お客様一人ひとりと真摯に向き合い、専門家として地域に貢献する
千葉県の流山市で地域に密着した相続の相談に対応されている、流山おおたかの森司法書士事務所の菊地司法書士。「子育て世帯にやさしい街」として注目を集める流山ならではの相続相談や、地域に密着した司法書士としての活動について、ご自身も流山に移り住まれた経験を持つ菊地司法書士にお話しいただきました。
新しい街ならではの相続事情にあわせたご対応
まずは相談にいらっしゃるお客様について教えてください。どのような相談にいらっしゃる方が多いですか?
ご相談にいらっしゃるのは、事務所がある流山市や柏市、松戸市などにお住まいの方が多く、内容としては相続登記のご相談が多いですね。
相続が発生して、必要な手続きの終わりが見えてきて、最後に相続登記をどうすれば良いのかご相談いただくというケースです。こうしたご相談が全体の7割くらいで、他には相続が発生する前段階から相続対策のご相談などもいただいています。
ご相談のほとんどが流山市にお住まいの方からということですが、流山市ならではのご相談の傾向はありますか?
流山市は比較的新しい街で、私も含めてなのですが、再開発が進んだ後に移り住んできた方が多くいらっしゃいます。ご実家が遠方にある方は「流山に住んでいるけど、相続する不動産は地方にある」ということになるのですが、こうしたご相談が多いのは流山の特徴かもしれません。
最近も九州や東北にある不動産の相続についてご相談をいただいており、全国各地の不動産の相続登記をご依頼いただいているという状態です。
お客様は流山にお住まいでも、不動産は地方にあるというケースですね。そうしたご相談に対応される際に、何か気を付けていることはありますか?
不動産を現地で確かめることができないので、時間をかけて慎重に手続きを進めるようにしています。お客様もご実家の不動産について把握されておらず、調べてみると未登記の物件だったり、農地だったりということもありますので。
また、戸籍を収集する際にも各地から集める必要がありますので、どうしても手続きに時間を要してしまいます。そのため、お客様への進捗のご共有を欠かさないように心がけています。
メールや電話で「今こういう状況です」というお話は、こまめにお伝えさせていただくようにしていますね。
流山に住んでいるからこそ分かる、法律家のニーズ
菊地先生も流山に移り住まれたということですが、流山に事務所を構えて良かったと感じるポイントがあれば教えてください。
流山にお住まいの方は、皆さん流山が大好きなんだと感じますね。もちろん、私もその一人です。私は結婚・子育てを機に東京から流山に移り住んだのですが、街のイベントの豊富さや子育てのしやすさから、大変住みやすいと感じています。
街のイベントという面では、市長をはじめ関係者の皆さんが本当にいろんな企画をしてくださるので、市民として楽しませていただいています。商工会議所や自治会もすごくアットホームで、最近では地域の夏祭りも大がかりなものを準備して、子どもたちが楽しめるような行事も行ったりしていますね。
司法書士として、そうした地域のイベントに協力されたり、主催者側で参加されることもあるのですか?
そうですね。司法書士としては、市役所で行われる無料相談会にご協力させていただいています。他にも私個人として、商工会議所で監事の役割をさせていただいており、時間が許す限りはイベント企画などのお手伝いをさせていただいていますね。
ご結婚と子育てがきっかけで流山に住まれたということですが、子育てをされているからこそ意識している、お客様への対応などはありますか?
