”かかりつけの司法書士”として困っている人を助けたい
福岡県の福岡市で、相続・遺言や簡裁事件訴訟代理など、幅広い相談に対応されている渡邊司法書士事務所の渡邊司法書士。ご相談への向き合い方や、ご相談者様のお悩みを解決していく上で心がけていることについて、お話しいただきました。
すぐには解決できない、複雑なご相談に対応する
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談でいらっしゃる方が多いですか?
相続に関するご相談でいらっしゃる方が多いです。特に最近は、令和6年4月からの相続登記義務化にあたり、ずっと放置してしまっていた不動産の名義変更をしたいと、駆け込みでご依頼に来られる方もいらっしゃいます。
「相続登記をしないといけない」という危機感を持つ方が増えているんですね。具体的な相談内容を教えていただけますか?
たとえば「曽祖父さんの不動産の名義変更をしたい」というご依頼でいらっしゃる方がいます。この場合、時間の経過と共に相続人が増えるので、相続人が誰で何人いるのか分からない状態になっていることが多いです。
相続人を探すところから始まりますが、中には海外に移住していてなかなか連絡が取れない方がいたり、行方不明の方がいたり、相続人を見つけても認知症で意思表示できない方がいるなど、一般的な手続きよりも一気に難易度が高くなります。そういった、すぐには解決できない複雑なご相談に対応させていただいています。
相続は早期発見・早期治療、“かかりつけの司法書士”に相談を
時間が経てば、より手続きが複雑になってしまう場合があるということですね。
そうですね。たとえば、3人兄弟で、兄弟それぞれに3人ずつ子どもがいたとします。仮に兄弟3人の仲が悪く、相続について話し合わずに亡くなってしまった場合、3人ずつの子ども達、つまり、いとこ同士9人での話し合いが必要になります。さらにそのいとこの子ども、そのまた子ども、となると、どんどん末広がりに増えていき、簡単には対応できなくなってきます。
今なら兄弟同士仲が悪くても、3人で話し合うことができます。病気と同じで「早期発見・早期治療」、とにかく早く対応することが重要だと思っています。
相続の相談は早ければ早いに越したことはないということですね。そういう意味では、たしかに相続手続きも、病気と似た性質がありますね。
ご相談者様には「司法書士は町医者・弁護士は大学病院だと思ってください」とよくお伝えしています。
どんな病気でも、まずは近くの町医者で診てもらって、手に負えない場合は大学病院を紹介されますよね。私は、相続手続きもそれと同じだと思っています。「まずは町医者で診察し、処方箋をもらい、必要であれば大学病院にいく」これと同じように「まずは司法書士に相談し、アドバイスをもらい、必要であれば弁護士に依頼する」このような認識を持っていただいたらいいかなと思っています。
町医者で解決できるのであれば、大学病院で診てもらうより料金を抑えられますし、家からも近くて楽ですね。たとえば、名義変更したい不動産が遠方にある場合は、どこに相談すればいいでしょうか?
当事務所も「不動産が福岡県内にあるが、今は東京に住んでいる」というような方からお電話でご相談いただくことがあります。その場合、電話上で私にできるアドバイスをした上で、今住んでいる場所から近い司法書士を探した方がいいですよ、とお伝えしています。不動産がどこにあっても相続登記は問題なくできますし、ご相談者様が住んでいる場所から近い方が、面談もしやすく交通費もかかりませんよね。
相続登記でお悩みの方には、かかりつけの病院のように、家や職場の近くで、気になる症状をすぐに診てもらえるような、”かかりつけの司法書士”を見つけていただきたいです。
手続きを完了させるだけでなく、感情や気持ちまで整理する
ご相談者様と対峙する上で心がけていることはありますか?
”これをきっかけにご家族が仲良くなってもらうこと”を意識した対応を心がけています。
相続に直面した時、生前は仲が良かった兄弟でも「兄は大学に行かせてもらった」「妹は一番可愛がられて得をしていた」など、さまざまな感情が溢れ出して事務所内で大喧嘩になることもあります。相続が縁を切るタイミングにならないようにしたいと思っています。
”家族が仲良くなる”ために、実施されていることは何かありますか?
生前対策のご相談でいらっしゃる方に対しては、必ず遺言書(ゆいごんしょ)を書いてもらうようにしています。遺言書(ゆいごんしょ)とは、法的効力のない、気持ちや想いを伝える文章のことを指します。
法的効力があり財産の分配だけを記す遺言書(いごんしょ)とは異なるものですよね。遺言書(ゆいごんしょ)を残してもらうのは、どういう理由からでしょうか?
財産の分配結果だけを伝えるのは、不十分だと思っているからです。
なぜそのような配分になったのか、その理由が分からなければ、遺された家族は自分の相続分に納得できず、喧嘩や恨み合いに発展する可能性があると思うんです。なので、家族一人ひとりに対して、遺言書(ゆいごんしょ)を残してもらうようにしています。
心を込めて書けば必ず分かってくれると思っていますし、自分が旅立った後も家族が末永く仲良く暮らしていけるようにすることこそが、遺言書(ゆいごんしょ)の本当の意味なんだろうと思っています。
遺言書(ゆいごんしょ)を残していただく上で、渡邊先生がこだわりを持っていることはありますか?
