見据えたこの温かなアプローチこそが、多くの相続者から厚い信頼を寄せられる理由なのだと実感したインタビューとなりました。
事務所概要
- 名称
- 司法書士・行政書士菅井事務所
- 資格者
- 代表 司法書士・行政書士 菅井 之央
- 所在地
- 広島県広島市安佐北区口田4-1-8-201 司法書士・行政書士菅井事務所
- 電話番号
- 050-7586-6956
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日 9:00~18:00
※ご予約で土日祝日も相談可能
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 対応エリア
- 広島市を中心とする広島県
- 所属
- 広島司法書士会:第1063号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1424008号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
広島県行政書士会:第17340867号
広島県相続診断士会:事務局
- その他保有資格
- 上級相続診断士
家族信託専門士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
薬剤師
- 事務所の特徴
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