お子様を連れてのご相談は、必ず受け入れるようにしています。
流山は、圧倒的にお子様連れの方が多い街です。特にカフェやレストランといった飲食店は子どもの受け入れ体制がすごく整っていて、子どもの注文を先に出してくれたり、おもちゃを選ばせたりしてくれます。お店の方もそれに困っている雰囲気は一切なく、子どもを受け入れることが当たり前になっているのです。
私も同じように、お子様を連れた方でもお越しいただきやすい事務所にしたいと考えています。
子どもを産んでみてはじめて分かったのですが、親が何か打ち合わせのために子どもを預けるというのは、すごくハードルが高い。保育園のようなサービスは利用するために厳格な要件が定められていますし、ベビーシッターなどを頼むにしても、費用も手間もかかってしまう。子どもを預けることへの不安も、心理的な負担になってしまいます。
それなので私は、お子様を連れてのお打ち合わせは、絶対にOKしようと決めています。お子様の年齢にも制限を設けず、お打ち合わせの場所もお子様にあわせてお店をピックアップして、お子様のことを心配せずにご相談いただけるように心がけています。
人と人のつながりを意識して、ご相談にお応えする
子どもを預けなくても相談できるということは、子育て中の方にとってはとても心強いことだと思います。他にもお客様への対応で、何か心がけていることはありますか?
ご相談はなるべく対面で行うようにしていることと、時間をかけてお客様が望んでおられることを聞き取るように心がけています。
相続というシーンにおいて、相談に来られるお客様と、専門家である司法書士との間では、圧倒的に知識や経験に偏りがあります。そうした中で不安を抱えてご相談にいらっしゃると、お客様もどうすれば望む未来になるのか分からないまま、専門家に頼んでしまうことがあるのです。
お客様が望む本当のニーズというのは、専門家であっても、じっくりお話を聞かないと分からない部分があります。それなので私は、お客様と対面で、時間をかけてお話を聞かせていただくことを大切にしています。
お客様もどうすればいいのか分からない状況で、お話を聞きながら解決策を考えていくということですか?
そうですね。ゴールは登記や手続きという1点ですが、そこに至るまでの過程には、複雑な心理関係が絡んでくることもありますので、できるかぎり対面でじっくりお話を伺うようにしています。
お客様が望んでおられるニーズを汲み取り、できるだけお客様にストレスがない方法を考えて、お客様と一緒に進めていくというスタイルです。
手続きとしては1件の相続かもしれませんが、私の中では人と人のやりとりだと考えていますので、「この人だから任せたい」と感じていただけるような仕事をしたいと思っています。
時間をかけて丁寧に、お客様の気持ちに寄り添う
相続が発生する前段階でのご相談にも対応されているということですが、相続対策のご相談ではどういったお話やご提案をされることが多いのですか?
相続対策のご相談ですと、遺言書の作成をご提案させていただくことが多いですね。
最近、遺言書を法務局が保管してくれる「自筆証書遺言書保管制度」というものがはじまったのですが、これは3,900円で遺言書を法務局で保管できる制度であり、相続人の代表者に通知が届くという点で、利用者にとってメリットが大きく使い勝手が良い制度です。
この制度のことを知ってほしいと思う面もあって、遺言書を作成しておいた方が良いなと感じた方には、積極的にこの制度のことをご案内しています。
遺言書を作成しておいた方が良い方というのは、どういった方々になるのでしょうか?
まず挙げられるのが、お子様がいらっしゃらない方です。あとは、配偶者が亡くなられた方や、事業を営まれていて後継者の候補がいらっしゃる方。こうした方々にとって、遺言書は準備しておいて損はないものだと思います。
ただ、遺言書を作成するためには、自分の死と向き合うことになるのですが、これはすごく難しいことです。精神的に躊躇してしまうこともありますので、ご夫婦や身近な方でいちど相続を経験された方に対して、次への備えとしてご案内することが多いです。
遺言書はデリケートな話題でもあると思うのですが、遺言書のご提案にあたって気を付けていることはありますか?
相続全体のご対応と同じことではありますが、丁寧なお話の聞き取りに限ると思っています。
相続の手続きは、発生した相続という枠の中で内容を決めていくことになります。それに対して遺言書は、ご本人の希望を盛り込んで作っていくことになります。どこまで盛り込むかはご本人次第ですし、作成している途中で気持ちが変わることもあります。
本を書くといったら大袈裟かもしれませんが、それくらいの気持ちで臨む必要があるということをお伝えし、丁寧に時間をかけて作成をサポートさせていただいています。
本当に時間をかけて作っていくものなので、「気持ちが固まるまで待つことも大事ですよ」とお話させていただくこともありますね。
専門家として磨いたスキルを地域のために還元する
これから力を入れていきたい取り組みなど、今後の展望を教えていただけますか?