最期に残す言葉が人の悪口であってはいけないと思っているので、“遺言書(ゆいごんしょ)に悪口は絶対に書かない”という信念を持っています。たとえば、遺言書(ゆいごんしょ)を残す相手が犯罪を犯した息子だったとしても、生まれた時はいい子だったはずなんです。その時のことや、よかった時のことを思い出して書いてもらうようにしています。
ご相談者様のご依頼を「手続き」として解決するだけでなく、遺されたご家族が仲良く幸せに暮らせることまで考えていらっしゃるということですね。
事務的に手続きを完了させても、司法書士としての実績や売り上げを作ることはできますが、私がやるべきこと・やりたいことはそうではないと思っています。
相続は、どれも同じ手続きではなく、人間の感情が絡んでくるので一つひとつにドラマがあります。私の元までご相談に来ていただいたからには、きちんと解決し、その上で感情や気持ちまで整理できるようにしたいと思っています。
「誰にもできないなら私がやる」本当に困っている人を助けたい
相続手続き以外のご相談に対応されることはありますか?
簡裁事件訴訟代理業務も多く対応しています。司法書士は認定資格という資格を取得すると、争う金額が140万円以内の簡易裁判所の民事事件であれば、弁護士のように訴訟ができるんです。
司法書士で積極的に訴訟案件に対応されているのは珍しいですね。
そうですね。訴訟を扱うと、訴訟の専門家である弁護士と戦わなくてはいけないですし、証拠を集めたり裁判所で弁論したり、手間と時間がかかるのでやりたがらない司法書士は多いです。ですが、弁護士に依頼すると10万円を回収するために依頼料を20万円支払わないといけないような場合もあります。
そういった方々が泣き寝入りするようなことにならないようできるだけ低額で対応して差し上げたい、という気持ちから扱うようになりました。
訴訟案件にしても、相続案件にしても、難易度が高く複雑なご相談に多く対応されていらっしゃると感じます。なぜ、そのようなご相談に対応されているのでしょうか?
他に、そういった対応をする司法書士がいないからです。
世の中に大勢いる司法書士の一人として、誰にでもできることしかやらない司法書士になっても意味がないと思っています。相続手続きに関しても、複雑なために他の事務所から対応を断られ、セカンドオピニオンとしていらっしゃる方が多いのですが、そういった本当に困っているのに助けてもらえる先がない、という方々を助けたいんです。「誰にもできないなら、私がやる」そう思って対応しています。
ご相談者様には笑顔で帰ってもらう
司法書士をする上で、大事なことは何でしょうか?
覚悟と運、そして度胸は大事だと思っています。中途半端な手数料欲しさで対応していると、ご相談者様に迷惑をかけますから。特に訴訟案件は最後は運の部分もありますが、いつでも司法書士は辞めるくらいの覚悟と度胸を持って一人ひとりに対応しています。
本当に困っているご相談者様は、渡邊先生のような司法書士がいてくださると、とても心強いですね。最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
せっかくご相談にきていただいたのに、悩んだまま帰らせてしまう、ということはやりたくないと思っています。ご相談者様にとってのハッピーエンドを迎えて、笑顔で帰っていただけるよう誠実に対応させていただきますので、複雑な案件でお困りの方もぜひ一度ご相談ください。
コホンと咳が出た時に診てもらう病院の先生のように、”かかりつけの司法書士”として、ご相談に対応できればと思っています。
取材を終えて感じた先生の人柄
ご相談者様の中には、お菓子やお惣菜を持ってきてくださる方もいて「ご相談者様からの感謝の気持ちが、前職では得られなかったやりがいにつながっている」と明るくお話ししてくださった渡邊先生。司法書士になる前は、金融業界で働いていらっしゃいました。ご相談内容に直結するお金や不動産については、前職の経験から業界ならではの特徴を知り尽くされた上でアドバイスしていただけるので、心強いです。
今回の取材で、そういった経験の部分だけでなく「困っている人を助けたい」という想いが人一倍強いお人柄の部分を知ることができました。自身が「お金を儲けること」や「楽をすること」に目を向けず、誰もやりたがらないことを利益度外視で行う、ある種の自己犠牲精神に、ご相談者様がどれだけ救われたことか、と強く感じた取材でした。
事務所概要
- 名称
- 渡邊司法書士事務所
- 資格者
- 代表 司法書士 渡邊 貢
- 所在地
- 福岡県福岡市南区高宮1-9-18 サンシャイン高宮203
- 電話番号
- 092-516-8886
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 8:00~18:00 ※土日祝日も営業
- 定休日
- 無し
- 対応エリア
- 福岡県
※その他の地域でも対応できる場合があります。ご相談ください。
- 所属
- 福岡県司法書士会:第1896号
簡裁訴訟代理等認定番号:第1629023号
事務所情報掲載日:2023年11月29日
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