若さを活かし、誰もが足を運びやすい相談窓口を目指して
福岡県宗像市で、相続登記を中心とした相続の相談に対応している、司法書士あじさい法務事務所。平成6年生まれの森俊章司法書士が代表を務める、フレッシュな事務所です。「相談の敷居を少しでも低くしたい」という想いをもとに、さまざまな専門家と協力し、相談者に開かれた環境づくりに尽力されている森司法書士に、お客様との接し方や、相続業務で大切にされていることを伺いました。
お客様のお悩みを、最小限の負担で解決していく
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?
令和6年4月から相続登記が義務化されたということもあって、相続登記に関するご相談が圧倒的に多いです。相続登記義務化のニュースを見られて、お問い合わせをいただくことが増えていますね。その中でも多いのが、ご主人を亡くされた奥様が、土地や建物の名義を変えずに一人暮らしをされている、というケース。数年前に亡くなられていて、相続登記をしていないという場合がほとんどですね。
次に多いのが、預貯金などの解約でしょうか。銀行に提出する戸籍などを集めるのが結構大変なので、そこをお引き受けしています。
お客様にとってご負担のかかることは、なるべく一度に解決した方がいいと思いますので、相続登記のご相談とあわせてこちらからご提案しています。司法書士に預貯金の解約手続きを任せられることをご存じない方が多いので、預貯金をお持ちだということを伺った段階で、解約手続きのご案内をお見積りと合わせてご提示しています。
また、生前対策として遺言書の作成もお引き受けしています。書き方が分からないという方も、お気軽にご相談していただきたいですね。
宗像市の地域ならではのご相談というものもあるのでしょうか?
宗像市だけではないと思いますが、空き家、実家じまいのご相談がありますね。最近出てきた問題というよりは、おそらくずっと前からあって放置されてきたものだと思いますが。
私の住んでいる辺りでは、築40年を超える建物が多くなってきていますし、空き家も目立つ傾向にあります。全国的にも、空き家の問題がフォーカスされていますが、宗像市でも今後はより顕著になってくるのではないでしょうか。司法書士として、そういった問題にお悩みの方の力になっていきたいですね。
若さと柔軟さで、シニアのお悩みに丸ごと応える
いろいろなご相談があると思いますが、相談を受けたときに森先生はどんなことに気を付けていますか?
意識していることと言えば、自分の人となりを信用していただけるように接するということですね。相続の手続きは、やはり一般の方にとっては難しいものです。特に年配の方にはできるだけ分かりやすく説明し、安心して手続きをお任せいただけるように気を配っています。
世間的には、司法書士というと「50代~60代で、ちょっと厳かな雰囲気」というイメージだと思うんですけれど、私は比較的若いので、話しやすいと言ってくださる方は多いですね。お客様によっては、ご自身のお孫様と接しているような感じでお話しいただけることもあります。言葉遣いや身振り手振りなど、親しみを感じていただけるよう、あえてフランクにお話しすることもありますね。
以前に、80歳前後の男性の遺言書を書いたのですが、私の対応をとても喜んでくださって、グータッチを求められたこともありました(笑)司法書士からすると、そこまで特殊なお仕事ではなかったんですけど、お客様の満足した顔を見られたのは素直に嬉しかったですね。
事務所として工夫されていることなどはありますか?
私自身の若さを活かすこととあわせて、できるだけ司法書士事務所の敷居を低く設定するということでしょうか。事務所を訪問してインターホンを押したり、直接電話をかけたりするのは、なかなかハードルが高いことですよね。なので、こちらから外に出て行くようにしています。近くの文化施設で定期的に無料相談会を開いているのも、そういう場所だったら比較的足を運びやすいのかなと思ってのことです。あと、宗像市近辺であれば、ご自宅まで私が直接お伺いしていますので、待つというよりは、こちらからお客様にアプローチしていくことを意識していますね。
私のところに直接ご依頼に来られる方は、事務所のある宗像市内の方が多いです。つながりのある行政書士や不動産会社の方からご紹介をいただいて、福岡市や少し離れたお客様の対応をすることもありますね。
事務所は、お1人でやっていらっしゃるのですか?
あじさい法務事務所としては、私1人でやっています。ただ少し変わっているのは、同じオフィスの中で、相続にまつわる複数の専門家と一緒に仕事をしていることです。
どういうことかといいますと、私はいま、司法書士・行政書士・宅地建物取引士の3人の専門家を中心に、「しあわせシニア」というシニア世代のさまざまな相談にお応えする窓口を運営しています。不動産会社の協力も得て、シニアの方々のお悩みをはじめ、相続や空き家の問題に取り組み、より豊かなシニアライフをサポートしたいという想いで活動をはじめました。
結成の経緯ですが、私は以前から、宗像市のある自治会の依頼を受けて、1人でセミナー活動をしていました。いま一緒に活動しているほかの2人も、別の場所で個別相談会をしていたんですね。それがたまたま顔を合わせる機会があって、話をしてみたら、お互いやっていることが同じだったので、「別々にするんじゃなくて、3人で一緒にしましょう」と、とんとん拍子で話が進みました。
しあわせシニアの強みは、相続関連の手続きを、専門家で連携して進められることです。不動産の名義変更をするだけで料金がかかるので、それだけだと正直、お客様にとって金銭的なメリットが少ないんですよね。そこで、名義変更にあわせて不動産の専門家から、「お持ちの土地や建物を売却するとこれぐらいの価格ですよ」ということをお示ししたり、将来的に実家をどうするのが良いのかプランをご提案したりといったことをしています。そうすることで、お客様の利益につながりますし、包括的な相続対策を立てることも可能になります。
また、先ほどもお話ししましたが、司法書士事務所の敷居を低くするということにもつながります。「司法書士あじさい法務事務所」よりは、「しあわせシニア」の方が、お客様の抵抗感やとっつきにくさが少しでも和らぐのではないかと感じています。結成してからすぐ、自治体やデイサービス、老人ホームなどから、セミナーの依頼を多くいただくようになり、社会的にもこういう窓口が必要とされているのだなと思いました。入り口はどこからでも良いので、1人でも多くの方が相続の課題解決につながればという願いを持って活動しています。
生まれ育った地元の課題解決に関わりたい
司法書士を目指したきっかけを教えてください。
司法書士になろうと決めたのは、大学在学中です。就職活動のタイミングで、「何か自分1人で仕事をしたいな」というのが、まず出発点としてありました。たまたま大学が法学部だったので、弁護士や司法書士などを目指そうと考えるようになりまして。
宗像市もほかの自治体もそうだと思うんですけど、高齢化が進んでいますよね。大学時代を除けば、生まれも育ちもずっと宗像市だったもので、地元で何かお役に立ちたいという想いから、司法書士が1番マッチするだろうと考え、試験を受けることに決めました。令和2年に合格して、諸々の研修を受けてすぐに開業をしました。
司法書士でも、企業の問題を中心に扱っている方もいらっしゃいますが、私は相続を中心に、空き家や実家じまいなど、地域に根差した分野に力を入れてやっていきたいと思っています。
事務所のお名前が素敵だなと思いました。どのような由来があるのでしょうか?