流山で活動されている他の士業の先生や他業種の方と協力して、よりよい地域をつくっていくことに貢献したいと考えています。
ありがたいことに、相続のご相談をいただいた方から、ご依頼が完了した後に別のご相談をいただく機会が増えてきています。そうしたご相談は相続に限ったものではありませんので、私一人では解決できないものも含まれています。
そのようなご相談をいただいた際に、流山にいらっしゃる他の専門家の方々と協力して、街のためにできることをやっていきたい。地域共生社会という言葉がありますが、地域の中でそれぞれのスキルを出しあって、よりよい街にしていくために貢献したいというのが、これからの展望ですね。
最後に、相続に悩まれている方にメッセージをお願いします。
お近くの司法書士に頼ってみてください、とお伝えしたいですね。
相続の手続きというものは、私たち専門家にとっても、同じものは2つとないと思えるくらい多種多様なものです。今ではインターネットで相続の情報を探すこともできるようになりましたが、ご自身の形にあった手続きを探して実行に移すことは、とても難しいことだと思っています。
ですので、ぜひお近くの司法書士に頼ってみてほしいと思います。司法書士は身近な専門家として、地域の方の味方になれる存在です。
お悩みを相談するだけでもホッとして肩の荷がおりるものなので、お近くの司法書士を地域の財産として、うまく使っていただければと思います。
プロフィール
流山おおたかの森司法書士事務所
司法書士 菊地 志帆
平成21年:青山学院大学法学部 法学科卒業
平成23年:司法書士試験合格
平成24年:都内司法書士法人にて不動産登記、商業登記、相続手続きに従事
令和4年:千葉県流山市にて独立開業
千葉司法書士会:第1675号
簡裁訴訟代理等認定番号:第 1101120号
流山商工会議所:サービス諸行部会 監事
公益財団法人 東京都中小企業振興公社 TOKYO創業ステーション 丸の内:専門相談員
取材を終えて感じた先生の人柄
流山市で地域に密着した相続の相談に応えられている菊地司法書士。ご自身も流山に移り住んだからこそ分かる、流山の良いところを大切にされており、よりよい街にするために、専門家としてのスキルを地域に還元しようとされている姿勢が印象的でした。
子育て中の方も安心して相談できることが特徴的な事務所ですが、それは表面的なものにすぎず、その根幹にあるものは菊地司法書士が持つ地域貢献への確かな想いでした。
「住んでいる地域の困りごとを、地域の皆さんと一緒に解決する専門家になりたい」菊地司法書士の誠実で熱意溢れるお話の数々から、地域のために尽くしてくれる司法書士がいることの心強さを実感した取材となりました。
事務所概要
- 名称
- 流山おおたかの森司法書士事務所
- 資格者
- 代表 司法書士 菊地 志帆
- 所在地
- 流山市おおたかの森北二丁目
- 電話番号
- 050-7587-4249
※「相続プラスを見た」とお伝えいただくとスムーズです
- 営業時間
- 平日 9:00~18:00 ※ご予約で土日祝日・時間外も対応可能
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 対応エリア
- 流山市、松戸市、柏市、野田市、三郷市、我孫子市、東京都内つくばエクスプレス沿線
- 所属
- 千葉司法書士会:第1675号
簡裁訴訟代理等認定番号:第 1101120号
流山商工会議所:サービス諸行部会 監事
公益財団法人 東京都中小企業振興公社 TOKYO創業ステーション 丸の内:専門相談員
- 事務所の特徴
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メールで相談する事務所情報掲載日:2023年11月16日
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