ありがとうございます。あじさいの花は、同じ品種であっても、土壌や咲く場所によって花の色が変わるんですよね。ピンクだったり水色だったり。咲く場所によって花の色を変えるあじさいみたいに、社会や人々のニーズの変化に柔軟に対応できる事務所でありたいという想いを込めて名前を付けました。実は「どうして、あじさいなんですか?」と、結構聞かれるんですよね。そこから自然に会話も生まれるので、あじさいと名付けて良かったかなと思います。
いま実際に司法書士としてお仕事をされる中で、司法書士を目指していた頃とギャップを感じることはありますか?
正直、受験生時代は勉強で手いっぱいだったので、あまりその先をイメージできていませんでした。ただ、資格を取得して司法書士になってからの方が、できることの幅がぐんと広がったなと感じていて、司法書士になってよかったなと素直に思います。お客様がすごく満足されている姿を目の当たりにできることが、何よりも嬉しいですね。
誰もが来やすい、信頼される相談窓口を目指して
これから先のことについて、どんな展望を描いていますか?
しあわせシニアの活動を、より充実させていくことですね。お客様の声を聞いていて思うのは、「困っていることはあるけれども、どこに相談したらいいのか分からない」と仰る方が多いということです。あとは、司法書士事務所で手続きをすることは分かっていても、知り合いに司法書士がいなくてちょっと行きづらい、というお気持ちも感じます。
当事務所や、しあわせシニアが、そういう方の受け皿になっていけたらと思っているんです。誰もが来やすい、気軽に足を運べる相談窓口として地域に浸透していくのが、目標ですね。
最後に、相続に悩まれている方に向けて、メッセージをお願いします。
個人的には、どの専門家に頼んでも、最終的に相続の手続きの差はそんなにないのではないか、と考えています。ほとんどの事務所で、お客様のご状況を確認したうえで、最適な手続きを進められていると思うので。
では、どうやって選んだらいいのかという話になりますよね。相続の手続き業務というのは、ご家族の内側というか、お客様のプライベートな部分にかなり踏み込むことになります。家の事情を全部さらけ出してもいいと思えるような、気の合いそうな専門家を、ぜひ相続プラスさんを通じて見つけていただき、その方を信頼して全部お任せするのが一番いいのかなと思います。
やはり、信頼関係が築けないと、相続手続きはうまくいかないイメージがありますので、その専門家を個人としてどれだけ信頼できるかっていうところが重要になりますね。私は平成6年生まれなので、今年(令和6年)で30歳なんですけど、比較的若い方がいいというニーズがあれば、ぜひ当事務所までお問い合わせいただければ嬉しいです。
プロフィール
司法書士あじさい法務事務所
司法書士 森 俊章
平成25年:宗像高校 卒業
平成30年:立命館大学 法学部法学科 卒業
令和3年:司法書士試験 合格
令和4年:司法書士あじさい法務事務所 開業
福岡県司法書士会:第2064号
簡裁訴訟代理等認定番号:第2001353号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
取材を終えて感じた先生の人柄
大学時代から、明確なビジョンを持って司法書士を目指されていた森先生。「正直言いますと…」「ちょっと変なこと言うようですけど…」と、事務所のアピールよりも、相続に困っている方にとって何がベストなのか、という視点から受け答えされる姿が印象的でした。
そういう客観的なものの見方や、正直な振る舞いが、きっとご自身が一番大切にされている「信頼」を築く土台になっているのだなと感じました。事務所名に「あじさい」を冠した由来も、とても心に響きました。近くにこんな先生がいたら相談に行ってみたいなと思わせてくれる、飾らないお人柄に惹かれる取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 司法書士SMILE OFFICE(旧司法書士あじさい法務事務所)
- 資格者
- 代表 司法書士 森 俊章
- 所在地
- 福岡県宗像市日の里8丁目26番地9 司法書士SMILE OFFICE
- 電話番号
- 050-7586-4305
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日 9:00~18:00 ※ご予約で土日祝日も相談可能
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 対応エリア
- 福岡県
- 所属
- 福岡県司法書士会:第2064号
簡裁訴訟代理等認定番号:第2001353号
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート:会員
- 事務所の特徴
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メールで相談する事務所情報掲載日:2024年6月3日
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